その頃彼等は
前回のあらすじ、
恋愛描写ってくっそむずいね(`・∀・´)
月兎が炎精を慰めている頃。
始まりの街を出て西にあるハクアの大森林にて、叫び声が響いていた。
「オラオラどうしたぁぁぁぁぁ!!!
もっと掛かって来やがれぇぇぇ!!!!」
「オォォォ!!!」
雄叫びと共に飛び掛かって行く団員達。
獣人族の固有スキル『獣身化』で、上がった俊敏さを利用し、先行していく獣人部隊と、
鬼人族の固有スキル『鬼神化』で高くなった攻撃力を利用した攻撃を加える鬼人部隊。
単純に見えて連携が取れている熟練したプレイヤー達の、避けるのも受けるのも至難な攻撃が黒剣に向かっていく。
其の攻撃に対して黒剣は、
「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
雄叫びと共に、黒剣は突っ込んでいく。
「『必壊剣』!!!!」
本来言わなくてもいい技名を叫びながら、
凄まじいエネルギーの塊となり、突撃する。
剣技。
剣士職達の技であり、その威力も特徴も余りにも複雑にある。
そして強いプレイヤー達の技程、原理が理屈では説明出来なくなっていく。
例えば先程の『必壊剣』
巨大な回転している赤黒いエネルギーの塊を纏いながら突撃するという技だ。
原理は持ち主である黒剣にしか分からない。
その原理は・・・・
「気合いだぁぁぁぁぁ!!!!!」
…………まさかの感情論。
と、割と原理が適当な技が多い。
原理が適当故に使い手の精神や技術に依存しやすい。
故に二つ名の剣士の技は強力無比になる。
そして、其の強力無比な攻撃が、
黒剣を9000万人の全プレイヤー中攻撃力最強たらしめる。
「「「グワァァァ!!!」」」
そんな意味不明な攻撃を受けた団員達は消し飛ばされていく。
最終的に黒剣が通った後は、草一本残さず、消し飛んでいた。
「団員を躊躇無く消し飛ばすのは流石にどうかと思うよ?」
訓練を終えた黒剣の後ろから、彼のライバルの声が聞こえる。
「良いんだよ此れで。訓練なんだ。そんくらいの方がいい。
ていうかそういうテメェも団員全員ぶっ殺してんじゃねぇか」
「お前と戦った方が良い訓連になるが、お前と訓練することを、彼等は反対するだろうからね」
「だから全員ぶっ殺したってか?
相変わらず優等生面して、やる事頭おかしいな。
まあ俺も人の事言えねぇんだけどよぉ!!!」
叫びながら、黒剣が白盾に飛び掛かり、
彼の代名詞である特大の黒い剣を振り落とす。
白盾はその巨大な質量の塊に敢えて突撃し、彼の代名詞である盾で受け流し、右に回り込み、右手に持っている剣を振り落とす。
黒剣は受け流されても、そのまま振り落としきらずに横に方向転換し、白盾の剣を受ける。
二人の二つ名持ちの剣士が正面衝突した事による余波で、ハクアの大森林の白い木達は吹き飛ばされていく。
二人は何秒か押し合い、お互いバックステップで距離を取る。
「「……」」
睨み合い、出方を見る。
だが、黒剣は直ぐに我慢出来なくなり、均衡状態を崩しにかかる。
白盾もそれは予測しており、剣と盾を構える。
「『暗夜落とし』!!!」
『ホワイトセイバー』
白銀と漆黒。
両者がぶつかり合う……
と、思われていた。
「やれやれ。
お前等は森を壊す気か?」
「「!!!!」」
ぶつかり合う筈だった両者の間白色と黒色の間には……
灰色がいた。
「戦うのなら他所でやってくれ。
彼奴等のように闘技場とかでな」
呆れたような溜息を吐く男。
頭に付いている耳が彼の種族を示し、彼の上半身に付いている大量の縫い痕が、一目瞭然で彼の正体を分からせる。
「……魔狼」
「ッ!!此奴……」
……一名分かってない奴が居たが、それは置いておくとしよう。
「ああ、そういえば初対面だったな。
初めまして。何時も姉が迷惑を掛けている。」
((まともだ…………))
「てっきり、妖狐みてえに喧嘩腰かと思ったぜ」
「ああ、君はまともなようだな」
「姉は基本的に漢が嫌いなんだ。
一部例外はいるが」
そう言って彼は遠い目をする。
「苦労してるみたいだね」
「それで、お前は何しに来たんだよ?」
二人は哀れみの視線を向けつつ、質問する。
「ああ、此処には花を取りに来た。
普段取って来てくれる奴が今日は用事でな。
だから俺が直接取りに行ったら、お前等がやり合ってたんで止めた」
「なるほどな。それは悪い事をしたな」
「んじゃあ、やり合うのはまた今度だな」
そう言って、二人は去っていく。
「なあ、剣司」
「ああ?」
「彼の事、如何思う?」
「化け物………だな」
「まあそうだろうね。
全力ではないとはいえ、俺とお前の剣技の間に入って無傷。
化け物というのは彼の為にあるような言葉だよ」
「其れもだが、
俺達の技を受けて、その衝撃も余波も、一切周りに影響させなかった。
彼奴、あの場の衝撃を完全に消しやがった」
「………はぁ。
姉弟揃って喰えないねぇ」
「全くだ」
お前等が言うな。
この場に彼等のギルドのメンバーが居れば、
即そう言われていたことだろう。
主人公と戦う三人の話でした。
黒剣と白盾の関係はまた後ほど(`・∀・´)




