↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】錬金術師ティファレット•エンジェライトの奮闘〜花の錬金術で幼馴染を助けたい〜  作者: 緋月 らむね


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/36

20:友達との再会

よろしくお願いします。

 サラとアズラエルがジィード王国にやって来る当日、私は馬車で港のある町まで迎えに行った。


「サラ、アズラエル〜ここよ〜」


 私は船から降りて来る二人に向かって手を振って出迎えた。


「ティファ〜」


 金髪に碧眼のサラとはこの前学校の図書館で会った振りだった。


「ティファ、久しぶり〜」


 アズラエルは長髪の黒髪を後ろで一つに縛っており、目の色は珍しい薄い紫で、タミル程ではないけれど、整った容姿の持ち主だ。卒業ぶりで、卒業してそんなに経ってないけど、雰囲気が学生時代の身なり構わずな様子から変わっており、立派な貴族子息になっていた。


「遠いところ、来てくれてありがとう。ゆっくり二人の現状も聞きたいからまずは私の家でお茶しましょう」


 グラハ王国から船に乗ってジィード王国へは一日かかる。せっかく来てくれたので、二人ともうちに何泊かして泊まっていってもらう予定だ。


 サラもアズラエルもそのつもりで大きな荷物を持っていた。


「ティファの家に泊まらせてもらうのよね。ありがとう。楽しみだわ」


「俺も泊まっていいなんて、本当にいいのか?」


「アズラエル、何言ってるの? 友達なんだからいいに決まってるでしょ」


「そうだけど……俺は男だし……」


 アズラエルは自分に婚約者がいるからか、私に対して少し遠慮気味だった。


「別に三人で一緒の部屋じゃないから大丈夫よ。私はサラが良ければ一緒の部屋で寝ようかと思っていたけど、アズラエルはその隣で、別の部屋を用意してるわ」


「そうか。ありがとう。それじゃあお言葉に甘えて、泊まらせていただくよ」


「そうしてちょうだい」


「私は今日はティファと一緒の部屋で寝たいわ。でも明日とかは一人で寝たい」


「サラらしいわね。じゃあ今日は一緒に寝ましょうね」


「ええ」


「じゃあ、行きましょう。二人ともどうぞ、馬車に乗ってちょうだい」


 二人を馬車に乗せて私の家に向かった。


「ティファの家まではどれくらいかかるの?」


「王都のタウンハウスまで半日かかるの。ここからだとエンジェライト領の方が近いんだけど、サラ、タミルに会いたいって言ってたから」


 半日ずっと座りっぱなしではお尻が痛くなる。私達は通りすがりの町にも寄りながら休み休み王都に向うことにした。


「それは言ったけど、でもどういうこと?」


「あのね、タミルに話したら会ってもいいって」


「えっ!! 会ってくれるって言ってたの?」


「うん」


「ティファ、さっきから話しているタミルって誰だ?」


 ずっと黙って聞いていたアズラエルが話に入ってきた。


「あ、覚えてない? 私の幼馴染の子で、今は婚約者よ」


「「婚約者!?」」


 二人の声がはもった。


「あれ? 言ってなかった? 最近婚約したの」


「ティファ、おめでとう! 私はいつティファが自分の気持ちに気づくかなって、ずっと思ってたのよ」


「おめでとう!! 先に言ってくれればお祝いを用意してきたんだけどな」


「二人ともありがとう。えっ、サラは気づいてたの?」


「そうよ。だってしょっちゅうその子のこと話してたし、手紙も普通じゃ考えられないくらいやりとりしてなかった? それを見てたら普通気がつくと思うけど」


「そう言われてみれば、俺もちょっとそう思っていたことを思い出した。なんかしょっちゅう手紙が届いてたな。その手紙の主が婚約者だったのか」


「うん。そうなの」


「よかったわね〜ティファの婚約者になったし、これからはタミル様って呼ぶわ」


「そうだな。ティファの将来の旦那様だもんな。今までとは違うよな。俺もそう呼ぼう」


 今までは“幼馴染の子“で名前もちゃんと覚えてもらえてなかった。二人の中でタミルの扱いが変わった。


「そういえば、アズラエルはいつ婚約者の人と結婚するの?」


 私はタミルも気にしていたことを聞いた。


「俺は来年かな。婿入り予定だけど、相手がまだ学生なんだ」


「そうなんだね。年下の子なんだね」


「二人ともいいな〜私だけ婚約者がいないわ」


「えーサラは最近出会った取引先の息子といい感じなんじゃなかった?」


「あの人はダメだった。既婚者だった……」


「えっ、それは……」


「すぐにわかってよかったじゃないか。そんな男は碌でもないぞ」


「アズラエル、誰か紹介してよ」


「うちに弟がいるけど……」


 アズラエルは三人兄弟の真ん中だった。お兄様が爵位を継ぐことが決定している。


「アズラエルの弟? そういえば弟がいるって言ってたわね。いいんじゃない? 身元も確かだし。婿養子になってくれそう」


「そうね! ぜひ紹介して」


 サラは大商会の一人娘だった。


「今十四歳だけど、いいか?」


「……サラは今二十歳よね?」


 私はだいぶ歳の差があるのが気になった。


「ええ、そうよ。ちょっと離れているけど、弟くんが良ければいいわ。アズラエルには顔は似ているの?」


「俺が錬金術師の学校に入った頃はまだ六歳だったけど、帰って会ったらそのまま大きくなった感じだったよ。俺よりも、もっと線の細い感じだよ。子供の頃はよく女の子に間違えられていた。サラみたいなさっぱりしたタイプはあいつに合いそうだし、帰ったら聞いてみるよ」


 学生時代、私達はみんな寮に入っていた。祖国でも私と同じように家に帰る余裕は二人ともなくて、八年間帰れなかった。


 サラの好みは王子様のような男性がタイプだったので目が輝いていた。


「ええ、ぜひお願い。また返事待ってるわ」


 私はサラとアズラエルの弟がどうなるか気になった。結局どうなったのか報告してもらおうと思う。


 私達は馬車の中では外の景色を全く見ずに、三人で話をしていたら、あっという間に半日経って、王都の自宅に着いた。


お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。