オートサービス香取1
面接を終えると一気に体中の力が抜けてしまった。どうやら私は思っていたよりもずっと緊張していたようだ。
「んじゃ聖那ちゃん。ウチおいでよ! 弥生紹介するから」
美鈴さんはそう言って私の肩に手を回した。彼女の身体からはオイルの匂いがする。
「う、うん」
「よーし! じゃ! 社長、逢川さん、諏訪さんお邪魔しましたー」
美鈴さんは元気よく挨拶すると三人に手を振った。私もそれに続いて頭を下げた――。
それから私は再び美鈴さんのバイクの後ろに乗った。そしてその足で彼女の家に向かった。徐々に道は細くなり右も左も畑になった。見慣れた光景だ。成田とさして変わらない。
そして一〇分ほど走ると採石の敷き詰めれた広い敷地にたどり着いた。敷地内にはフロントガラスの割れたセダンやらタイヤの付いていない軽トラやらが置かれている。
そんな車の墓場みたいな場所を通り過ぎると二階建ての建物が見えてきた。一階部分は間口の広いガレージ。二階部分には普通の家。そんな建物だ。
美鈴さんはその建物の前まで行くとブレーキを掛けてバイクのエンジンを切った。そして私が降りるとそのバイクをガレージの端っこに停める。
ふとその建物の左手を見る。そこには畳一畳くらいの看板に『オートサービス香取』と書かれていた。香取……。どうやらここが美鈴さんの家らしい。
「じゃあ上がって!」
美鈴さんはそう言うとガレージ横のドアから中に入っていった。




