戦
特に〜喋る事が〜ない。
「ギルドを作る?私達で? 」
「あぁ、千年京に入らずに済む方法で、此れが一番効果有りそうだし、ギルドを作ることで活動拠点も手に入れられるし、何より、ギルドは前から入るなり作るなりするべきだと思ってたしな」
「メンバーは?」
「俺と、お前と、灰トと、海斗と、後一人だな」
「私も入る前提なのね………」
「何だ?嫌か?」
「別に嫌じゃないけど……
それで、後一人。どうすんの?」
「う〜ん、そうだなぁー」
どうしたものか。
キー!!キー!!キー!!
ん?電話か。誰だ?
【もしもし?】
【こんばんわ〜先輩。今いいッスか?】
この口調はあいつか。
【何だ?】
【いや〜、聞きたい事が出来まして、
千年京との関係性について】
【……耳が早いな。相変わらず】
【此れでもfree online一の情報通ッスからね】
此奴の名前は一ノ瀬 慎吾。
プレイヤー名は、名前を変えるスキルを所持している為、実質無し。
プレイヤーランキング9位
二つ名持ちで、二つ名は隠者。
リアルの容姿は、金髪にメガネのチャラ男イケメン。
ゲームのアバターは、此れも、自由に変えれる。
服装もよく変わる。
あいつだと分かる為に合流する時は向こうから話しかけて貰わないといけない位には溶け込めている。
そして、こいつが自称する通り、freeonline一の情報通だ。
あと、俺達と同じ高校所属の一年生。つまり後輩だ。
【それで、先輩は千年京のメンバーなんすか?】
タマモの奴、もうそんな情報を出してんのか。
仕事が早い事で。
【その件について、お前に話がある】
・・・五分後・・・
【なるほど。まあ、概ね予想通りッス。】
【あぁ、それで、お前に俺が作るギルドに入って欲しいって話だ】
【なるほど、なるほど。ギルドを作るッスか。
確かに、そうすれば、千年京に入らずに済むッスね】
【あぁ、そして、お前を入れて五人だ】
【ふむ、了解しました。面白そうですし、是非入らせてもらいますね】
【おう……んで、お前の方の話は千年京の件だけか?】
【はい。それだけッスね】
【そうか。じゃあ、夕飯食った後、始まりの街の噴水広場で集合だ】
【了解でーす。そんじゃあ、先輩。また後で】
「誰だったの?」
「慎吾だった」
「あぁ、あの人ねぇ。
……印象に残りにくい人よね」
「それは同感。
わざとやってるらしいがな。
あれは、海斗とは違う方向で天才だ」
「バカ兄の友達って変な人多いわよね」
「言い返せねぇ」
実際変な奴だ。
海斗は極度のめんどくさがりで、
下駄箱に入っていたラブレター対して、送り主の下駄箱に『断る』と、書いた手紙を入れ帰ってしまった。
その後俺と慎吾が、何故か謝りに行った。解せぬ。
慎吾は女にモテたいと常々言うくせに、リアルでも、気配を遮断している。
本人曰く
「気配隠してると、女子更衣室に堂々と入っても気付かれないんすよ!!」
だそうだ。
その後、気配を消して女子更衣室に入ろうとしてる所で、
気配を消しても気づける海斗に話し掛けられバレて反省文となった。
という、無駄に個性が強いメンバーだ(お前が言うな)
「取り敢えず、彼奴にもギルドに入って貰う事にしたよ」
「へぇ、性格はともかくとして、情報通だしね。あの人。期待できるわね」
酷え言い様だな。
「まあ、彼奴が入るなら、五人になる。
これで、ギルドを作る条件は整ったわけだ」
さて、灰トと海斗にも連絡しねぇとな。
「おい聞いたか?」
「ん?どうした?」
「噂で聞いたんだがよ、千年京に四人も二つ名持ちが入るかもしれないって話」
「ハァ!?何だそれ!?」
「俺も聞いた時ビビったよ。もし事実なら、ギルド勢力争いは、一気に千年京側に傾くぜ」
「まあ、そりゃそうだな。で、誰が入んだよ?」
「細かくは知らねぇけど、月兎が入るって話だぜ。」
「月兎!!?化け物じゃねぇか!!」
「あぁ、もし本当なら千年京は一気に大勢力になるな」
ヘぇ〜やっぱり結構噂になってるッスね。
確かに本当なら千年京はギルド戦争では勝ちが決まった様なモノッスからね。
俺もギルド何処に入るか迷ってましたし、丁度いいッスかね。
前代未聞の二つ名持ち五人で構成されたギルド。
でも、まぁ少し個性が強すぎる気がしますけどね。
まあ御雷先輩の事だし、思い通りに動くのが嫌だからとかが理由で、後どうするかなんて決めてないんでしょうけどねw
と、噂をすれば先輩来たみたいッスね。
「おーーい!せんぱーい!!こっちっすよー」
ま、俺も楽しめればいいだけなんで、精々協力しますけどね。
「それで、ギルドってどうやって作るんだ?」
「「「え?」」」
「…………」
「もしかして、バカ兄。」
「知らずに、あんな提案したの?」
「マジすか先輩」
お腹すいた_(:3 」∠)_