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アンダーグラウンド幕張9

「弥生ちゃーん! 久しぶりぃ」


 ゴスロリの店員さんは酷く女子女子した雰囲気で弥生さんに挨拶し返した。見た目に反して声はそこまで甲高くはない。


「ねー! マジで久々だよね。蔵田店長いる?」


「ごめん。今店長出てるんだ……」


 彼女はそう言うと右手でドアノブを捻るみたいな仕草をしてみせた。


「マジかよ。またパチ屋?」


 後ろから付いてきた美鈴さんが呆れたみたいに言うと「いつも負けんのにね」と皮肉を言った。


「ハハハ……。確かにね。美鈴ちゃんの武器預かってるよ」


 彼女はそう言うとカウンターの後ろのラックから梱包材に包まれた棒状のものを取り出して机の上に置いた。そういえば車の中で美鈴さんの武器がどうとか言ってたっけ……。と思い出す。


「開けて良い?」


「うん。見てみて。店長が検品したからたぶん問題ないと思うけど……。もし不具合あったら修理するから」


 それから美鈴さんはその棒状の梱包材を丁寧に剥いていった。やはり美鈴さんは見た目に反してかなり几帳面なようだ。


 プチプチの梱包材が外されると中から赤い棒の先に小さな斧が付いたような武器が出てきた。なんかカッコいいな。そんな小学生染みた感想を覚える。


「それがご注文いただいた『ハルバートA型 レッド 斬撃炸裂仕様』です。ロッドの部分は分割可能で、アックス部分には専用袋を付属してます。素材はロッドがチタン合金パイプ、アックスがアルミ合金削り出し。塗装はロッド部分のみワインレッド……。って感じですね」


 彼女はまるで通販番組の司会みたいに商品の説明を流れるように話した。そして後ろに待機している逢川さんに「お支払いは現金で?」と声を掛ける。


「いや……。トライメライから来月引き落としで頼むよ。蔵田さんには悪いけどさ」


「りょーかいです。では……」


 彼女はそう言うと今度は私の方を向いた。そして「じゃあ衣装の採寸しちゃいましょうか」と言った。


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