【1】入学式と隣の人
太陽が暖かく照らし桜の花びらが頬を撫でて行く春。今日は入学式、地に一歩一歩踏みしめながら高校へ歩んでいく僕。
学校に近づくと日陰がポツポツと僕を追い越す陰が見える。空を見上げると翼を広げ自由に羽ばたく生徒たち。家々の屋根をバッタのように飛んでいく生徒たち。
羨ましいそうに空を見上げていると交差点でドンとぶつかる。食パンを咥えていたのか、地面に食パンがベチャと落ち、僕は尻もちを着いて痛がっていると。
「すみません!大丈夫ですか!?」
一言をかけられるとそこには2mはある巨体の女子生徒が手を差し伸ばしていた。
「こちらこそよそ見してすみません」
まるで恋愛漫画のテンプレにようにその手を掴む。女子が僕を立たそうとすると
ゴキッ!!
手から出てはいけない音がする。激しい痛みが全身を駆け巡る。体が大量のアドレナリンを出すが焼け石に水と表していい程痛みが感じてしまう。
悶絶しながら痛みに耐える。女子生徒はすぐに手を離し、必死に謝罪をしたらその場から走り去ってしまった。
そんな災難を入学最初から遭ってしまったが、高校に着き、体育館に行って会場に入る。
周りには翼・羽がある人、巨体や腕がムキムキな人、高速で走り回っている人。色んな症状を持つ人が大勢居る。
しばらくして入学式が始まる。およそ1mくらいの姿をした校長が教壇のマイクの前に立つ。
「諸君、私はこの高校の校長である。見ての通り、この小さい体は『哺乳類ネズミ型』感染でこのようになってしまったのである。こんな体でも長年この学校の校長として務めることができてきた、だからこそ君たちも同じようにしっかりと励んで行けば順調に事が進んで行くだろう。」
校長の言葉は言葉にしっかりと意味を持つ内容で為になる話である。
やがて、入学式が終わり教室の方へ行く。
教室に着くと賑やかな声が聞こえる。症状を自慢する話し声や、中学時代の話など和気藹々とした教室の隅っこの席に着く。
楽しそうな会話を聞き耳立てながら聞いていると先生が入って来た。
その瞬間空気がコロっと変わる。先生が来るとみんな席に戻って引き締まったような姿勢で座り始めた。
先生は巨体かつ剛毛な髪、さらにピチピチスーツ越しから見て筋肉量が多い体。
この先生は症状の中でも珍しい「哺乳類ライオン型」に感染した人間だからだ。
威圧感が先生から放たれる。先生は重い口を開く。
「今日から担任の『獅子 力男』だ。よろしく」
一言だけを言い。教科書や用品を淡々と配っていく。
重くずっしりとした教科書を鞄に詰め込み、ファイルにプリントを入れる。
配り終えると先生は前を向いてこう言う。
「年次表を出して、今から今後のことを言うぞ」
教室はカサカサと紙が擦れる音を立て、自分も紙を出そうとするがない。
トントン
右肩を叩かれる。翡翠色のした髪と目をした人がこちらを見ている。
「これ、間違って2枚配られていたから一枚どうぞ。」
「本当ですか!?ありがとうございます。」
受け取った瞬間、先生は今後の流れを言い出す。
急いでペンを持ち、月間表に書き込む。
無事に終わりホッとため息を出す。
帰宅しようと立ち上がると「ん?」となった。
隣の席の人の髪の色が少し黄色が混じった翡翠色になっているように見えた。
きっと見間違いだろうと思い、僕は気にせず入学初日を終え帰宅した。




