亀は歩き続ける
遅れましたごめんなさい((((;゜Д゜)))))))
『皆さんご覧頂けたでしょうか!!??
今!!激闘に決着がつきました!!
此の凄まじい激闘を制したのは……
月兎ィィィィィイイイイイ!!!!!』
「「「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」」」
勝者を讃える喝采が響く。
そして、此の喝采は、勝者と激闘を繰り広げた敗者すらも賞賛していた。
喝采が止み、隠者がマイクを持って月兎に駆け寄る(実況席から場内へと約50メートルの落下をして無傷だが、突っ込んだら負け)。
「いやぁ。月兎さん。激闘でしたねぇ。
試合を終えて何か御感想はありますか?」
『うん。お前何で俺の事プレイヤー名で呼ばないの?
……まあいいや。
んで、感想だけど、楽しかった。かな?
後、最後白盾が盾を捨てた時は、完全に意表を突かれたな。
白盾は二つ名に盾なんて付くほど盾をメインにした戦い方をしてる。
彼奴にとって盾は最大の要だった筈だ。
その要を捨てるってのはそう簡単に出来ることじゃねぇ。
其れを躊躇無く出来た彼奴は、精神力が半端じゃねぇって事だ。
そういう奴は直ぐにまた強くなるし、再戦するのが楽しみだな』
『なるほどぉ。流石はランキング三位と言った所ですねぇ』
『其れと……慎吾、マイク貸せ。後、俺にエコーボイスかけろ』
『本名はNGッスよ』
そう言いながら、隠者がマイクを月兎に渡す。
月兎はマイクを受け取ると、大きく息を吸い込み、解説席を指差す。
『次はてめぇだぁぁぁ!!!!
明日ぶっ飛ばしてやるから、覚悟しとけ!!!』
解説席に居た、黒剣に宣戦布告する。
其れを聞いた黒剣は、口角を吊り上げ、解説席のマイクを取り解説席の片足を乗せて叫ぶ。
『望むところだぁぁぁぁぁああああ!!!!
テメェこそビビって逃げんじゃねぇぞぉぉぉぉ!!!!!!』
『皆さん聞きましたでしょうか!!!!??
月兎vs黒剣を!!!
明日、闘技場にて行います!!!
是非是非、皆さんご覧になって下さい!!』
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
歓声が響く闘技場で、二人の猛者が威圧睨み合っていた。
白盾騎士団のギルドホール。
其処には、ギルドマスターである白盾一人だった。
白盾本人の指示で、仮に負けたとしてもギルドホールには来ないで欲しいと伝えていたのだ。
「……負けた…か」
負けた。
通じなかった。
盾を使い続け、盾の防御に意識を向けさせる。
そして、トドメに大技を打った瞬間、意識の負けられていた盾を捨てる事で意表を突く。
作戦通りだった筈だった
事実、完全に不意を突いた。
だが、通じなかった。
嗚呼……強えなぁ、彼奴。
次は剣司が戦うんだっけ?
彼奴は俺とは全く戦闘スタイルが違うからな。
どうなるかは分からんが………
まぁ……見れば分かるか。
「ああぁぁぁぁ!!!
クッソォ。噛むとかありかよ!!
つーか、何だよあの姿!!!
どう見ても魔物じゃねえかよ!!!
クッソォォォォ!!次はぜってー勝つぞぉぉぉ!!!!」
ギルドホールにて、彼は愚痴を吐きながらリベンジを決意していた。
絵心欲しい……欲しくない?