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屍兎は自由人  作者: 平成兎
第二章 薔薇の王国
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青年Aの研究 中編

わーい、とある三期だー。

『魔力についての疑問は尽きない。

更に魔力について良く知る為に、私は日常的に魔力を感知する魔道具を両眼と取り替えた。

お陰で魔力でしか物や人を認識出来なくなったが、真実を知る為には安い犠牲だ。


私は、この状態で街を歩き回ってみた。

そこで私は、平民の男が貴族の男に殴られている現場に遭遇した。


貴族の男は平民の男に罵詈雑言を吐き、平民の男はそれに蹲って耐えている。

暫くその様子を見物していると、貴族の男が、平民の男の身内まで罵り始めた。

ここで、平民の男に変化が起きた。

魔力が変質したのだ。それも、非常に分かりやすく。

そして、平民の男は、何処からか取り出したナイフで、貴族の男を刺した。

ココで、貴族の男の魔力が変質した。

だが、貴族の男の魔力はそこまで大きく変質しなかった。

平民の男は、貴族の男の抵抗を完全に無視し、貴族の男の胸に何度もナイフを突き立てている。


私はソレを見ながらある事に気づいた。

そう言えば、生者が死者に変わる瞬間の魔力の変化を、私は見た事が無かった。


やがて貴族の男は、痙攣を何度かした後、動かなくなった。

死ぬ時の魔力の変化はやはり劇的だ。


因みに、その後平民の男はもう一度大きく魔力を変質させて、呆然としていたので、私が殺害し、騒ぎを聞きつけてきた騎士達に頼み、死体を持ち帰らせてもらった。

今回の実験は実に有意義だった。


魔力の変質の主な原因が分かったのだから……。


魔力の変質は、肉体と精神の二つに大きく関わっている。

その他にもあるかもしれないが、今はこの二つについての考察をしてみるとしよう。


先ず、肉体。

その他色々な場所に出向き、調べてみた所、損傷した部位の魔力は変質するようだ。

例えば、皮膚が壊死した時は、その壊死した皮膚の部分の魔力が、死体に近い魔力の性質になっていた。

この事から、生物の肉体の活動には、魔力が大きく影響している事が分かった。


次に精神。

先程の平民と貴族然り、感情の変化。

これが魔力の質に大きく影響している事が分かった。

そして、精神に関わる性質の変化は大きく分けて2種類がある。


喜怒哀楽の喜と楽、哀と怒、この二種類。

つまり、プラスの感情とマイナスの感情の二種類だ。


そして、実は、プラスの感情からマイナスの感情への変化は、生から死への変化と、非常に似た変化の仕方をするのだ。

更に、ある実験中、私はある事に気づいた。

その実験というのは、ある一人の魔術師を意図的に劇的な事態に放り込み続け、感情を変化させる事によって発生する変化を観察するという物だ。

この実験の終了後、この魔術師にはある劇的な変化があった。


ソレは、魔力の総量だ。

この魔術師には約1年実験に付き合って貰った。

その間、私は毎日この魔術師の魔力を測定していた訳だが、より大きな魔力の変化を経た後、この魔術師の魔力の総量は大きく増加していた。

だが、この増加方法は決して良い事ばかりでは無かった。

ソレは、彼の魔術適性が前よりも少し下がっていた事だ。

それ故に彼は、一年前よりも魔術の発動速度が遅くなっていた。


それと、彼は実験の後、どうも情緒不安定に陥ってしまっているらしい。

魔術適正と情緒不安定に何らかの関係があると見るべきだろう。


その件についても後程研究はするが、今は魔力についての研究を続けよう』

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