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株式会社エレメンタル20

 曲がってから程なくして私たちはエレメンタルに到着した。事務所の前には一台のセダンが停まっている。


「おぉ。社長来てるみたいだねぇ」


 美鈴さんはそのセダンを見るとオーバーリアクションぎみそんなことを言った。


「これ社長さんの車なの?」


「そだよー。いつもは事務所いない人だから社用の駐車場にあんま停めないんだよね」


 美鈴さんはそう言うと私に降りるように促した。そして「一旦メロン取りに帰るよ。すぐ戻るから面接して待ってて」と言ってそのまま走り去ってしまった。


 美鈴さんが居なくなってしまうと急に不安な気持ちになった。今から社長面談か……。逢川さんとだけなら良かったのに。そんな意気地のないことを思った。


 仕方ない。日給二万円までの道のりは思っているよりずっと遠いのだ。面接ぐらいしなきゃな。と自分に言い聞かせる。


 それから私はエレメンタルのガラス扉を押し開けた。開けると昨日と同じように諏訪さんが受付で作業していた。やはりここが彼女の所定の位置のようだ。


「こんにちはー」


「こんにちは夏木さん。お待ちしてました」


 諏訪さんは立ち上がって奥の事務所の扉を開いた。そして「夏木さんいらっしゃいました」と奥に向かって声を掛ける。


「ではこちらにどうぞ」


「はい」


 諏訪さんに促されるまま事務所に入る。するとそこには逢川さんともう一人男性の姿があった。年齢は逢川さんと同じくらいの……。やや小柄な男性だ。


「初めまして。夏木聖那です。今日はよろしくお願いします!」


 私はできうる限り元気にその男性に挨拶した。男性は「よろしくお願いします」と無愛想に返した。


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