表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
89/248

オフィス・トライメライ 幕張研修所28

 ホテルにチェックインしてすぐ叔母は出かけていった。何やら打ち合わせがあるととかで叔母は「夕飯までには戻るから」とだけ言うと私を蔵田さんに預けてすぐに出発した。たぶん明日からの撮影の話し合いだと思う。


 だから私は鹿島ちゃんと一緒にホテル内を探検することにした。幸い蔵田さんは放任主義らしく「ホテルから出なきゃ好きにしてていいよ」と言ってくれた。今思えばかなりいい加減な子守だとは思うけれど、当時の私にはそのおおらかさがありがたかった。流石にずっと部屋に閉じこもる気にはならないのだ。漫画だって読み終わったし少しは動き回りたい。


「弥生ちゃん見て! スカイラウンジだって」


 ホテルのロビーを探検していると鹿島ちゃんが案内板を指さした。どうやらこのホテルの最上階は展望スペースがあるらしい。


「行ってみようか?」


「うん!」


 それから私たちはエレベーターに乗ってホテルの最上階へ向かった。そのエレベーターはガラス張りで外の景色が透けて見えた。ホテル前のローターリー内を走る車が段々小さくなる。遠くに見えるビルたちが近づいてくる。エレベーター上っていくとそんな錯覚を覚えた。


 そうこうしているとエレベーターはスカイラウンジに到着した。


「すごーい! 高いねぇ」


 エレベーターを降りると鹿島ちゃんははしゃいでガラス張りの展望エリアに走っていった。私も同じように駆け足でそこに向かう。


 展望エリアに着くと何組か宿泊客らしき人たちがいた。彼らのほとんどは欧米人で、正直私は場違い感を覚えた。ここに来るまでは叔母が居たからあまり感じなかったけれど、やはりここは日本ではないのだ。


 そんなアウェイなスカイラウンジに一人だけ私たちと似た顔立ちの女の人を見つけた。見覚えのある顔だ。たしか画面越しに何度も見たことのある気がする……。というところまで考えてそれが誰なのか思い出した。天沢天音さん。子役としては私の大先輩だ。


 だから私は彼女のところに駆け寄って「こんにちは。お疲れ様です!」と声を掛けた。彼女は一瞬驚いた顔をすると「あー」と言って表情を緩めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ