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転々転生  作者: まつり
剣と魔法と聖女とジジイ

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被害者の会 会長

今度の能力は生贄か…。

せっかく祭壇の前なんだから何かお供えしていこうか。

お菓子とかでもいいって言っていたし、剣を習った帰りに食べようと思ってた、ぺぺさん特製ナッツを飴で固めた携行食とかどうだろう。


タナさん、ラルフィード様。

無事現世に着きました。

着きましたでいいのかな?

行ったり来たりが前提になっているのはおかしな事だけれど、これからも見守っていて下さい。


なんとなく初回だから丁寧にやっておこうかなと祈っている。

召されていた時に会っているから別にいらないんだろうけど、これがタナさんの力になるならちゃんとやらないとね。


「あなた、とても上手にお祈りするのね。」


びっくりした…。

真剣に祈ってたから、背後からの声掛けに心臓が飛び出るかと思った。

心臓が飛び出て、祭壇に落ちて、生贄判定になって、また召されるまで想像したよ。


ここって人避けとかされてるもんだと思ってたよ。


「こんばんは、お邪魔してごめんなさい。

夜の鐘聞こえてた?

それを鳴らしに来た両親に着いてきていて、私はここの掃除をしているのよ。


アンヌっていうの、よろしくね。

あなたは?」


はいはい、アンヌちゃんね。

ラルフです。

ここってもう閉める時間?

ごめんね、すぐに出ていくよ。


「ううん。

ここはいつでも開いてるのよ。

でも、街にも教会があるから、普段あまり人が来ないからびっくりしちゃった。

せっかく祈ってたから、邪魔しない様に掃除していたんだけど、流石に外も暗くなって来たし、我慢できなくて声をかけてしまったの。」


そうなんだね。

うんうん。

11歳くらいの可愛らしい感じの女の子だ。

今日はむさいおじさんとばっかり会っていたからか、余計そう感じるよ。

まぁ、このくらいの歳の子供に可愛らしい以外の感想なんてわかないけどさ。


…ん?

そういえばこんばんはって言われたぞ…!

暗くなってきたとも言ってた…。

今何時だ?


「夜の鐘を鳴らしながら掃除をしているんだけど、今は鐘が鳴ってから1時間くらいかな。」


やっべぇ…!

少なくとも7時か!

絶対心配してるよ、早く帰らないと。


膝を叩きながら立ち上がり、挨拶をして帰ろうとしていると、扉の方から長身でゴツいの男の人が歩いてきた。

扉自体は無いけどね、僕が壊したままだから。


「どうした?アンヌ、なんかあったか?

お?子供?どうしたんだ?迷子か? 


こんばんは。」


ラルフです。こんばんは。

いやぁ、神様に祈ってたらこんな時間になったの気がついてなくって…。


「こんなに暗くなってたのに気がついてなかったの?本当にすごいね。


私たちも帰るところだから、送っていってあげるよ。

ね?パパ。


貴方のお家はどこ?」


サシュマの家です、と答えると、二人は少し驚いた顔をした。


「サシュマ様の家ならお父さんがわかるよ。

何度も謝りに行ったことがあるから。」


謝りに…?

アンヌちゃんったら見た目によらずヤンチャなのか?


「わたしじゃないよ!

おじいちゃんがヤンチャなの!

おじいちゃんがサシュマ先生に突っかかって、それでお父さんが謝りに行ったの!」


…どっかで聞いたな、その話。

シャルルさんのお孫さん?


「親父、シャルルを知ってるのか。

そうだよ、俺が息子で、アンヌは孫だ。

そういえば今日は新しい子供を教えに行くって言ってたな…。


ラルフのことか?」


そうですー。


この外れの教会にいるのの7割くらいはあなたたちのお祖父様のせいです。

あのまま大人しく気絶してるか分からないからさぁ、目を覚ました後に追われないように、屋敷に真っ直ぐ帰っちゃまずいと思ったからよったのもあるから。


「もしかして…爺さんまたやったか…?」


前回一体何をやったかの内容がわからないけど、多分またやったと思う。


「お父さん、この子、サシュマ先生の家の子なんだって。」


「…お孫さん?


そうか…。

絶対に送っていかなきゃいけなくなったな。

アンヌは来なくていいぞ。

通りがかりの門にいる兵に送ってもらって、さきに帰っていてくれ。


はぁ…気が重いが……行こうか。」


門のところではサンドラちゃんがいたなぁ、確か。

サンドラちゃんなら安心だ。


「あら、ラルフちゃんじゃない。

え………シャルル様のとこのブランド団長とラルフちゃんの組み合わせって…剣聖様、またなんかやったの?」


シャシャシャシャって笑ってたよ。


「あぁ…親父が、多分な。


じゃあサンドラ、アンヌを頼む。

これから俺は愛娘に見せられない程、見事な謝罪をしに行くから。」


そんな悲壮な…!


「分かったわよ。

ちゃんと責任持って送って行くわ。


あ、ラルフちゃん見て見て。」


サンドラちゃんが兜を脱ぐと、ブランドさんとアンヌが驚いている。


あー、呪いが解けたのをしらなかったのか。

知らないと、男が女になっているのって、結構衝撃的だよねぇ。


ん?なんか、解けた直後より綺麗になってない?


「そりゃあそうよ、男の時は毛の手入れなんてしていなかったけれど、女は髪を大切にするもの。


じゃあ、髪の自慢も出来たし、アンヌちゃんを送っていくわ。


またね、ラルフちゃん。

今度わたしも剣、手取り足取り教えてあげるからね。」


ひげもじゃの呪いが解けたサンドラちゃんは、綺麗なお姉さんになっている。


自然な姿で似合っているけど、何故か女の姿の方が強そうに見えるなぁ。

あ、今回の騒動の原因がカルさんだって話しておけばよかった。

そうしたら、サンドラちゃんの強さを見られたかもしれないのに。


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