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114-2 歪な親子関係です

タイトル間違えてたので直しました。申し訳ないです。



 そんな繊細な心持ち合わせて無いんだけど……。


 自問自答タイム。


 彼等を許すべきか、否か。


 …………うん、考えるだけ馬鹿らしいや。


「……私は、アナタたち を ぜったい に ずっと許さない」


 その結論に気付けば、口は勝手に動いた。

 多分、表情は冷たいと思う。どんな表情すれば分からないし、楽しい話をしてる訳でも無いから。


「一緒にすんだりとかは、かんがえられない。……でかけるのも、すぐには無理」


 片腕を押さえ込むように、もう片手で掴み、顔を俯かせる私。

 この先を言うのが苦しい。

 でも、此処で完全拒否すると言う事は……私が弱虫な意気地無しだと、言っている気がしてならなかったから……。


「それでも、どんなひとたちなのかは、しってもいい……と、おもう」


 父親が顔を上げる。母親と一緒に、目を丸くして私を見ている。


「……」


 この後、なんて言うのが良いのか分からなくて俯いた。

 2人は何も言わない。

 困っていると、足音はしないけれど、よく知ってる気配がして振り返る。


「姫様、お迎えに上がりました」

「さすが!」


 私の腹心! ナイスタイミング!

 心の底からそう思った私は素早く麦穂に駆け寄った。

 何か言いたげな2人に、麦穂はペコリと頭を下げる。


「当主様、奥様。恐れながら申し上げます。姫様は今宵、奉納舞の予定が御座います。本日はこの辺りで、どうかお許しくださいませ」


 母親の方が首を傾げている。

 そうだよね、初雷では長い事出来なくて、一昨年までジィジも完全に忘れてた行事だもん。彼女は知らなくて当然だ。父親は……あ、なんとなく分かってる表情してるね。


「奉納舞?」

「はい、今宵は彼等が空へ向かうのに、良い風が吹くそうで」

「???」


 うん、事情知らない人は本当にその説明訳が分かんないよ麦穂。


「では、お召替えなど御座いますので、失礼致します」


 麦穂は私を抱えて早足でその場から退散してくれた。


 はぁー、やーっと……少し気が楽になった。


「ご立派でしたよ」


 景色が変わる。今は渡り廊下になっている一角を移動中だ。

 とは言え、私自身は歩いていない。麦穂に抱えられてる状態だった。


「なにが?」

「お逃げにならなかった事です」

「居間からでるつもりだったよ?」


 父親が、進もうとしていた先を塞いだから止まったに過ぎない。


「それでも向き合われて、ご自分の意見をちゃんと述べられましたでしょう?」


 その言い方に、『あれ?』と思った。


「けっこう前から、みてた?」

「ええ。取り敢えず姫様を放置した阿保メイドと、姫様を煩わせた愚図眼鏡は、後で指を全て折ります」


 麦穂の声は、完全に氷点下の世界のソレだった。最初から見てたのね。

 ……そうだ。一つ最近、気になってる事があるから聞いちゃおう。


「麦穂、母親のところ……もどるよていとかある?」

「はい?」


 麦穂は元々、母親の侍女だった。

 だからメイシーが私付きになって、父親に殺される可能性も無くなった今、また母親の侍女に戻っちゃうんじゃないか? って、密かに噂されている。

 墨香の室で、蠱毒は出来なかったけれど、ジィジの秘蔵書庫をボロ雑巾みたいにしちゃって、眉ちゃんと一緒に始末書書かされたりもしたし。


「戻りませんよ」

「ほんと? よかった!」


 ぎゅーって。落ちないように回した腕の力をちょっと強くして、嬉しくなって、麦穂の肩口に顔を埋めた。

 あ……。


「ねぇ……」

「如何なさいました?」


 せっかく戻ったテンションがまた低くなった事に、麦穂も気付いたんだと思う。

 声に、私が肩に顔を埋めたままだから表情は見えないけれど、心配の色が乗った。


「━━私さ、あの2人のこと……どうよべばいいと思う?」


 疑問に思った事をそのまま声に出したけれど、よく考えてみたら情けない質問で……。

 少し泣きそうな声になった。

 麦穂は一緒に考えてくれたけど、答えは結局出て来なかった。

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