16:お兄様のはからいとタミルからの手紙
よろしくお願いします。
ずっと部屋に閉じこもっている私をお父様とお母様はそっとしておいてくれていた。きっとお兄様からこの前の食堂での様子を聞いて何か気付いたんだろう。
(どうしたらいいんだろう。このまま部屋に閉じこもっていたら時間だけが過ぎて、タミルとエルダ様が本当に婚約してしまうかもしれない)
部屋のノックの音が響いた。
「はい」
「ティファレット様、タミル様よりお手紙が届いておりますよ」
「えっ、タミルから手紙?」
私はメイドが持ってきたタミルからの手紙を読んだ。
「ティファへ
体調が悪いとティファの代わりにお見舞いに来てくれたホド様から聞いたよ。大丈夫かな? ずっと僕のために頑張ってくれていたもんね。調子の悪い僕が言うことではないかもしれないけど、早く元気になることを祈ってるよ。本当は僕がお見舞いに行けるといいんだけど、行けなくてごめんね。また元気になったら可愛い顔を見せてね。待ってるよ。
タミル」
(……知らなかった。お兄様がタミルのところへ行ってくれたんだ。ローウェルのおじさまの言うことがどうであれ、タミルは私に会いに来てって言ってくれてる)
私はタミルの手紙に返事を書いた。
「タミルへ
手紙ありがとう。タミルも大変なのに心配かけてごめんね。元気になったので、近いうちにタミルのところへまたお見舞いに行こうと思ってるよ。
ティファレット」
そしてできた手紙を出してきてもらうようメイドに頼んだ。
(今度、タミルのところへ行ったら自分の気持ちをタミルに伝えよう。それからお兄様にもお礼を言わなくっちゃ)
タミルが私の気持ちを聞いたら、なんて答えるかわからないけど、私は行動もせずに指を咥えて、タミルとエルダ様が婚約するのを見ているだけなんて嫌だった。
タミルからの手紙とお兄様のおかげで元気を取り戻した私は、久しぶりにお腹が空いた。
(ここ最近、食事どころじゃなかったもんね)
全然食欲がなく、持ってきてもらった食事もほとんど手をつけずに下げてもらうことが多かった。でも、自分の気持ちが決まったことで食欲が出てきた。
私は久しぶりに食堂へ行って、食事をすることにした。食堂に行くと、お兄様がいてお茶を飲んでいた。
「お兄様、私の代わりにタミルのところへ行ってくれてありがとうございました」
「ティファ、どうして知ってるんだ? ……そうか、タミル君から手紙が来たんだね」
「はい。そうです」
「すぐに手紙を書くって言ってたもんな。でもよかった。ティファが元気になって」
「お兄様のおかげです。本当にありがとうございます」
「可愛い妹のためならお安い御用だよ」
私はそれから食堂で久しぶりの食事をゆっくりしながらお兄様と楽しい時を過ごした。
お読みいただきありがとうございました。




