10/13
第10話:おもいでの貯金箱
二人は、古びた「魔法のポスト」を見つけました。
『あなたの「めいよ」を、明日の光に変えて差し上げます』
「めいよ……? なあに、それ。おいしいの?」
「わかんないけど、くう、これ入れちゃおうよ」
ぽこがポストに触れると、彼がかつて「聖騎士カシアス」として何万人もの命を救い、英雄と崇められていた記憶が、一瞬で吸い込まれていきました。
「……あ。いまね、なんだか頭の中が『ふわっ』てしたよぉ!」
「わあ! ポストから、きれいなランプが出てきたよぉ、ぽこ!」
「ねえ、ぽこ。その『めいよ』って、大事なものじゃなかったのかなぁ」
「わかんない! でも、このランプの方が明るくて役に立つもんね、くう!」
二人は、英雄の記憶と引き換えに手に入れた小さなランプを手に、暗い洞窟の中へと入っていきました。二人の心は、また一つ、透明に近づいていきました。




