オートサービス香取6
待っている間。私たちは互いのことを色々話した。家族構成やら趣味やら学校やら……。そんなパーソナルな情報だ。
そして弥生さんの人となりを知ると少し親近感が沸いた。彼女の父親は建築設計事務所勤めで母親は成田空港の管制官。それだけでだいぶ私と似ている気がする。設計と飛行機の話。それは私にとっての日常なのだ。
「そっか。聖那ちゃんのお兄ちゃん自衛官なんだね」
「うん。百里だから航空自衛隊だねー。だから普段帰ってこれないんだけどね」
「自衛官だもんねぇ。いや、大変な仕事だと思うよ。ほんと……。尊敬しちゃう」
弥生さんは本気で感心した風に言うと「うんうん」と頷いた。
「まぁね。身内だけど自慢のお兄ちゃんなんだ。去年はスクランブル出て大変だったみたいだよ。家族としては……。正直あんまり訓練以外で飛んで欲しくないかな」
「そうだよねー。戦闘機で飛ぶんだもんね」
弥生さんはそう言うと「無事に帰ってきて欲しいもんね」と付け加える。
本当にそうなのだ。無事に帰ってきて欲しい。絶対に殉職なんてしないで欲しい。家族みんながそう思っている。
でも……。兄の所属する航空自衛隊百里基地ではそうも言っていられないらしい。特に兄は『第七航空団』という部隊に所属しているので有事のときは逃れようがないだろう。
そんな風に私たちは互いの家族のことを話した。やはり弥生さんは私と生い立ちも似ている気がする。家族構成も。趣味嗜好も。まぁ……。彼女は完全にサブカル女子ではあるけれど。
「そうだ! せっかくだから私の衣装も見せとくよ」
弥生さんはそう言うとスマホを取り出した。そして私に魔法少女の衣装を見せてくれた。




