表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「えっ!? そっちの分析屋さんすか!?」〜機器分析? いいえ、危機分析です――衣食住付き※最低保証〜  作者: おやまみかげ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/9

6検体 「…………いや、ちっさ!!」


 原っぱで寝た翌朝、リヒトはウサギに起こされた。

 いや、違う。

 正確には、散歩中のウサギに踏まれた。


「すみません! すみません!

 こんなところに人がいるとは思わなくて……」

「いや、大丈夫っす……」


 身長170㎝程度はある自分と、同じサイズの巨大なモフモフにペコペコと頭を下げられては、怒るにも怒れない。

 だって……、ウサギだぜ? 相手……。


「お詫びに、美味しい牧草が生えている場所をお教えいたします!」

「いや、大丈夫っす……」


 ご好意は大変ありがたい。

 ただ、牧草じゃなくて、ほうれん草がよかった。

 ボリボリと、寝起きの頭をかく。


「なんじゃ、ウサギの好意を無下にするとは。

 そんなんだからナンパも失敗するのではないか」


 聞き覚えのある声にリヒトは振り返る。

 腹立たしいほど落ち着いた声の主は、自分よりも50㎝は小さい神ちゃまだ。


「うるせぇ……。朝からなんの用だよ」

「なんの用だと?

 ニート、お前は仕事をしないつもりか?」


 ああ、分析屋さんね。

 はいはい、やりますやります。やりますよーだ。

 小指で鼻をほじりながら適当に神ちゃまの話を聞く。


「……お前、死にたいのか?」


 やべぇ……、怒らせたら木っ端微塵だった!!


「やりますやります!!

 ええ、是非ともやらせていただきます!!」

「うむ。では行くぞ!」

「行く? 行くってどこに……」


 その問いに、神ちゃまは呆れた顔をする。

 こんな馬鹿で大丈夫か? とでも言いたげだ。


「肉食獣の巣に決まっているだろう?

 ニート、お前の力を見せてもらうぞ」


 あ、俺もう死んだかもしれない。

 肉食獣によって、リアル木っ端微塵になる未来がチラついた。



 

「ニート、あれが肉食獣だ。見えるか?」

「…………なぁ、あれだよな?」

「だからそう言っておるではないか。

 なんだ? もう怖気付いたのか?」

「…………いや、そういうわけじゃないけど」


 肉食獣の牙によって、ウサギが壊滅しかけてる。

 たしか、神ちゃまはそう言ってたよな……?


「…………ウサギ、壊滅しかけてんだよな?」

「ああ? だからそう伝えただろう。

 肉食獣の牙によって、らびらびランドは壊滅の危機に瀕していると」


 うん。やっぱりそう言ってたよな。

 俺が聞き間違えたわけじゃない。わけじゃない……。


「なんじゃ、怯えておるのか。軟弱者だな」

「…………いや、ちっさ!!

 肉食獣ちっさ!! ウサギの方がでけぇだろ!!」


 俺、170㎝。神ちゃま、120㎝。ウサギ、170㎝(頭だけで)。

 肉食獣……20㎝……。

 ウサギが踏めば勝てるだろ!!

 俺を踏んだんだから!!

 寝起きだからではなく、意味がわからず痛むこめかみを、リヒトはそっとさするのだった。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ