第十二話 攻略の手口
五人がかりで探した末に分かったこと。
今にも崩れそうな廃墟、その真裏に五丁目の入り口があった。骨で囲まれた屋根の下には階段があり、地下にあるであろう五丁目への入り口になっている。
「一旦戻って、オオルリ姉さんたちに教えてくる」
「いいんじゃないか? まあ、待っておくよ」
余裕しゃくしゃくのウトウをちらりと見る。本当に、言った通りにここで待つだろうか。
アマモに静かにするよう言う。そして踵を返した。
(アマモ、いけそう?)
「もっちろん! おれはいつでも準備万端!」
がさがさと音を立てながら、それでもオオルリ姉さんたちには見えないように引き返す。少しして、ウトウが動く気配がした。
(よし、アマモ行くよっ!)
僕は静かに地を蹴った。
「キバシリ! 大丈夫だったの?」
階段を降りた僕に駆け寄ったオオルリ姉さんは青ざめている。
「うん。僕一人で行くのは問題ないみたい。それより」
皆を見渡した僕は、その向こうから静かに皆に紛れようとするウトウを見つけた。
「あの建物の裏側に、五丁目の入り口がある。見つけたんだ、僕とウトウで」
「キバシリ……っ!」
「ウトウも見たよね? たくさん骨が積んである入り口」
ここで何かしら反論すれば、確実に怪しまれる。一丁目を監視し続けたいなら、それは避けなければならないものだ。ウトウは一瞬の動揺を押し隠し、ゆっくりと重く肯定した。
「僕も見たよ。酷い光景だ」
「それで、ウトウが危なくない道を見つけたんだ。そっちを通って行こう」
「…………案内するよ」
もちろん僕も、そのルートはアマモと確認済みだ。引き返したと思わせて、ウトウの後を尾けた。もしウトウがここで自分はキバシリと会ってないなどと言い逃れても、僕が案内できるように。
「ありがとう、キバシリ。じゃあ、確認したらお昼を食べて帰ろうか」
僕とウトウは、目を合わせなかった。
ウトウがいない。
朝からウトウに用があったノスリは、早くも気が付いていた。
シロマルやカワセミにも声を掛けて探したが、見つからないどころか、カナリアたちもいないことがわかった。
いないのは五人。ウトウ、カナリア、オオルリ、キバシリ、スズメ。
ノスリの用事は、両親を五丁目のクマに食わせてしまいたいという相談だった。
だから、シロマルやカワセミに話すわけにはいかない。おそらく彼らは反対するだろうから。
「ノスリ、それにキバシリ兄ちゃんもだけど、ウトウのことを信じすぎじゃない?」
予想外のところを指摘された。
「でも……。俺らみたいな街の人間より、知識ありそうだから」
「それは自分から学ぼうとしないからでしょ? 何? 街の人は頭が悪いって決めつけたら、街の外の人の言いなりになるよ」
「うーん……」
そうだけど、それを言ったら何にもならないじゃないか。そもそも街の人に話せる内容じゃないから、街の外の人に頼るのだ。
「そうだけど、でもそのおかげで気付けたじゃん」
上手くシロマルが加勢してくれる。俺は頭が千切れんばかりに頷いた。
「まあ……。そうだね」




