オフィス・トライメライ 幕張研修所23
それから私は寝る準備をして布団に入った。現在時刻は午後一〇時。ここで就寝したらかなり健康的だと思う。
「出来れば明日は六時前に起きよう。少しはメイクしときたいしね」
弥生さんはそう言うと部屋の電気を消した。強制消灯。まるで合宿みたいだ。
「うん。早起きするよ」
私は布団の中で彼女にそう返した。これでも早起きは得意な方だ。むしろ寝続けるほうが苦手だと思う。
「……ごめんね。私もここまで長い時間拘束するとは思わなかったからさ」
弥生さんはまるで自分のせいでこうなったみたいに謝った。別に彼女のせいじゃないのに。
「ううん。大丈夫だよ。弥生さんのせいじゃないって。それに……。こうして弥生さんとお泊まりできて私は嬉しいよ」
「……聖那ちゃんってときどきサラッとそういうこと言うよね」
弥生さんは少し照れたように言うと布団を被った。どうやら彼女は容姿を褒められるより、こう言われた方が嬉しいらしい。
「そういえばさっきは途中だったけどさ……」
「うん?」
「弥生さんと出雲社長って親戚だったんだね」
「ああ……。そうだよ。あの人は私のお母さんのお姉ちゃんだからね。でも……。社長私にあんまり似てないでしょ?」
弥生さんはそう言うと「この目以外は」と付け加えた。確かに瞳の色以外の見たい目はあまり似ていない気がする。弥生さんは童顔。出雲社長は大人っぽい。正直言って真逆だ。
「そうだね。私も聞かされるまで気づかなかったよ。ってか聞かされた今でも信じられないくらい」
「ハハハ、だろうね。ま、今はかなり他人行儀な関係だしね」
弥生さんはそう言うとさっきの話の続きを聞かせてくれた。




