血の繋がりに縛られて
そんな日常を繰り返して、ある日。
「ねぇ、翔太」
「どうしたの?、」
「紹介したい人が居るんだけど、、、」
彼女が僕たちの空間内に招待したのは、「ryusei34」というidの子であった。
「この子は私のいとこなんだよね!」
彼女はいつも通りの調子で言うが、僕の心境といえば慌てふためいていた。
「こんにちは!陽菜のいとこの流星です!」
「もう!流星、本名で呼ばないでって言ったじゃない!!」
彼女達のペースに追いつけない。そして彼女の本名を今日僕は初めて知ったのだ。
「よろしくね!」
かなり不自然に放たれた言葉だったが、幸い二人は気に停めていないようだった。
次第に僕達は三人で遊ぶようになった。
「ごめん!私お風呂入ってくるね」
彼女が離席し、僕と流星の二人になった。
「俺実は、陽菜のこと好きなんだよね」
僕は唖然とした。
ちがう、こうなることは分かっていたはずだった。
僕と彼女にあったのも「男女の友情」に過ぎなかった。
ただそれを僕は否定したかった。
でも僕達二人だけの空間の中に、別の人間が入ってきた時、それがライバルであるかのように感じていた事も事実である。
「え!そうなの!?」
僕が咄嗟に出せた言葉なんてこのくらいだった。
「でも、俺いとこだから何とも言えないんだよな」
僕は彼の言葉でようやく気づいた。
気づいていたのかもしれないけど、その感情を胸の奥深くに押し殺していたのだ。
僕は彼女が好きだ。
顔も知らない、知ってるのは声と「陽菜」という名前だけ。
でも確かに彼女に対して僕は、友情では表しきれない特別な感情を抱くようになっていたのだ。




