ミサイル基地襲撃
20XX年 7月13日03:00 北京郊外のミサイル基地 SEALsチームA
「作戦司令部より、襲撃を開始せよ。攻撃開始だ。」中国全土にスタンバイしているSEALsや反中国の政府民兵部隊に一斉に指令が出る。時間との勝負でもある。反撃を受けるまえに一刻も早くサイロを制圧する必要がある。
「打ち合わせ通り、まず見張りを攻撃。その後素早く基地に突入する。···よし、行け!」隊長の命令で総攻撃が始まる。ナイトビジョン、サイレンサーなどを装着したHK416で見張りの敵兵の頭を撃ち抜いていく。しばらくは反撃されなかったが、気づかれたらしく、敵が応戦を始めた。「グレネード撃て!」隊長の命令で隊員がM203グレネードランチャーを発射する。爆発と同時に敵が沈黙する。「行け!突入!」素早く指示を出す。ミサイル基地に侵入し、周囲を警戒しつつ前進する。敵兵はいたが人数は少なく、直ぐに射殺した。おそらく最小限の警備兵を残して、共産党ビルの防衛に行ったのだろう。味方が我々のため時間を稼ぐために共産党ビルを爆破したのだ。
サイロに続く扉を爆破し、地下のミサイルサイロに突入する。非武装の兵士が居ただけだったので、そいつらを射殺し、ミサイル制御室を乗っ取った。「よし、早くやれよ」知識のある隊員にミサイルの制御をやらせた。中国の弾道ミサイル制御装置は旧式で、乗っ取るのは簡単だそうだ。「どこを狙います?上海とか?」「いや、人を殺すのが目的じゃないからな···」しばらく考えたのち、「よし···青島に撃て」と命令した。管制官でもないのに弾道ミサイルの攻撃目標を指示するのは不思議な感覚だ。青島には中国有数の海軍基地がある。日本との戦闘で損傷した空母"江蘇"もそこに居る。ここがやられれば中国海軍は壊滅的な被害を受けるだろう。
「それでは発射用意を···、マジかよ!ここのミサイル、核積んでますよ!」「だろうな。アメリカを脅すためのミサイルだからな。構わん、撃て」これで祖国を守れるのなら核ミサイルだろうが何だろうが撃ってやるが、決して気持ち良いものではない。
03:10
「ミサイル撃ちます!3、2、1···」ミサイルサイロの扉が開かれ、核弾道ミサイルが顔を出す。直ぐにミサイルのブースターが点火し、ゴーッという轟音と共にDF-5弾道ミサイルが発射された。「発射成功、撤収する」司令部に作戦成功を伝え、素早くミサイル基地から撤収した。
同時刻 中国内陸部のミサイル基地 反中国政府民兵部隊
「作戦開始だ!ロケット砲撃て!」「シュッ、シュッ、シュッ···」中国製の63式107mmロケット砲が中国兵に対して発射される。着弾し、複数の基地警備兵を殺傷する。SEALsのように素早く、確実に攻撃はできないが、任務遂行はできるだろう。周辺の哨兵が銃声を聞きつけ集まり、大規模な銃撃戦となった。ここの民兵部隊は50人ほどだが、敵兵は100人以上いる。民兵vs正規軍の勝負だから圧倒的に不利だ。「数が多いな···。俺が援護するから、サイロに突入しろ!」部隊の隊長である日本人の特殊部隊員が命令する。重機関銃手などと協力して敵の注意をひく。DSHK重機関銃2挺による援護射撃は強力だ。12.7mm弾の十字砲火により、敵兵が次々に倒れていく。直撃すれば粉々になり、外れても弾の破片などで負傷させる。
03:20
サイロに民兵部隊が突入したが、制圧に手こずっているようだ。援護部隊も敵の銃撃により多数の死傷者が出た。そうしているうちに敵の増援が来て、攻略がますます困難になる。「撃て!応戦しろ!」増援部隊に対して必死に応戦するが、味方の死者も増えてきた。残りはサイロに突入した6人と、隊長を含む10人だけだ。気がつくと周囲は敵兵だらけ、戦車まで現れ、完全に包囲されてしまった。もはや逃げ道はない。「くそう···。サイロではどうなってる?」「ミサイルは抑えたそうです。これから破壊工作を···」「いや、待て」隊長が止めた。破壊するより、そのままミサイルの弾頭を起爆させたほうが良い。我々を包囲している敵ごと吹っ飛ばしてしまえば···。どっち道、我々は死ぬ。それならば···。
「そうですね、弾頭を起爆させましょう」何も言っていないが、隊員に自分の考えが伝わっていたらしい。それでいいかと全員に問うと、全員賛同してくれた。こいつらは最高の兵士だ。1週間前まではただの家畜業者だった者たちだ。それが今では正規軍並みの精鋭部隊となっている。多くは漢族に身内を殺された者だ。漢族から自分たちの民族を守ろうと戦っている。隊長は一緒に死ねることを誇りに思った。くさいことを言うのは苦手なので、部隊の隊長として最後まで務める。「良く言った。よし、起爆させろ!任務成功だ!」サイロ内の兵がミサイルの弾頭を起爆させる。このミサイルは200ktの核弾頭を搭載していた。ミサイル基地を爆心地として、周囲20kmを、敵兵2000名もろとも吹き飛ばした。
03:30
襲撃開始から30分で、中国全土のミサイル基地のうち、約9割を襲撃した。襲撃したミサイルサイロ350ヵ所のうち、ミサイルを破壊して無力化したのが197ヵ所。乗っ取ろうと思えば乗っ取れたのもあったが、搭載していた弾頭がメガトン級の核弾頭だったため、発射を断念したところもあった。ミサイルを乗っ取っり、発射できたのは22ヵ所。残りは襲撃失敗となった。しかしミサイル基地の管制室などの破壊に成功したところもあり、無力化できたミサイルは300発近くになるだろう。
乗っ取り、発射したミサイルでは、通常弾頭が20発で、2発が核弾頭だった。核弾頭のうち、1発は青島、1発は寧波に着弾した。どちらも200kt級の水爆で、これにより青島にある中国海軍北海艦隊司令部、寧波の東海艦隊司令部が壊滅した。軍民合わせて40万人が死亡。軍艦も被害を受け、空母"江蘇"、"広州"級駆逐艦、その他駆逐艦、フリゲート、輸送艦、補給艦など計30隻が沈没した。他にも50隻以上の軍艦が損傷し、中国海軍は壊滅的な被害を受けた。
20発の通常弾頭のミサイルも各地域に着弾。中国軍は日本ほどMD(ミサイル防衛)が確立されていなかったため1発も迎撃できず、被害が大きくなった。大連、北京、広州、複州、南京、成都、重慶などの都市郊外にある中国軍基地が標的となり、軍人2万人、民間人8000人が死亡した。戦車などの兵器も無数に破壊された。
中国では1日で40万人以上の死者が出た。むろん、第二次世界大戦以来の大損害だ。中国国民からすれば、謎の集団に40万もの人が殺されたのだ。戦争に負けつつある中国共産党への不満も爆発するであろう。中国軍はもはや立ち直れそうもなく、修復するまでに数十年はかかるだろう。
日・米軍の作戦は成功し、あとは米軍の本格的な軍事介入をすることになる。アメリカが介入すればイギリスなどの同盟国も介入することになるであろう。中国はおしまいだ。
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