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オフィス・トライメライ 幕張研修所9

 鏡張りの部屋に一人きりになる。壁に並ぶ全身鏡には座る私の姿が映っていた。そこに映る私の姿は夏休み前より幾分細身になったようだ。顔は小さく、腕は細く。そうなったように感じる。


 おそらく痩せたのは気のせいではない。だってここ一〇日間は毎晩ランニングしているのだ。自宅から新勝寺まで。我ながらなかなかのハードトレーニングだと思う。


 そうやってランニングするようになったのは自分なりに思うところがあったからだ。美鈴さんや弥生さん。彼女たちのプロ意識に触発されたからだと思う。二人とも本当にすごいのだ。美鈴さんは『お金貰うからには給料分働かなきゃね』と言っていたし、弥生さんも口には出さないけれどかなり魔法少女というものにプライドを持っているように見える。


 それから私は鏡の前に立つと身体をほぐすようにゆっくりとストレッチをした。元々身体は柔らかい方なのでそこまでキツくは感じない。


 段々と身体が柔軟になっていく。それはとても気持ちが良かった。まるで身体中の筋が眠りから覚めるみたい。そう感じるほどに。


 そうやってストレッチしていると不思議と心が穏やかになった。仮に明日何があっても怖くない。もし失敗したとしてもそれを糧にしよう。素直にそう思えた。まぁ……。失敗しないに超したことはないのだけれど。


 そうこうしていると玄関に人の気配がした。どうやら弥生さんが帰ってきたらしい。


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