蒼銀vs炎精2
比喩表現とか、上手く出来るようになりてぇなぁ。
其れではどうぞ。
さて、先ずはあの技をどう攻略するかだけど………
さっきは動揺したけど、私を凍らせないという事は範囲が限られているという事。
そして、その範囲は、今凍らされた矛が落ちてるとこらへんでしょうね。
なら…………
《炎矛》
炎精の周囲に矛が発生し、放たれる。
先程のように同時では無く……
(波状攻撃か。
それも、全方向から)
現在、蒼銀の周りには、大量の矛が彼を中心に回転しており、いつでも攻撃出来る状態になっている。
蒼銀は溜息を吐く。
それを見て、炎精が矛に命令を送る。
すると、回転しながら一本ずつ矛が飛んでいく。
蒼銀は、その場から動くことなく、飛んで来る一本一本を入って来た順に凍らせていく。
そして、最後の矛が凍った瞬間、
蒼銀の頭上に巨大な炎の鎚が発生する。
《炎鎚》
鎚が振り落とされ、蒼銀に向かって行く。
《アイスハンド》
鎚が、凍る。
もはや、誰も然程凍った事自体に驚きはしない。
だが、一部の者達はある事に反応する。
「手、使ったな」
「手?そりゃ使う時もあるんじゃないの?」
「………まあ、使う時もあるがな。
その使う時ってのは決まって彼奴が本気な時だ。
彼奴は基本的に氷で相手を拘束してそのまま放置だからな。
手なんて要らないんだよ。
なのに手を使ったという事は、
彼奴が拘束以外の攻撃手段を使って来るって事だ」
月兎は知っている。
彼が手を使った意味を。
しかし、炎精は知らない。
だが、蒼銀の雰囲気が明らかに変わった事は理解する。
(何か………来る)
(やれやれ、まさか此奴を使う羽目になるとはな)
そんな事を考えながら、俺は、手を右に広げる。
《銀のソウゾウ》
(何……これ)
氷の鳥。
まるで、ガラス細工の様に綺麗な氷の鳥が蒼銀の周りに展開されている。
「此れが、奥の手ってわけ?」
「あぁ。此の魔法は御雷を倒す為に作った。
驚いたぞ。
まさか御雷以外に使う事になるとは思わなかったがな」
(あのバカ兄を倒す為の魔法。
一体どんな魔法なの?)
正体は分からない。
でも、少なくともあの鳥達は……あのバカ兄を倒しうる何かを持っているって事になる。
彼は右手を振り上げ………落とす。
すると、鳥達は、一斉に私に向かって殺到して来る。
《炎矛》
矛で迎撃する。
鳥の方に真っ直ぐ向かって行く矛達。
そして、矛と鳥が激突する寸前。
鳥達が混ざり合い、巨大な一羽の鳥になる。
(何よアレ!!)
そのまま鳥は、矛を呑み込んでしまう。
鳥は矛を呑み込むと、直ぐに分裂を始めて、また小さな鳥に戻った。
(ッ!?どう言う事?
合体も分裂もそうだけど、炎矛を呑み込むなんて出来る氷を創る様な魔法を、何であんな短時間で)
そんな疑問や、次の一手をどうするかの思考が脳を錯綜している間に、鳥達は目前に迫っている。
《炎波》
私は咄嗟に、広範囲に薄い炎を放つ。
鳥達は、大半は巻き込まれて消えたけど、
一部の鳥達は、私の左右に回り込んで接近してくる。
(やばい!!迎撃が間に合わない!!)
そのまま鳥達は、至近距離まで迫って来て……破裂した。
「ッ!?キャア!!」
破裂した鳥達の破片の氷が私に容赦無く刺さって行く。
HPの減る音が聞こえる。
『おおっと!!!
チルト選手、ヒノコ選手に初ダメージを与えたぁぁぁぁぁ!!!!!
いやぁ、、見事な戦いぶりに、私も皆さんもつい、声をわすれてしまっていましたねぇ。
其れにしても、あの魔法は何でしょう?』
『さあ・・・・流石の私もあんな魔法は見た事が有りませんし、氷魔法は彼の専売特許ですからねぇ。
ただ、炎を呑み込む程の魔力が篭った氷を一瞬で生成してるので、明らかに今までの魔法よりも、特殊な魔法なのは確かですね』
『成る程。つまり、此れが彼の奥の手という事なのでしょうか!!?』
人の魔法を本人の前で一々解説してんじゃねえよ。
「はぁ……はぁ……」
さて、分かってはいたが、此の位で戦意が無くなったりはしないよな。
はぁ、つくづく此奴等兄妹は厄介だな。
「貴方のその魔法。
普通の魔法じゃないでしょ?」
「…………何でそう思った?」
「異常だから。
幾ら魔法適性が高いからといって、私の炎矛を吞み込めるような氷を一瞬で作るなんて普通なら無理のはず。」
「だが、俺は作ったぞ?」
「それは、普通の方法じゃないから……でしょ?」
「・・・・・。」
「方法は分からないけど、何らか普通じゃない手段を使って、魔法を使用したんじゃない?
それに・・・・・只の氷で、あのバカ兄を倒す為の魔法だなんて言わない。そうでしょ?」
「……はぁ。
お前等兄妹は、何で揃いも揃って、そんなに洞察力が高いんだよ……。
ていうかお前、あのバカの事好きすぎるだろ。
此のブラコンめ。」
「はぁ!!?別にあんなバカ兄の事なんか全然好きじゃないし、確かに強くて優しいけど、だからって別に好きってわけじゃ………」
いやいや、どう考えても大好きだろ。此奴。
まあ、あくまで妹の範疇だろうが………
「まあいいや………。
どうせだ。俺の魔法の種……教えてやるよ」
「………良いの?そんな簡単に教えて」
「別に秘密にしてる訳でもねぇし、構わねぇよ。
氷魔法は俺が作ったオリジナルの魔法だ。
つまり、氷魔法は俺の手によってしか、今の所生まれて無い。
そして、他の魔法系統、
炎、水、地、森、光、闇
この六つには、其々特徴がある。
例えば、
炎なら、火力と範囲の高さが売りだが、単純。
水なら、複雑怪奇な動きや、発動の早さが売りだが、火力や範囲は低め。
というように、其々の魔法には、特徴がある。
氷魔法にも、当然特徴はある。
その、拘束力と、炎が水に弱いとか、そういう他の魔法にある相性が関係しない所、それが特徴だ。
魔術士は、得意魔法の特徴を活かして戦いを有利にしていく。
此れは全ての魔術士にとって、最も大切な課題と言われている。
だからだろうが、魔術士にとって、得意魔法以外の魔法は、全く別の物とされやすい。
自分の得意魔法以外を使った事がある奴は結構少ないからな。
だが、全ての属性の魔法に存在するある特徴を上手く使えば全ての魔法は使いこなせる。
その特徴ってのは、
使う魔法に深い関わりや思い入れを持つ事で、その魔法はより強力な物になる。
俺の銀のソウゾウは、其の特徴を利用して、俺が強固にイメージ出来るものを想像して創造する魔法だ。
そして、その作った物の特徴にあった動きで攻撃してるってわけだ」
言葉も出ない。
今、海斗さんが言った事は、
魔術の常識をひっくり返す物だ。
関わりや感情を込める。
私が知っている魔法の強化方法とは全く別の要素。
それをこの人は持っている。
それに、あれほどの数の鳥達を複雑な動きで動かして、息一つ切らしてない此の人のずば抜けた精神の強さだ。
此の人は、防御では、銀の領域を。攻撃では銀のソウゾウを。
其々使いこなしている。
技術面、知識面共に私は此の人に劣っている。
でも、海斗さんにも弱点はある。
此の人の攻撃をさっき食らったけど、
ダメージは20。
私の技で一番弱い技と同じ威力だ。
私は海斗さんに対して、火力では、圧倒的に勝っている。
此れが、私の唯一勝てる要素。
火力という長所を利用して、逆転を狙わなきゃならない。
つまり……
「私の出番ってわけね!!!!!!」
暑かったり寒かったりしないで下さい_:(´ཀ`」 ∠):




