男祭り
準備をするとはいったもののやる事といえばそれ程何かがあるわけでもなく、マジェが押さえて俺が脱ぐ、その二つだけで時間がかかる事もなくすぐにでも始められるが、その前にマジェに押さえてもらう為に俺の蹴りにより横倒しの状態で倒れたままのベネットをマジェと二人でうつ伏せにし、その上にマジェが跨って馬乗りになり、両手を持っていた治療用の布で縛り上げて身動きを取れない様にした後俺も準備をする為ズボンを脱ぐかと思ったが、意識がある状態で脱ぐ所から目にするのとすでに脱いだ後だと後者の方が少なくても精神的なダメージが軽い様に思えてしまう。
「ねぇコウ、本当にやるの~? 経験した身だからこそわかるけどあれをやるのはかわいそうな気もするんだけど……」
かつての記憶を蘇らせているのか両手で体を抱く様にしながら嫌悪感をその顔に出しているカッチェ、そんな彼女の優しさは相手がベネットであっても少しはある用で、とてもコーンの股をめった刺しにした人と同一人物だとは思えない、あの時の様子を見ていた俺としてはカッチェなら指の1本ぐらい切り落としてもおかしくはないと、彼女に対する評価はそうなっていたのだ。
「やるよ、ハミィが受けた屈辱を考えればこのまま終わらせても気がすまないし」
「私は大丈夫だから、あんな感じで言われるのははじめての事じゃないし、コウと出会う前からよく言われてた、正面から言われたのは久しぶりで少し動揺はしたけど陰で言われ来たのも知ってるし、今は皆が一緒に居てくれてるから私は大丈夫、コウも気にしなくていいからやめよう? こんなのコウだって恥を晒す事になるんだよ、私はそれの方がつらいよ…」
俺の顔を見ながらそう言った彼女は最後にはうつむきながら自分の服を掴んで耐える様に言葉を口にする。
彼女がもういいと、やめてくれと言うのだから止めた方が彼女にこれ以上嫌な思いをさせなくてすむのかもしれない、でもその場合はどうなるだろう? この先も彼女は俺達が一緒に居る時は言われる事がなかったとしても、いない時は言われ続ける事になるんじゃないか? 正面からはなくなっても陰でコソコソと言われ続ける、そんな日常がこれから先も続いて行く事になるわけで、割り切って生きていける人であってもそんなの傷つかないわけがない。
これはただの自己満足になるのかもしれないがそんな彼女の日常を俺は変えたい、呪いで女の身でありながら男の姿に変えられて、着る服でさえも制限を掛けられている彼女の事情を知らない人なんてこの先もたくさんいるだろう、そんな人達から少しでも彼女を守るにはそれ以上の存在を作り上げて傍にいる様にすれば少しは変わってくるんじゃないか? 一人で一身にその罵声を浴びるより、二人で言われて尚且つ俺の方に意識が向く様にしてしまえば彼女の状態を薄めれるんじゃないか。
そんな考えをどうしてもしてしまう、まぁその場合、他にも被害が出そうではあるのだが……。
「……んぁ? なんだうごけねぇ、あれ? 俺何してたんだっけ……?」
不意に聞こえて来たその声に自問自答を繰り返す俺の意識は覚醒し、振り返りながら床にいるはずのベネットへと目を向けると気絶していた事もあってか状況を把握できてはいない様で、周囲を見渡していた。
「よう、やっと起きたか」
「えっと……誰だっけお前、確か~……ああぁぁ!! そうだ、お前ぇ~よくもやってくれやがったな! くっそなんだよこれ動けねぇ、おい! どけよ!」
「言われてどくわけがねぇだろ、わざわざ身動き取れない様にしてんだ、どくぐらいなら最初からやってねぇよ」
「ベネット、謝る気はあるか? こっちにはこっちの事情がある、それをあんな感じで馬鹿にされると流石に許せないんだ」
「はぁ? 謝る? 俺がか? 謝るわけねぇだろ、俺は事実を言っただけだ、女装なんかしやがって気持ち悪い、そんな奴とお前らもよく一緒にいられるよなぁ、お前らそろいもそろってそっち系の趣味でもあんのか?」
「そうか、解った」
俺がギルドに来た時にあんな罵声を浴びていた彼女がそれでもとこの件を終わらせる為に傷ついた気持ちを抑えて言った言葉、当の本人であるベネットは気絶していて聞いてはいないが、せめて一言でもいいから彼女に謝罪をして欲しいと思った、でもそれはどうやら叶う事はない様だ、それどころか更に彼女を傷つける事になってしまった、ここまで来れば俺自身もう手加減なんてする気も起きない、全力で屈辱を与えて知らしめよう、彼女に下手に関わるとこうなるということを。
「マジェやるぞ!」
「任せとけ!」
時は満ちたと、今回の処刑の相方を務める彼に合図を送り、その合図に応えてマジェは馬乗りになっている状態のまま、両手でベネットの頭を鷲掴みにし、無理やりにでも頭を少し起こさせて固定をする。
「いってぇ! 何してやがる! 離しやがれ!」
「それは無理だな、なんせうちの大将がもうお前さんを許すつもりはないらしいからな」
「ああそうだ、許すつもりはない、ベネット、ここから先は、男祭りの時間だぁ!」
高らかに声を張り上げながら意を決し、俺は一気にズボンを脱ぎ捨てる。
そんな俺の様子を鷲掴みにされたままのベネットは意味が解らないと呆けていて、ギルドの中にいた人達やラミアスさんでさえも言葉を発せず押し黙る。
そんな回りや加害者を無視し、ゆっくりとベネットに近づき後ろを振り返って膝を曲げ、四つん這いになり態勢を整える。
「ちょ、何してんだ……? 意味がわからねぇぞ、ケツを俺に見せて何がしてぇんだよ、頭おかしいぞお前」
「それはこれから解ることだ、狙いはこっちに任せていいぞ、ど真ん中にぶち込んでやる!」
「そうか、なら任せたぞマジェ、俺は出来うる限りの屈辱を与えてやる」
脳裏に刻まれて決して消える事はないだろうあの記憶を鮮明に思い返し、何をどうやられたのかをなぞって行く、当時の自分には考えもしなかっただろう、まさか自分がやる側に回るとは。
あえてベネットの顔を見たままで距離にして四歩ほど離れた場所に陣取った俺はゆっくりとまずは左足をずり下げる。
「どうしようカッチェ……、始まっちゃったよ」
「あの時は身動き取れなかったからよく見えなかったけど、今回は良く見えるし人がしようとしてるの見るとなんかニヤニヤしちゃう~!」
「もうカッチェ!」
片足を下げた所で聞こえて来た二人の声ではあるが他にもギルド内からは色々な声が飛び交っていた、ザワザワとした響きではあるがその中に察した様に驚愕の声を漏らす人、今だ何をするのか解らない人の声が混ざり合い、先ほどまでは静かになっていたギルド内が騒然としてきた、そして今だ意味が解らないと言っているベネットに向かって次の一歩である右足をずり下げる、それによって片足では移動しなかった俺の下半身は大きく後退し、顔に近づいて行く。
「ちょ! おい! 何してんだよ気持ち悪い! 寄って来るな」
「まだ解らないか、このまま俺が下がって行けばどうなるかは流石にわかるだろう? 今の俺に慈悲などない」
出来うる限りの屈辱と恐怖を与える為にもあえて一歩づつの間隔で近づいて行く。
残り三歩。
「な! お前正気か!?」
「すでに俺は正気ではない! 大切な人を馬鹿にされて怒ってるんだよ!」
その怒りを表現するかの様に更に左足を後退させてわざと音を立て、すかさず右足を下げて更に後退させ、残り二歩になると何故かギルド内にいた人達からはどよめきや歓声が上がる。
「わ、わかった! 謝るよ、謝るから止めろ!」
「今更そんな事を言った所で」
「時すでに遅し」
処刑人と化した俺と固定器具と化したマジェの意味の解らない息の合いようを合図に今度は一気に両足を動かし一歩を刻み、残り一歩となると先ほどよりも大きな歓声が再び上がる。
「やめろぉ! 来るなぁ! やめろって!」
悲鳴にも似た叫び声を上げるベネットではあるが、このまま顔を付けるだけでは効果が薄い気がする、俺が望んでいるのは恐怖と屈辱を与える事なのだ。
一旦深呼吸をした後あえて挑発するかの用にケツをベネットの顔に向けて突き出し、上下左右に振り回し、その恐怖心を煽って行くと周りからは先ほどよりも大きな歓声が上がり、ギルド内からはやっちまえとコールが何度も響き渡る。
「ふざ、ふざけるな! やめろって! お前らも煽ってんじゃねぇよ! な、なぁ、悪かった、俺が悪かったよ、今後はあんなこともう言わないって約束するからさぁ、やめてくれよ、なぁ?」
「そうか……約束するか」
「あぁ、約束だ、誓うよ、もうしねぇよ」
ベネットと顔を合わせたまま会話をし、その間にも片足を下げて行く。
「お、おい? 足が下がって来てるぞ? 約束したろ?」
確かに約束は持ちかけられた、もう言わないと誓ったが――。
「その約束に俺は返事をしていない!!」
そう突っぱねると同時に右足を一気に下げ、顔に向けてケツをぶち込んだ。
「ふんんんぉぉぉぉ!!!」
勢いよくぶち込んだケツに頭を鷲掴みにしていたマジェが狙いを定めて見事にど真ん中へとベネットの顔は埋まり込み、ケツと顔の密着した場所からは悲痛な声に出来ない叫び声が響き渡り、ギルドの中では大歓声が上がっていた、しかしこれではまだ足りない。
「まだだ、まだ終わらぞ! これが俺の全力だあぁ!」
埋まっている顔を挟み込む様に力を加えて、顔を押しつぶす、その際うめき声も上がったがそんな物はもう関係ないとケツを上下に振り回し、円を描く様に回転を加えるが、ベネットの頭はマジェが後ろから固定している為逃げる事はできない、そして俺の動きに合わせてマジェが鷲掴みにした頭を動かし、更に奥へと押し付けて行く。
「ふぅぅぅん…………うぅぅぅぅ」
何やら構わずに振り回しているとパンツが湿って来ている感じが伝わって来るがその後も俺は何度も何度もケツを振り回し、一旦解放する事により終わったかと安堵したところでもう一度挟み込むというベネットの心をへし折る為の行動を繰り返す。
そしてそんなとんでもない時間は、たまたまギルドに用があった警備隊隊長の到着と共にパンツを履いていたいたとはいえ、卑劣な行為をしたという事で俺が牢屋に連行された事で終わりを迎えた。




