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ほんのりと
「ねえ」
「は、はいっ! な、何ですか……?」
「いつまでマント着てるの?」
無表情のままレイはマントを見つめていた。
(マントを着てるから、ぼくには顔が見えないんだけど…………)
冷ややかにも聞こえる口調にビクッと体を動かしてそーっとマントを脱ぐと、紫色の長い髪がフードから零れ落ちる。
(へぇ…………)
「可愛いんだね」
・・・・・突然なにを言うんだ。
「ふぁ?」
「セツがいつも妹の自慢をするんだ。本当に可愛いんだって。会うたびに妹自慢ばかりするからうるさかったけど、自慢するのも分かるよ。可愛いから」
淡々と可愛いと口にするレイに、ボンッと音が立ちそうなくらい顔が赤くなる。
白い頬がじわじわと赤く染まるのを見て、レイは首を傾げた。
(変なこと言ったかな…………)
な、可愛いって照れもせずに──。
どうしたらいいか分からなくなって、セイラは再び俯いた。
「あ、あのっ!」
「何?」
「えっと…………じ、自己紹介しませんか……」
頑張って話しかけてみた。
どんどん声が小さくなっていったが、仕方ない。
「自己紹介?」
「そ、そうです。わたし達、今日初めて会ったので、お互いの事を知りませんから」
一応婚約者と兄が言った相手だ。せめて自己紹介くらいはしておきたい。




