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オートサービス香取8
それからしばらくすると美鈴さんが戻ってきた。額には汗が浮かび、頬が黒く汚れている。
「ほら、また手袋で顔拭ったでしょ!」
弥生さんはそう言うとウエットティッシュを取り出して美鈴さんの頬の汚れを拭き取った。まるで母親みたいだ。
「ああ、あんがと。ごめんね聖那ちゃん。待たせちゃって」
「ううん。大丈夫。それよりお客さん大丈夫?」
「大丈夫大丈夫! なんか親父がタイヤ交換の約束忘れたっぽいんだよねぇ。本当に勘弁して貰いたいよ」
美鈴さんはそう言うと私の目の前に腰掛けた。彼女からはオイルの匂いがする。
「んじゃ。改めまして……。聖那ちゃん合格おめでとー! これで一緒に働けるね!」
「美鈴さんのアドバイスのおかげだよぉ。ありがと」
「そっかそっか。じゃあ……。乾杯しよっか!」
弥生さんはそう言うとコーラの入った紙コップを掲げた。そして大げさに「カンパーイ!」と叫んだ――。




