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転々転生  作者: まつり
勇者と龍そして魔女

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犯行声明文


…どこだ?そら?


おそら?風が凄いな。

……鳥の上?鳥の上だ!

すげー!かっこいい!

こんにちは鳥さん!

ラルフです!


「おー!目が覚めたかい!

アンタがラルフ?


手紙を貰ってね、アンタを鍛えてくれってさ!」


…?


あー!

シーちゃんのとこの、村長さん?

はじめまして、ラルフです。


お姉さんのお名前は?

おばあちゃんって聞いていたけど、お姉さんにしか見えないよ。


「いやだね、この子は。

ま、若く見られる努力は欠かしてないから、嬉しい言葉だけどね。


ごめんね、いきなり空の上で。

夜までに帰らないと、ほらコイツ鳥だから。

夜は飛べないからさ、急いだんだ。


鳥目ってやつ。

鳥だから。


あっはっは。


サシュマの孫なんだろ?

あいつこんな可愛い孫隠してやがって。


あいつも昔はカッコよかったんだよ。

絵姿とか見たことない?

無愛想なのは変わらないけど、氷の様な印象を持つ男でね。

なのに水属性の才能はこれっぽっちもないんだから、笑っちまう。


そう、ラルフは土魔法を習いたいんだろ?

サシュマもシーも上手くないから、私を頼ったのは良い判断だよ。

才能が無くても、花を咲かせることぐらいは出来るようにしてやるさ。


あー、そんでさ、なんか都に居辛いんだろ?


だったら村で修行していきなさいな。

丁度いいでしょう?」


そうなんだ。

お父さんとも知り合いだしシーちゃんが頼んだ人で間違いなさそうだ。


ならいいか!

話が通ってるなら問題ないでしょ。

めちゃくちゃ早口で色々喋られたけど、大丈夫でしょ!


最近、外に出られないくらい変なことになってたから丁度いいし、気分もいい。


ちなみにどこ行くの?

あと、お姉さんのお名前は?


「村だよ?

ほら、村長やってるから、あんまり離れるわけにはいかないんだ。

あ、村の場所か。

北の方にある小さな村さ。

でも、有名な村なんだよ。

魔女の隠れ里って呼ばれていてねぇ。

なかなか来られるやついないんだから。


特に男はね、少ないんだ。

アンタも油断してると、誰かにとっ捕まって食べられちゃうかもしれないよぉ。


いっひっひ。


今の魔女っぽくなかった?

私は魔女よりお姫様に憧れたもんだけどねぇ、やっぱり。

でもさぁ、なんども魔女魔女言われたらさ、ご期待に添いたくなるじゃない?


だから魔女っぽさもさ、分かってるつもりなんだよ。

流石に部屋に大鍋はないけどさ。

村長だから、炊き出し用の大鍋はあるけどねぇ。」



何この人。

すっごい喋る。


あの…お名前を…。


「私か?リナリーンだ。

よろしくね、ラルフ。


リナリーンってのはさ、魔女の長に受け継がれる名前でね、生まれつき特別魔力が高い子供が生まれたら、とりあえずリナリーンって名付けるのさ。

私もその口でね、他の誰かが村長になったら、別の名前を名乗らなきゃいけなかったんだけど、結局私が村長だからね、リナリーンのままなのさ。


色々考えたんだけどねぇ、可愛らしい名前も。

リナリーンってどう?可愛い?私としては魔女の名前って感じがして、気に入っちゃいないんだけど、それは小さい頃からそう聞いていたから、そう感じるのかなって、そう思う時もあるのよ。」


おぉ…。

とりあえず、よろしくお願いします。

喉乾かないの?


……

………


「ラルフがいなくなっちゃった。」


屋敷に3日ぶりに帰ってきたジェマの元に届いた知らせは最悪なものだった。


どこぞの聖職者が出世欲のために誘拐でもしたのか?と思ったが、事態はもっと深刻だった。


「あたしが師匠に手紙出したの、ね。

土属性魔法を教えてあげて欲しいって、そしたら、これ…。」


ラルフの部屋に置いてあったという手紙を見て、ジェマは目を剥いた。

文章にではない、終わりに書いてある、リナリーンというサインを見て、だ。


「サシュマ、我が義理の孫が、可愛い婚約者殿が修行に出ると書いてあるではありませんか。


どういうことです?


せっかく剣の修行をつけに来たというのに。」


ジェマが振り向くとそこにシャルルがおり、手紙を覗き込んでいた。


昨日ラルフと鍛錬に来たブランドとアンヌが、シャルルと試合したあとよりも更に剣技に磨きがかかったと言っていたのを聞いて、我慢ならなくなったからだ。


「我が孫がいなくなったとはどういうことだ!

どこへ隠した!」


バチギレたシャルルだが、ジェマは応じない。

応じる余裕が無い。


よく見ろシャルルのバカ。

この手紙の差出人を。


よく見ろ!


「…。

リナリーンだと?

あのリナリーンか?」


恐らくそうだ。

このふざけた若作りした文章で人を拐っていくのはアイツしか考えられない。


「パパ、ラルフはどこに行ったの?」


娘のティナに手紙を渡す。

もうこの紙も触りたくない。

なんか、嫌悪感がある。


「えっと…?


シーchanへ


おてがみありがと。


ひさしぶりのおてがみでびっくりしちゃったよ!

まっかせなさい!

あたしのお城へ連れて行ってそだててあげちゃう!

おしゃしんもみたよ!


かわいい男の子ね!

あたしがつよつよのいい男にしてあげちゃうからね!


たーいせつにするから、ラルフchanが帰りたくなくなっちゃうかも!


そしたらごめんね!


あなたのかわいいお師匠sama

リナリーン



なにコレ…。

すっごい丸文字。

小さい子からのお手紙?」


違う。

私とシャルルと同い年のババアだ。

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