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アンダーグラウンド幕張8

 私はその地下商店街をキョロキョロしながら三人についていった。占い館を過ぎると輸入雑貨のお店と漢方薬局。本当に売っている商品に共通点がない。


「変わった場所でしょ?」


 私が戸惑っていると弥生さんにそう聞かれた。私は「うん」とだけ返す。


「ここは元々は地下駐車場だったんだ。でも土地の権利の関係でテナントにしたんだって……。まぁその土地の権利者がトライメライなんだけどね」


 弥生さんはそう言うと「ですよね?」と逢川さんに話を振った。逢川さんは「ああ」と返事をすると「説明すると長いんだけど――」と前振りをしてから語り始めた。


「春日ちゃんの言うとおりここは元々は地下駐車場だったんだ。で! その駐車場を本社の社長が買って自社ビル建てたんだよね。だからこの真上に本社がある感じだね。ただ……。土地の構造上の都合で本社と直通のエスカレーターもエレベーターも階段もないんだよね。だからここは独立したテナントになったんだ」


 逢川さんは言葉を選びながら話すと「ま、ともかくここはややこしい場所なんだ」と付け加えた。おそらく逢川さん自身もここの成り立ちをハッキリとは知らないのだろう。


「だから本社の人間もよくここに来るんだよ。まぁ一応テナントのオーナーだから当然だけどさ。……でウチと本社で一番利用する店がここってわけ」


 逢川さんはそう言うと立ち止まった。話をしていて気づかなかったけれど目的地に到着したらしい。


「うわぁ……。また変な服増えてんだけど」


 店の軒先に出ている衣装を見て美鈴さんが露骨に嫌な顔をした。軒先に出ている衣装は……。さっきの大人のおもちゃの店と大差ないような感じ。正直私も「うわぁ……」となる。


 そんな私と美鈴さんを余所に弥生さんは臆することなく店内に入ってった。店の入り口には『コスチュームショップ UG幕張』と書かれている。UGはおそらくアンダーグランドの略だろう。


「こんにちはー」


 弥生さんはそう言いながら店内を進んでいった。狭い店内には所狭しと服が吊されている。安っぽいセーラー服やら派手なチャイナドレスやらキラキラしたお姫様ドレスやら……。そんな服が几帳面に並んでいる。


「いらっしゃいませー!」


 店内を進むと奥に私たちと同年代くらいの女の子がカウンターで何やら作業していた。彼女の頭にはヘッドドレス。服はゴシックロリータ。もし街中で見かけたらかなりイタい服装だと思う。


「鹿島ちゃーん。ひさしぶりー!」


 弥生さんはそう言うと彼女の元へ走り寄っていった。どうやらこの子と弥生さんは友達らしい。


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