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脱衣2

 薄暗く、少し肌寒い部屋の中にいくつもの鉄格子で区切られたスペースで膝を抱え込み頭を垂れながらどうしてこうなったと自問自答を繰り返す、そこまでやってはならない事はやっていないと自分自身では思っていたのだが他の人からすればそうでもなかったのかもしれない。


 「はぁ、寒い……」


 何もすることが無いというのもあるのだろうか、特に誰かが一緒に居るわけでもないのに不思議と独り言をつぶやいてしまう、しかしこうなって来ると心配なのは皆を怒らせてしまっていないかという事で、謝る事になるのは間違いがないだろうけど、許してくれるかが心配だ、マジェとカッチェに関しては何となくではあるが謝れば許してくれるだろうなという思いはあるのだが、問題はハミィだ、何度も想像して謝る練習を繰り返すが何をどうやっても簡単には許してくれない様な結果になる、色々な事があったうえ、相棒である俺が捕まってしまったのは彼女を傷つける事になってしまっているかもしれない、そんな考えが何度も脳裏に現れて不安にかない。


 コツコツと誰かが歩いてくる靴の音が耳に入るがなんとなくではあるが今は誰の顔も見たくない、そんな思いから抱え込んでいた膝に頭を押し付ける様にして顔を逸らす。


 「はぁ、ここは少し寒いな、コウ・アスト、生きているか?」


 「生きてはいますよ…」


 先ほどの靴音の発生源である警備隊の男性が顔を上げないままの俺が死んでないかを確認しに来た様だ、彼からすれば檻の中で死なれては溜まらないという思いはあるだろうが、流石に俺自身、今のこの状態のまま死ぬなんて事は御免こうむりたい、まだまだやらなければならない事が色々見つかって来ているんだ、それにこんな事で何かの間違いで死んでしまったらそれこそ仲間に怒られそうだ、そしてサイモンさんの行動が全く読めない、いや、やりそうな事は思いつくよ? 多分俺がそうなってしまっていたら俺の墓にとんでもない言葉を刻み込みそうだ。


 「そうか、まぁ生きているならそれでいい、その恰好じゃ寒いかもしれんが罰だと思って甘んじて受けてな」


 「せめて毛布とか何か貸してはもらえないですか?パンツと肌着だけじゃ流石にちょっと…」


 「まぁ解らんでもないがそれも決まりでな、貸し与える事は出来ないんだ」


 「はぁ……そうですか」


 連行された際に押収された俺の装備は釈放される時には返してもらえるようだが今まで傍にあった物が急になくなってしまうと少しだけ不安になってしまう、それが身を護る物ならなおさらだ。


 「所で俺っていつまでここに居ればいいんですか?」


 「ん? あぁ…まぁ頭が冷えるまで入ってろって事だからな、そんなに長くはないと思うぜ、せいぜい後一日か二日ぐらいじゃないかと思うぞ」


 「……一日か二日…」


 そう聞こえた日数で外に出られると思うと早く出たいという気持ちがあふれ出て来るが、その後の事を考えるとやはり気分はよくならない、むしろもうちょっとここでこうしてたいとさえ思えてしまう。


 「しかしなんでまたあんな事をしたんだ? 聞いた話だととんでもねぇ状態だったし、今じゃお前さん、外で新しい称号が付いてるぞ?」


 「ちなみにそれはどういった称号ですか? あまり聞きたくはない気もするし、悪い方の称号だって事はわかるんですけどね」


 「穴肉王だ」


 「…は?」


 「だから~けつにくおうだよ、けつにくおう!」


 「いやいやいや、いくら何でもそれは嘘でしょ?」


 聞かされたその余りの酷さの称号に思わず顔を上げ、懇願するように嘘で会ってくれと頭を両手で抱え込む。


 「穴肉王の方はお前さん自身どこからそう呼ばれたのか解るだろうけが、他にも処刑人だとか、被害者を抑えてた男、マジェスティーだったか? あいつも合わせて穴肉組って呼ばれてるらしいぜ」


 「………ああぁぁぁぁ」


 今まで色んな呼び方はされては来たが流石にそこまでひどい呼ばれ方や通り名はなかったはずで、せいぜいサイモンさん絡みで変な奴ぐらいで収まっていた俺の町での評判はとんでもない方向にへと突き進んでいたようだ、こんな事聞かされては外に出たくなくなるし、さらに皆に合わせる顔がないと弱弱しい叫び声にも聞こえるその声は自然と自分の口から出てきていた。


 「ギルド内でもめてた話は聞いた、色々あるとはいえ仲間を侮辱されて怒ってやったのも解るんだが、実際の所何をどうやったのかまでは俺も聞いてなくてな、お前さんあの被害者に何をしたんだ? 向こうに事情を聴きに行った時相手さん涙を流しながら黙ってて何も言わなかったんだが?」


 「それは…」


 その言葉を切っ掛けに当時の事を思い起こし、これも事情聴取の一環だとあの時の事を話していく、そう、あれは俺が牢屋に入れられる前の事で、今から二日前の話の事だ。





**********************************************






 「俺は今から、ズボンを脱ぐ!」


 「「えぇぇ~!?」」


 「あ~なるほどな」


 突然の宣言を聞いた周りの反応といえば誰もが意味が解らないとそういった表情で仲間である彼女達二人もそれは例外ではなく、ただ一人何故か俺のやろうとしている事がわかった様なマジェがおかしいだけだろう。


 「コウ、どういう事なの? いきなりそんな事…説明して」


 「そうだよ、皆が見ている前でズボンを脱ぐとか、脱ぐならハミィと二人っきりの時だけにしてよ~」


 「「そんな関係になってない!!」」


 決してそんな関係には今のところはなってはいない、今のハミィとそんな関係になってしまえば俺の人生はある意味終わりを迎えてしまう事になるだろう。


 「マジェは解るの?コウがやろうとしてること~」


 「わかるぞ? というか俺からしたら二人が解らないのが信じられねぇ、あの出来事を忘れたのか? つまりだ、ハミィが受けた屈辱を晴らすというかやり返す為にあれをこいつにやるつもりなんだろ?ズボンを脱ぐで俺は解ったぞ」


 「屈辱…出来事…ズボンを脱ぐ……ああぁぁぁ!! あれをやるつもりなの!? 」


 マジェの口にした言葉によりカッチェもここに来てやろうとしている事を理解できたようだがハミィはまだわかっていない様で俺達三人を見ながら首を傾げていた。


 「しかしあれをやるとしたら身動きを取れない様にしねぇと逃げられるし意味がねぇよな、なら俺が押さえて顔を固定してやるよ、おもいっきりやっちまえ!」


 「わかった、それじゃぁ始めるぜ」


 こうして俺は連行されるとは思いもせずにちゃくちゃくと準備態勢に入って行った。

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