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どんな嵐も乗り越えて幸せになってみせます、それが私の人生ですから!~聖女を傷つけた者には天罰が下るようです~  作者: 四季


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3話「変わってしまうものもある」

 誤解やら何やらで少しややこしいことになってしまっていたけれど、誤解がなくなったならまたこれまでと同じように関われるものと思っていた。


 だって、ネイは友人だから。


 この絆は変わらないもの。

 そう信じていた。


「ネイ、久々にお茶しない?」

「……ごめん、やめとく」


 けれども、あの一件以来、私たちの関係は大きく変わってしまった。


「そう……分かった。じゃあまた今度ね。そっちの都合がいい時にでも誘って」


 あれ以来ネイは太陽のような人でなくなってしまった。


 十年以上私が見てきた彼女は誰だったのだろう。いや、そうじゃない。私が見てきた彼女はどこへ行ってしまったのだろう。私が知る彼女はどこかへ消えてしまった。もう二度と会えない、そんな気すらして、少しばかり悲しい。


 私たちはずっと友達でいられると思っていた。

 でも違ったのかもしれない。

 そう思っていたのは、信じていたのは、結局のところ私だけだったのかもしれない。


 これから先もずっと仲良くお茶をして喋っていたかった。

 望みなんてそれだけだったのに。

 そんな小さな夢さえ壊れてしまったことが切なくて。


 その元凶となったカインが今は少し憎い。


 ただ、人の人生なんてそんなものなのだと思う部分もあった。


 欲しいものすべてが手に入るわけではない。手に入れていたものを失うことだってある。自分が大事に思っていても自然とこの手から離れていってしまうものもあり。出会いと別れ、それらは常につきまとうものだ。


 泣いても、笑っても、終わる時は終わる。


 それはすべてにおいて言えること。


 ならば自然な流れに添っておくしかないのだろう。

 ありのままの自分で訪れた流れを受け入れるしかない時というのもあるものだ。



 ◆



 あれからというもの、ネイとカインは非常に険悪になっている。


「ねえカイン、どうしてあんな嘘ついたの」

「べつに」

「そういう問題じゃない! あんたの嘘のせいでアズリーと気まずくなったじゃん、どうしてくれるの!?」

「知らねーわ」

「ちょっと! 何それ! そういう態度やめてよ!」

「うるせーなぁ」


 なので毎晩喧嘩ばかりだ。


「問題があるのはそっちでしょ? なのにそんな態度? おかしいでしょ! どう考えても! ねえ!」

「黙れよ」

「黙ってられないよっ」

「うるせーわ」

「そうやって話逸らすのやめてよ! ほんと!」


 ネイはカインを信じたためにアズリーという良き友を失った。

 なので今はカインに対して負の感情を抱いている。

 しかしカインはというと自身の行いを反省してはおらず、騙された方が悪い、とでも言いたげな顔をしている。


「アズリーとはずっと仲良しだったの。これからもずっとそうなるはずだった。なのに……なのに、こんなことで……カインのせいだよ! カインがあんな嘘ついたから!」

「悪いのは騙された方だろ」

「何で!? あたしが悪い、って、そう言うわけ!?」

「そーだよ」

「やめてよ! なんであたしを悪者にするの!? 悪いのは嘘ついた人じゃん! カインじゃん! カインがほんとのこと言ってくれてたらこんなことになってなかったんだよ!?」


 ネイに責められていたカインは、やがてソファから立ち上がると、傍にある白いカウンターの上に置かれていたティーカップを叩き落とした。カップが砕ける鋭い音が室内に響く。それは極めて威圧的な音。黙れと圧をかけるためだけに生まれたかのような音であった。


「あのさぁ、ネイ、ウザすぎんだよ」

「悪いのはそっちでしょ」

「黙れっつってんだろババア!!」


 カインの怒りが爆発する。


「うぜえうぜえうぜえ!! いーかげん黙れよ。ってゆーかさ、悪いのはそっちだろが! 一方の言うことだけを信じ込んで友達を一方的に責めたんだろ? それこそどーかしてる、って感じだろ」

「それはカインが言える言葉じゃないよ!」

「だとしても、一般常識に照らし合わせて考えてさ、理不尽に攻撃するとかあり得ねえだろ」


 ネイの瞳が揺れた。


「なによそれ……そんな言い方する……?」

「する。事実だから。それだけだっての」

「原因作っといてそんなこと言わないでよ! カインの馬鹿!」

「暴言吐くとかサイテーだな」

「浮気野郎のくせにあたしが悪いみたいに言わないでよ! そんなやつに言われたくない!」

「はいきた~、暴言ババア入場行進~」


 挑発的に言われ感情的になったネイは「ババアとか言わないでよ!」と叫び、足もとにあった一人用の小さなクッションをカインに投げつける。


「うっわ、あぶねー女」


 カインはそんな風にこぼしながら投げつけられたクッションをキャッチすると数倍くらいの強さでネイに向かって投げ返す。


「きゃ!」


 ネイの胸もとにクッションが命中した。


「危ないことしないでよ!!」

「先に投げたのはそっちだろが」

「本気で投げないで!!」

「そんなん自由だろ、どのくれーの威力で投げつけるかなんて」

「危ないからやめてよ!!」

「知ぃらねー」

「ホントやめて! 次こんなことしたら絶対許さないから! 治安維持組織に通報するから!」


 ネイは顔を真っ赤にしている。


「二度とこんなことしないでよ!!」

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