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第19話:なまえの、まじない


「ねえ、くう。お耳、貸して」


「いいよぉ、ぽこ」


ぽこは、くうの長いお耳を、不器用な手つきで結びました。


「えへへ。これ、『仲良しのまじない』なんだって。誰かに教わった気がするんだ」


「わあ、かっこいい! 僕も、ぽこのお耳、結んであげるね」


二人はお互いのお耳を結び合って、リボンのような形にしました。


「あはは! ぽこ、とっても変なお顔だよぉ!」


「くうこそ! ぴょこぴょこしてて、面白いよぉ!」


その様子を影から見ていた「彼女」は、唇を噛んで笑いました。


そのまじないを教えたのは、他でもない彼女自身だったからです。でも、二人は彼女のことも、そのまじないを練習した日の夕暮れも、もう覚えていませんでした。


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