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オフィス・トライメライ 幕張研修所25

 成田空港に到着すると見知らぬ男の人と私と同じくらいの歳の女の子に出迎えられた。男の人は見た目は酷くチャラチャラしていて非常に柄が悪い。趣味の悪いアロハシャツに金髪とサングラス。その見た目は怪しさ満点だ。

 

 一方、女の子の方はとても普通だった。この上ないくらいの普通。特徴があるとするならその長い黒髪ぐらいだと思う。顔も……。普通。これと言って特徴がない。整った塩顔をしているだけだ。


「やぁどうも」


 私がそんなことを考えているとその男の人が叔母に話しかけてきた。叔母は「どうも」と言って彼に会釈する。


「今回は出雲姉さんも一緒に行くんすね?」


「そうね。今回ばっかりは保護者がいないと話にならないから……。蔵田くんも一人じゃないのね?」


 叔母はそう言うと彼の横に佇む少女に視線を落とした。少女は「こんにちは」と言ってぺこりと頭を下げる。


「こんにちは。たしかあなたは……。香澄ちゃんだったよね?」


「はい! そうです。鹿島香澄です。叔父がいつもお世話になっております!」


 その女の子は礼儀正しく挨拶するとは控えめに微笑んだ。好感度一〇〇パーセントの笑顔。私は彼女の笑顔を見てそう思った――。


 後から知ったことだけれどその男の人(以下蔵田さん)は叔母の古くからの友人のようだ。何でも大学の後輩だとかで、蔵田さんは叔母のことを『出雲姉さん』と呼んで慕ったり、貶したりしているらしい。


 そんな二人は大学卒業後もずっと繋がっているそうだ。蔵田さんが結婚したときは叔母も泣いて喜んだとか……。まぁこれは蔵田さんから聞いた話なので真偽は不明だけれど。


 ともかく叔母と蔵田さんはそんな感じで腐れ縁なのだ。良くも悪くも切れない関係なのだと思う。


 そうこうしていると頭上を飛行機が飛んでいった。


 母の指示で飛ばしているのかな? 私はそんなことを思った。

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