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屍兎は自由人  作者: 平成兎
第二章 薔薇の王国
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青年Aの研究 後編の後編

遅くなりました。

スランプでした。ゴメンなさい

『あの喜びの魔力が生まれて以来、よく夢を見る様になった。

初めて魔術を見て、高揚する夢。

まだ魔術師として未熟だった時、新しい魔法を覚えて喜ぶ夢。

今まで見た全ての夢は、あの喜びの魔力を生み出した時覚えた感情に酷似した物だ。

この夢に、あの喜びの魔力が関わっているのは確定だ。 しかし、何故夢を見せるなんて事をして来るのかは勿論分からない。 だが、夢は見る者の心に密接に関わっている。 その点で、私の心から産まれたあの喜びの魔力にとって夢は、干渉しやすいのかもしれない。

私は、喜びの魔力のより深く関わる為に、魔術を大量に使い、体力を消費して眠る。

そんな作業を毎日繰り返し続けた 。

二週間程この作業を繰り返していると、喜びの魔力に変化があった。

驚くべき事に、喋り始めたのだ。姿も変化し、魔力でしか見れない為、確定では無いが

、私の幼少期の姿にそっくりに変化していた。口調も私の幼少期にそっくりだった。

そして、彼の魔力は私と全く同じ性質の魔力になっていた。

それと、もう一つ大きな変化があった。

今までは私の特殊な目で見えていたものの、当然実体など持っていなかったのだが、なんと彼?は実体を得ていたのだ。


つまり、手で触れる事が出来る様になったのだ。

普通の目でも見えるかどうかは私には分からないが、どうやら見えているらしい(本人談)。

私と全く同じ性質の魔力で、私の幼少期の姿をしており、実体がある。

つまり、唯、漂うだけだった喜びの魔力は、


私という、人間になったのだ。

俄には信じ難い事だが、コレは紛れもない事実だ。

事実である以上、研究者である私は原因を解明しなければならない。

この喜びの魔力。本人曰く、精霊王グレムリンの謎は、私の研究課題である、魔力とは何なのかに間違いなく関わっているのだから……。







前述の通り、彼?は自分は精霊王グレムリンだと、名乗った。

何故グレムリンなのかと聞けば、「私がその名の通り有るからです」と返された。


グレムリンとは、かつて研究者や職人の手助けを行っていたという逸話がある妖精の名だ。彼?が答えた時の表情を見るに、恐らく自分で名前を付けたのだろう。

いつ考え、いつグレムリンの逸話を調べたのかは、今は置いておこう。


今大事なのは、彼?と魔力の関わりについてだ。

先ず、彼?が今まで通り私の魔術に干渉して来るのかどうか調べた。

しかし、彼?は前の漂う魔力だった時と違い、自動的に干渉してくる事は無くなった。

私が干渉を望んだ時にのみ、彼?は私の魔術に干渉した。



前述した通り、やはり知性を得ている様だ。

その後、彼?と共に数日間程、人間生活を行ってみると、彼?は喜んだり、怒ったり、悲しんだり、楽しんだりと、本当に人間の様に過ごしていた。

その際の魔力の変質も人の感情の変化の際に起こる変質と、まるで同じだった。




彼?曰く、「マスターの魂から産まれた私がマスターと同じ特徴を持つのは当然の事ですよ」だそうだ。




現時点で分かっている事は、5つ

1、生物が肉体か精神に変化を及ぼすと魔力が変質する事。

2、 生物は感情を大きく変化させると、魂と呼ばれるモノから強い魔力(グレムリン曰く精霊)が発現する。

3、精霊は、生まれて暫くは産みの親について回り、生みの親が死ねば空気中を漂い始める。

4、 産みの親が死ぬまでに特定の条件(精霊によって異なる)を満たせば、知性を持ち、個体によって異なるが実体と名を持つ。

5、4の様になった精霊達は、それぞれ精霊王、精霊王女、精霊妃、精霊帝王、精霊神た等々、好きな肩書きを名乗る。


精霊を生み出す、魂と呼ばれるモノについて以外は大方分かった。

後はその魂についてだが、グレムリン曰く生き物の心の臓に宿るらしい。 具体的な事は、どうやらグレムリンにも分からないらしい。


魂とやらを見るには、恐らく今の私の眼では、不可能だろう。

そこで私は、グレムリンと、前の眼よりも魔力の詳細が分かる様に強化した。

彼?は私の持っている魔術知識は全て理解しているらしく、非常に良い助手になってくれた。

更に、彼?のアイデアで、五感全てで魔力を感じられる様に肉体を改造した。


多少その体に慣れた後、今まで実験を行った地下の実験場に行ってみた。


ソコは、今の私にとって宝の山だった。

死体の周りには、怒りの魔力を発している黒い何かが飛び交っていたのだ。

黒い何かは私への殺意を垂れ流している。

匂いは、コーヒー豆の様な匂いだ。

グレムリン曰く、コレが魂らしい。

以前、木から魔力が流れ出ていた事があった。アレは精霊ではなく魂、と呼ばれるモノらしい。

だが、精霊と魂の魔力の性質は完全に一致している。


精霊は、魂から生まれる存在らしい。

つまり、魂は精霊の親の様な存在という事になるのだろう。魂と精霊が類似しているのは、親が子に似るのと同じ理由。

前の不完全な眼では、大人と子供の違いを見抜けなかったという訳だ。

精霊が特定の条件を満たせば知性を持つようになる。というのは、人間の成長と似た様なモノらしい。

赤子から幼児へ、変化していくのだ。


そう、変化していく。






思えば、今までの魔力は全て、変化に関わっていた。

生から死へ変わる時、何かが無から有に変わる時、小から大に、少から多に、そして希望から絶望に、そう言った変化を促し、変化によって発生する物。

魔力とはそういう存在だ。


この実験記録を読んだモノの大半は、戯れ言と切り捨てるだろう。

私も未だ半信半疑だ。

コレを読んだものが魔力の真相を知覚する事を願おう。』

しかも駄文とは……切腹…。

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