聖女様
後日。アリアンヌとナターリアは、話題のパフェが出る喫茶店に来ていた。
「わぁ、いちごパフェやチョコレートパフェ、抹茶パフェ、季節限定パフェとか言うのもありますのね。どれも美味しそうだわ〜」
「そうだね。どれも美味しそう!」
「リアは、どれにするか決めた?」
「そうだなぁ…私は、季節限定パフェとチョコレートパフェ、紅茶、あとミルフィーユっていうケーキも頼むわ!」
ナターリアは、キラキラした目でメニューを見て、注文を決めていく。
「おぉ。かなり食べるわね。大丈夫?」
「えぇ!私、甘い物には目が無くて…このためにお昼も抜いてきたから大丈夫!」
「すごいわね。そこまで甘い物好きとは知らなかったわ…私は、抹茶パフェと紅茶にしようかしら。」
こうして、二人はパフェを楽しんでいた。
すると、周囲の話がふと二人の耳に入ってくる。
「ねぇ、皆様知っている?何でも聖女様が現れたらしいの!
あの男爵がたまたま引き取った孤児が聖女認定されたんですって。」
「えぇ!聖女様ですか?確か前に現れたのは百年以上前だったとか。
私、聖女様は架空の人物だと思っていましたわ!」
「ちなみに、聖女様ってどんな人なのですか?」
「なんでも、誰にでも好かれる可愛い系の方らしいですわ。
あくまでもあの男爵がご自分で言ってらっしゃった事ですから本当かどうか分からないけれど。
私はたまたま、お茶会で男爵が話していたのを耳にしましたの。」
「そうなのですね!ただ、その感じだと教会が保護するから私達が目にすることは無さそうですね。残念だけれども。」
「確かに…」
「フフッ。そうでもないのよー。なんと、学園に編入されるそうよ!
一般教養を身に着けたり、交友関係を広げるためだそうよ。」
「なんと!それなら私達でも少しはお目にかかる事もあるかもですね!」
アリアンヌとナターリアは、驚いた表情をしたものの、あくまで盗み聞きをしてしまった事を悟られないように普段の会話を続けて、パフェの味を楽しむのであった。
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それから一週間後。
教会は新たに聖女が誕生したと発表。それと同時に学園へ特別に編入することが決まったと報道された。
聖女様の名前は、フィーネ。孤児院にいたところ、たまたまコブチュ男爵に拾われ、養子になったそうだ。
その後、たまたま行った教会で聖女の素質があることが判明。詳細な検査をしたところ聖女に認定されたとの事だった。
フィーネが学園に入学して、アリアンヌ達の生活が変わったかというと、変化はなかった。
というのも、学年が一つ上だったため、影響がなかったのである。
また、教室の階が違う事もあり、アリアンヌ達の学年の生徒は一目見ることもほとんどなかった。
フィーネが入学してから三ヶ月後。
学園内で不穏な噂が流れ出した。
聖女様と殿下がいい感じの仲らしい。
聖女様は高位貴族の子息とも仲がいいらしい。
聖女様と殿下達が街を一緒に散策したらしい。
殿下は聖女様に心変わりしたらしい。
以前の夜会では殿下が聖女様をエスコートしたらしい。
アリアンヌの教室では、そんな噂に対して皆がアリアンヌに励ましの言葉をかける。
「殿下がアリアンヌ様を蔑ろにするなんてありえません!きっと何か理由があるはずですわ!」
「えぇ、きっとそうですわ!」
「アリアンヌ様の魅力が聖女様に負けるはずありませんもの!」
入学当初は怖がられていたアリアンヌも、日々の挨拶のおかげもあり、クラスメイトには受け入れられていた。
ただ、クラス外の生徒達には、相変わらず怖がられているが…
「えぇ。皆様、励ましてくださりありがとうございます。
エスコートに関しては、殿下から謝罪の言葉をもらっていますから大丈夫ですわ。」
アリアンヌは、若干顔を引きつりながらも笑顔で対応した。




