第3章 響きわたる炎にのせて 3-31
「………死んだ?」
垂れ下がりピクリとも動かない腕を見て愛芽梨は、そう判断を下した
「………コレが人を殺した感覚なんですね」
今まで戦いに参加し相手を傷つけた事はあるが、殺人は初めての事だった
愛芽梨は、自分が人を殺した事に恐怖を覚え吐いてしまった
確かにムカついて殺意はあったが、死んで欲しいとは思っていなかった、言葉にしてみると矛盾しているようだが、愛芽梨の中では殺意と殺人は別種の感情だった
罪悪感からとうとう涙を流し始めていると
「このゲームに参加しているのに人を殺す覚悟もないのかよ
だったらさっさと辞めちまった方が楽だぜ」
死んだと思っていたジャックの声が聞こえた
「ひっ!
死んだんじゃないんですか?」
「勝手に殺すなよ
ていうか、死ぬどころか俺は無傷だっつうの」
そう言うと、メガ・シャークの口を軽々と開けて、服が少し破けただけで大きな外傷が見られない
ピンピンと元気な状態のジャックが颯爽と登場した
「ケガ一つないとは一体どういうことなのです?」
「簡単な事さ、このデカブツが俺を噛み殺す前にコイツの制御権を君から奪ったのさ」
「どうやったのですか?」
「お前、質問ばっかだね
けどいいよ、教えてやる
俺のスキル書は、お前と同じでスマホなんだけどさ
俺達は、スキル書と化したこのスマホを徹底的に解析した
その結果スキル書としての機能が追加されただけで後は普通のスマホと変わらないと結果が出た
なら、プログラムやウイルスを入れたりする事も可能だろう」
「私のスマホにもウイルスを入れたんですか?
いつのまにっ!」
「いや、お前のスマホにはウイルスじゃなくて
直接ハッキングした」
「もしかして、あの球体の中で?」
「そ、あれは中に高性能なコンピューターが積んであったの
まぁでもコイツに壊されたんだけど」
動かないメガ・シャークの口からヌルリと降りると、ゆっくりと愛芽梨へと近付く
「さて、今お前は何にも出来ないがどうする?」
愛芽梨自身は、命をかけて最後まで戦う気はあったが、里帆とユーにもしピンチになったら装飾品を渡してでも生き延びて欲しいと言われていた
悔しくて、下唇を噛みながら絞り出す様に答える
「…………こ、降参します」
愛芽梨vsジャック ジャックの勝利で決着




