株式会社エレメンタル22
それから私はお金が欲しい理由をバカ正直に答えた。我ながら本当に変な理由だと思う。
「――だからお金が欲しいんです。そうすれば来年には一〇〇万貯められるので」
「そうですか……。分かりました」
社長は私の返答に対してクスリともせずにそう言うと逢川さんに「じゃあ夏木さんの服用意してあげて」と言った。……?? 採用された? と考えていいのだろうか?
「それじゃあ夏木さんこれからよろしくお願いします。分からないことがあったら逢川くんや諏訪さんに相談してください」
社長はそう言うとニッコリ笑った――。
「こんちわー!」
面接を終えて程なく、美鈴さんが事務所にやってきた。彼女の両手にはビニール袋いっぱいのメロンが入っている。
「あ! 社長お疲れ様です!」
「お疲れ様です。香取さん……。その荷物どうしたの?」
「あ、これは祖父の家から貰ったんですー。事務所の皆さんにもお裾分けしようと思いまして」
美鈴さんはそう言うとメロンの入ったビニール袋を事務机の上に置いた。
「香取さん。新しくこの子採用したから面倒見てやってね」
社長はメロンを物珍しそうに手に取りながらそう言うと「ずっしりするね」とメロンの感想を言った。
「了解しましたー。聖那ちゃんこれからよろしくー」
美鈴さんはそんな風に軽口を叩くとメロンを小分けして事務所の三人に手渡した。まるで近所のおばさんだな……。と失礼なことを思った。




