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オートサービス香取7

 弥生さんの衣装は美鈴さんのものとはだいぶ違っていた。小さく写っている写真は事務所で見たけれど、拡大されたそれは思っていたよりずっと作り込まれているようだ。


 衣装のデザインはフリルの付いた王道のデザイン。色はピンク。絵に描いたような魔法少女風の服。悪い言い方をすれば……。あまり着たいとは思わないデザインだと思う。


「フリフリしてて可愛いでしょ?」


「そ、そうだね」


 弥生さんにそう言われて反射的にそう答える。本当のことなんか言えない。


「でしょー。メイリンはチャイナドレスにしちゃったけど、やっぱり魔法少女はフリル付きのピンクじゃなきゃね! これのほうが小さい子に人気出るんだ」


「そっか。たしかにアニメなんかでも主人公はピンク着てるもんね」


「そうそう! あくまで私らは『子供に夢を与える』お仕事だからね。やるならとことんやりたいんだよねぇ」


 そこまで話を聞いて少し印象が変わった。どうやら弥生さんは単なる好みでこの衣装を選んだわけではないらしい。お仕事だから。それが念頭にあるのだ。そう考えると私の選び方が正しかったか分からなくなる。


「さっきメイリンも言ってたけど、聖那ちゃんも近いうち衣装屋行くことになると思うよ。なんか諏訪さんの採寸だけじゃ足りないみたいなんだよね」


「そう言ってたね。幕張……。だっけ?」


「そうそう! 幕張に衣装屋さんあるからさ。……あとトライメライも幕張市内にあるから一緒に行くことになると思う。エレメンタルはトライメライの営業所みたいなもんだから本社にも顔出さなきゃだしね」


 初めて聞くことが次々と弥生さんの口から発せられる。エレメンタル。トライメライ。幕張。衣装屋……。受かったからと言ってすぐにバイトできるわけではないようだ。


 先が思いやられる。私は内心そう思った。やはり日給二万円は楽ではないらしい。


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