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間違った歴史を、君と正す  作者: 紡雪
龍神伝説編

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13/19

第13話 再び過去へ

「着いたわ、今は平安時代ぐらいよ。」


光が弱まったのと同時に悠は夏とは思えないほどの寒さを感じ…ない!!


え?覚悟してた割に寒くない。


意外なことに、現代の9月中旬ぐらいの気温に感じた。空を見れば太陽が出ていて、昼時ということがわかる。


「昔なほど気温が低くなるのかと思ってたんだけど…」


驚きのあまり、声に出すと咲良が自慢げに


「食パンを食べるとね、炭水化物の代謝とか何とかで体が温まるのよ!!」


っと、ドヤ顔で説明してくる。


「嘘ではないんだろうけど、多分今は関係ないと思うけど…てか、どんだけ食パンガチ勢なんだよ!!」


と、お遊びはここらへんにして、悠は周りを確認する。


周りは木に囲まれている。俺たちがいるのは安息地といわんばかりの草原。人が住んでなさそうな自然がすべてを支配した土地だった。


と思っていたんだが、森を抜けると、小さな集落と神社があった。


だが、俺たちが知っている神社とは何かが違う。

屋根も、建物も、周囲の景色も。


「……本当に、来たんだな」


俺はそこで初めて、過去に来たことを実感した。


そして、目の前に広がるこの池が《《桜ヶ池》》で間違いないだろう。


そう認識した時だった。


突如、森が騒がしく揺れ始めた。奥に見える木が揺れ、集落の建物の屋根の一部がはがれ飛ばされる。池の水面はまるで石切りをした後のように波紋がこちらに向かって広がってくる。


突風だ。目に見えてこちらに向かってくる風に二人は構えた。


その時、悠はニュースで見た光景が、脳裏をよぎった。


「無理に逃げようとせず、その場にしゃがんで頭を守りましょう」


そして、俺たちのもとにそれが到達する直前、悠は咲良の上にかぶさってしゃがむ。


3秒ほど突風に耐えた後、雷鳴の轟きとともに雨が降ってくる。


「平安時代ってこんなに天気コロコロ変わるもんなん?」


「そんなことないと思いたいけど…」


二人は雨から逃げるように、集落へ向かった。


「すいません!雨宿りさせてください!」


声がかき消されそうになるほど、雨音は強くなってきていた。

平安時代の家は、まだ竪穴住居の面影が残っていたという。


この屋根、藁で出来てるのか?


悠が横を見れば、立派な神社が建っている。


あの神社みたいにちゃんとした家を作ればいいのになぁ


そんな事を思っていると、扉はゆっくりと開く。


「あなた方は…旅の者ですか?」


「はい。」


「どうぞ。」


その女性はとても親切で、何の迷いなく二人を家に入れてくれた。


「「ありがとうございます。」」


「大変だったでしょう…」


それに頷き、


「突然の雨で、とんだ災難ですよ。」


そう悠が答えたと同時に、女性は


「違います。」


と、否定をした。


「この雨は降る運命なんですよ。雷も、風も、全て《《龍神様》》の怒り。」


「運命…?」


咲良が聞き返すと、話を逸らすように女性は


「そういえば、名乗っていませんでしたね。私は佐久瀬さくせ雨友うゆうというものです。」


次の瞬間、悠と咲良は見つめあった。


それはそうだろう、聞き覚えのある《《佐久瀬》》という苗字。その苗字は紛れもなく泉さんが


「その掟に書いてあるんだよ。《《笛江戸》》と名乗る者と《《佐久瀬》》《さくせ》と名乗る者が訪れたら池に近づけるなってな。」


と、言っていた。


「あなた方の名前は…まぁ別にいいですか。」


「…?何でですか、全然名乗りますけど……」


「明日の朝には、この村を発ちますので……」


「どこにですか?」


聞くと、雨友は視線を逸らして…


「ちょっとそこまでですよ。」


そこで、悠が話に加わる。


「皇円っていう人は知ってますか?」


「その人なら、隣の神社にいらっしゃいますよ。」


と、親切に教えてくれた。


話を聞く限り、龍神様と皇円さんは別……なのか?


まだ正しいと決まったことではないが、すでに伝わっている情報と違う。それは咲良も感じていた。


とにかく、雨が止んだら皇円さんに会いに行きたい。


そう考えながら、しばらく待つことにした。


雨の音が現代の家と比べて鮮明に聞こえる。

一定のリズムだった雨音は風で崩れ、この家とともに揺れる。


止む気配のない雨によって坂を下る水流とともに時間が過ぎていく。


咲良を見ると、体育座りの体系で眠っていた。

きっと、しっぺい太郎の書物を夜通しで読み漁っていたんだろう。


今は寝かせておこう…


力なく眠るその姿に、とても起こす気にはなれなかった。


まあ、起こす理由もないけどな。


次に雨友さんを見ると、荷造りをしていた。それを見て、悠はふと


明日の朝は晴れるといいな…


そう考えていた。


次に俺は、地面を見ていた。


暇だ…、暇だ!!


現代の娯楽を知ってしまった俺はもう、何もしない時間なんて耐えられないよ…。傘でもあればなぁ~


「………。」


俺、折りたたみ傘持ってる…。


俺は昨日の朝、家から出るときにポケットに小さい折りたたみ傘を入れていた。


「少し、神社の方見てきます!」


疲れている咲良を起こすのは気が引けるからな…一度俺一人で偵察に行くとしよう。

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