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屍兎は自由人  作者: 平成兎
第1章 屍兎
23/75

白い湖底

ちょい遅くなりました。

ごめんなさいm(__)m



蒼銀と炎精の戦いから一週間後。

闘技場には人が大量に集まっていた。

その数は前回よりも多く、皆が皆、期待した顔で席に座っていた。


二つ名同士の戦いのレベルの高さを実感した者や、実感した者から聞いた者。

期待の大きさは個人差があるが、今回も凄まじい戦いになる。


そんな期待を持って会場内に入り、其々何方が勝つか等を話しながら待機していた。






「いやぁ、今回も大賑わいだねぇ。

後でシンゴ君に交渉頑張ってもらわないとねぇ」

「なんだかんだ慎吾さんが一番苦労人な気がしてきたわ」

「彼奴は好きでやってるだろうし、まあいいんじゃないか?」

「好きでも全部丸投げとなると嫌になるかもしれん。

後でちゃんと労ってやれよ?」

「其れにしても、モフさんの試合、楽しみですねぇ。

昨日は楽しみで眠れませんでしたよ!」

上から、灰兎、炎精、蒼銀、魔狼、妖狐。

中々の面子に、周りを驚愕させる。

お前等今、敵同士じゃなかったっけ?と。


そんな周りの疑問を当たり前のように無視し、彼等は話続ける。

「そういえば、私モフさんの対人戦を生で見るのは初めてですね」

「ふふーん。私は見た事あるよ」

「何ですか、喧嘩売ってるんですか?」

「ふふーん。さあ、どうでしょう?」

「無い胸を張って喧嘩を売られましても、安過ぎて、買う気も起きませんわ」

「無い胸って言うなぁ!!」

「ハイハイ。周りの迷惑だから喧嘩しない」

中々に、程度の低い喧嘩をする二人を炎精が諌める。


「狼牙、今回の戦い、どう見る?」

「………俺は御雷が勝つと思う」


「何で?

白盾も相当強いよ?」

「灰トさんの言う通り、ランキング三位は伊達じゃないですよ?

其れに、モフさんは魔法を使えません。

戦い方次第ですが、この時点で結論を出せるんですか?」


「まあ、姉さんの言う通り、細かい事は分からんよ。


唯、御雷は本気なんて一度も出した事は無い。


もし、彼奴が本気になったら

どうなるか分からん。


だから要するに、やってみなくちゃ分かんないって事だ。

そろそろ始まるんだし、そこまで議論したってしょうがないさ」

魔狼がそう言った直後、観客達の耳に実況の声が響く。


『皆さんおはようございます!!!!

実況担当の隠者でございます!!!

今回の戦いは白盾対月兎!!!!

解説には白盾のライバルとして有名な此の方!!!

黒剣こと、グラム(プレイヤー名)

さんをお呼びしております!!!!!』

『お前等ぁぁぁぁぁ!!!!!

盛り上がってるかぁぁぁぁ!!!!??』

「「「イエェェェ!!!!」」」

『さて!!

ギルドの威信を懸けたこの戦い!!!

黒剣さん!!!

この戦い、どう見ますか?』


『分からん!!!!』


『えぇ……』

『ガラハッド(白盾のプレイヤー名)の本気なんざ腐る程見て来たが……

正直月兎の野郎の本気を俺は一回も見てない。

というか此処に居る奴で見た事ある奴なんか居ねぇだろうな』

『なるほど……

確かに彼が本気出したとこなんて見た事無いッスね』


『ただ、白盾は堅実に攻め込むタイプだ。

恐らく機動力型の月兎が有利だろうな』


『いやぁ〜、冷静な解説ありがとうございます!!!!

確かに先輩は機動力型ですからねぇ。

しかも先輩は二刀流です。

手数も間違いなく多いでしょうしね。

唯、先輩は魔法を使えませんからね。

遠距離は少し乏しいッスかね?』


『魔法が使えねぇなら不利かもな。

ガラハッドは、グローリーナイトってユニーク職業だ。

光魔法と強化魔法を使って戦うからな。

遠距離手段も其れなりに持ってる。

そういう所じゃ不利かもな』


『つまり、白盾さんは如何に先輩に接近させないかの戦いになるんスかね?』

『それもあるが、魔法で如何に近接を有利に進めるかが、勝利の鍵になるだろうな』


『なるほど!!ありがとうございます!!

さて、皆さんそろそろ待ちきれない様子なので始めさせていただきます!!!!』

その声と共に会場は更にヒートアップしていく。



『先ずは此の方!!!

最大手ギルド、白盾騎士団のリーダーにして、プレイヤー随一の防御力を持ち、二つ名第二位の黒剣とはライバル関係で有名です!!!!

プレイヤーランキング第三位!!!

ガラハッドォォォォォォ!!!!!』









自分のプレイヤー名を呼ぶ声が聞こえる。

筋肉が震え、肌が鋭敏になっている。

大きく深呼吸し、場内に一歩踏み出す。

踏み出した途端、歓声に包まれる。

つい、落ち着かずに周りを見渡してしまっていると、剣司と目が合う。

彼奴は笑っていた。


そうだ。俺は……


彼奴には、負けたくない。

一度目をつぶり、強引に精神を集中させ、

月兎が出て来る門を見る。

(そうだ。あの男に、剣司より先に勝つ!!)

呼吸が整い、戦闘への準備が出来る。



『続いて、此の方!!!

一週間前、ギルドを立ち上げて即、三大ギルドに喧嘩を売るという豪胆ぶり!!!

月まで跳ねる程の跳躍で相手を追い詰める事と、プレイヤー名がペットの名前という事から、月兎という二つ名を持っています。

プレイヤーランキング第一位!!!

モフ太郎ォォォォォォ!!!!!』

実況の叫び声共に、正面の門に注目が集まり、観客もよりヒートアップする。

凄まじい熱狂。当然と言えば当然だ。

プレイヤーランキング第一位。

全プレイヤー9000万の頂点に立つ男だ。

皆が注目し、興奮するのも無理もない。

そして、今から俺は其れを超える。

其処まで思考したところで、













誰もが、音を忘れてしまった。
















真っ白な湖の底にあった意識を強引に引き上げる。

其れで、漸く見えた筈の彼は、















今度は白い兎に見えた。


モンハンワールド楽しいなぁ_(┐「ε:)_

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