前へ目次 次へ PR 13/78 第13話:なんでもない(2) 「ねえ、ぽこ」 「なに? くう」 「ふふふ。………なんでもない」 二人は、ひっくり返った巨大なパラボラアンテナの上で、滑り台のようにして遊んでいました。 「なんでもない、ってなあに」 「あのね、ぽこのしっぽに、白い綿毛がついてたから」 「ふふふ。なあんだ」 空はどこまでも青く、遠くで古い機械が「キィ…………」と鳴いています。 昨日あった悲しいことも、明日来るかもしれない怖いことも、二人の間には入り込めませんでした。