第3章 響きわたる炎にのせて 3-35
その報告を聞き、集中を欠いたのはユーの方だった
「(里帆が負けた……
マズい早く助けに行かねぇと、殺されるかもしれねぇ
いや、そもそも生きてるのか?)」
焦りで思考がまとまらない、その隙をメアは逃さなかった
拳が胸を捉える、バキっと音が鳴り肋骨が折れる感触がユーを襲う
さらに、追撃で顔面にも一撃を貰う、その拍子に眼帯も外れる
「(なんつぅ、力だよクソがっ!)」
痛みに耐え、なんとか突きを返しメアの身体へ当てるが、ガキンっと金属がぶつかる大きく甲高い音がして、何かに阻まれた
それは、身体を守る様にして巻かれたナイフとそのホルダーがアーマーリングの爪が刺さるのを防いでいた
「(防がれたが問題ねぇ、音が鳴ったそれが重要だ)」
攻撃が防がれたのに余裕の表情を見せるユーに、メアは違和感と同時に何故か既視感を覚える
そして、咄嗟にナイフホルダーを外そうとする
「遅ぇよ」
その言葉が合図にとなり、メアの上半身が爆発し炎上する
その場でゴロゴロと転がり必死に火を消そうとするメア
「(チャンスだ、ここで追い討ちをかけて倒せれば……)」
ユーが懐に手を入れ、今度取り出したのは
誕生日等のお祝い事で使うクラッカーだった
それを3つもメア向けて発射する
すると、スイカくらいの大きさの火の玉が3つメアを目掛けて飛んで行く
火の玉が着弾すると火が一気に燃え広がり、着弾した辺りは火の海と化していた
「(流石にこれは、耐えられねぇだろうよ)」
ユーは勝ちを確信し、装飾品を取る為に悠々と歩き出し、メアへと近付いて行く
しかし、メアは立ち上がっていてユーを睨み付けていた
「おいおいおいおいおい
不死身かよテメぇはよぉ」
「予め中に防火性の高い服を着けてただけだよ
けど、今のでもうボロボロだけどね」
「チっ
(しゃあねぇ、音も溜まったしヤるか)」
ユーは外さないようになるべくメアに近付く
そして、拳を握り大きく振り被る
「(接近してからの拳、これなら炎は無いな)」
接近してからだと炎の自傷ダメージを喰らうので、メアは頭から炎の存在を消した
それから大振りの攻撃に対してカウンターを狙う為に構えた
逃げる様子を見せないメアを確認すると、振り抜く拳を緩め、親指を人差し指に入れる
そして、手がメアの胸の位置に来ると親指で人差し指を弾く
すると、キンっと金属の擦れる音が響くと同時に半径5mに及ぶ大爆発が起きる
視界が白く染まった
「メアーーー」
時武が叫ぶが最早メアの耳には届いていない




