もう疲れたよ
ごめんね、ペリン、リナリーン。
3人で戦ったのに勝手に願い事言っちゃったよ。
「いや、俺は構わんが…。
この泣いている娘は一体だれだ?」
え?マジで?
誰かもわからず抱き止めたの?
エアリスだよ。
「エアリスです…。」
「なっ!龍が人となったのか?何故?」
何故って…エアリスが望んでいたんだよ。
ペリンと添いたいって。
本当に気がついてなかったのか、この人。
そんで、それに気がついたから、赤い玉の願いの力をエアリスを龍から人にすることに使ったってわけ。
「しかし俺は…。
リナリーン!
俺は、俺は君が好きだ。
君を傷つけられず、君に勝てなかった。
だから、龍を倒し君の役目を終えさせて、弱くとも共に生きていけることを願ったのだ。
しかし、訳がわからないことになった。
なんだこれは。
想像していた結末と一つも合っていない!」
あはは。
ペリンがノロノロ迷い続けたせいだよ。
「…えーと?
ペリン、アンタ、ずっとここで戦い続けていたのかい?
…凄いねあんた。
話は分かったよ。
アンタの気持ちも。
あはは。
だけどね、この子は、ラルフは私を傷つけず負かしたよ。」
「えぇ?凄いな、ボン。」
リナリーンは言ったよね。
自分を負かしたら好きにしていいって。
エアリスも言ったよね。
龍を倒したら全てが叶うって。
「言ったねぇ。」
「言った。」
なら僕が命令する。
2人とも、素直にペリンに貰われなよ。
ペリンが異常だっただけで、リナリーンの強化幅も十分愛してると言える範囲だ。
あんたも待ってたんだろ?
いつかペリンが来ることを。
勇者に娶られるのが、お姫様の王道だもの。
2人とも娶って貰いなよ。
「…いや、ボン、2人も嫁を貰うことはならんだろ。
破廉恥な。」
え?なんで?
「なんでって…。
当たり前だろう。
1人の夫と1人の妻、それで夫婦だ。
破廉恥な。」
あれ?
魔女の村ってそれだと維持出来なくない?
「うん、うちの村は多妻なことが多いね。」
龍は?
「過去に龍が人になって婚姻した事なんてないから分からないから、別に良いんじゃない?
逆はあるけど。」
逆はあるんだ。
でもほら、問題ないって。
「そうなのか。
ならば問題ないな!2人とも!俺と結婚してくれ!」
「うん。」
「まぁいいさ。
惚れた弱みだ。
理想とは全然違うけどね。」
「理想ってなに?リナリーン。」
「ん?あぁエアリスはお姫様って概念がないか。
後で教えてやるよ。
そうしたらあのジジイがどれだけ女を待たせた酷い男かわかるから。」
酷い男ね…まぁ、事実か。
片方の女の気を引くために、別の女をしばき続けるって所だけ切り取ると、ペリンはとんでもない男に見えるし。
もうなんか付き合ってらんない。
後は3人で解決して欲しい。
「そうだね。
あとは私ら3人でなんとかするよ。
はぁ、子供もできない歳になっちまったが、結局なる様になるってやつだね。
なんか昔からそんな気はしてたんだ。」
はぁ、一旦魔女の村へ帰ろうか。
疲れたから一度休みたい。
◆
村へ帰ると、意外な人物が待っていた。
僕の父だ。
「ラルフ!心配したぞ!」
走り寄る父は僕を抱きしめながら、続ける。
「リナリーンに拐われたと知って探していたんだ!
良かった、無事で。」
え?
拐われてたの?僕。
「私は拐ってないよ。
面白そうな子供がいるから鍛えてくれってシーから手紙が来たから連れて来ただけだよ。
置き手紙はちゃんと置いて来ただろう?」
ほぼ無断なら、それって拐ってんじゃない?
「…あ?リナリーンと…ペリンか?
お前ら一緒にいたのか。
…その娘は?
また拐って来たのか?」
「おぉ!
サシュマじゃないか!
この娘は俺の嫁だ。
エアリスという。
よろしくな。」
ペリンはなんで一発でお父さんだってわかるのさ。
歳が違うでしょ。
「サシュマ?この色男が?
嘘でしょ…歳が違いすぎる。
アイツはもっとジジイだろ?
アイツの息子くらいの歳じゃないか。
なにさ、老けにくいってだけじゃ説明がつかないくらい若いね。
何やったんだい?一体。
教えておくれよ。」
ほら、これが普通の反応だって
…でも説明をするとなると、ややこしい。
みんな勢いで生きていけるならスムーズなのに。
とりあえず城へ行こうよ。
一つ一つ片付けよう。
いい加減早く休みたいし。
とにかく座りたい。




