第94話 事件は会議室じゃなく、現場で起きるんですよ!〜研究者たちは自力隠密失敗しました。
「それにしても、店長の治癒魔法はすごかったな。」
「夫婦で魔法を分担、補ってるのも、すごかったわ。」
「本当はすごい魔法使いなんでしょ?」
「カザリ、ちゃんとした練習は昨日が初めてよ。私の指導力ね。」
「本当、ジュリエットの教え方がいいから、すごいことできたわ。」
「あさ、本気でそんなこと言われたら、私の立つ背がないじゃない。」
「カザリ、あとで、また話すわ。昨日覚えたってのは本当よ。」
「しかも二人が自力で開発した魔法だにゃ。カレーのおかわり下さい。」
「あ、エリーさん、カレーどうですか?」
「おいしい。もっと欲しいけど、お代わり1回だけだよね。
辛い方をもらえるにゃ?」
「はい。でも、これとお肉と野菜で、自分で作れますよ。」
辛い方のジャワのパッケージを美味しそうにCM風にしてエリーに見せた。
「野菜が美味しいのも、この箱のおかげ?」
「あ、それは、ちょっと炒め方にコツが……。」
「今度、教えてくれる?」
「いいわよ。コツがわかれば簡単なの。」
「エリーしっかり覚えなさい。で、私に食させるのよ。」
「ジュリエット、いつも作ってるの、私とヒルルでしょ。」(怒)
「そうとも言うわね。」(笑)
「子ども用のはどれですか?」
「これですバーモンド、りんごと蜂蜜が入ってます。大人の中辛はこれ、ゴールデン。」
「りんごとハチミツが入ってるのね。」
「この商品のせいで、ゴールデンやジャワにもリンゴをすって入れるママがいますよ。」
「大人用と子供用が一つで済むって。」
「あれ、あさちゃん気のせいよ。ママがやってたけど、あんまり甘くなかった。」
「カエデが言う通りよ。失敗しちゃった。ハチミツケチったし。」(笑)
「カザリさん、辛さ調節用のスパイスも売ってるから、大人はそれで辛くするっていうのもできますよ。」
「さすが、カエデ。私の手抜きよく見てる。」(怒)
新しい住人は新規顧客に……。あさたちの勧誘が着々と進んでいる。(悪)
「じゃ、あさたちにこっちは任させて、予定の会議、始めますか?」
「りおんさん、会議もですが、今はこちらで、見学してていいですか?実地ができる環境の方が、我々のディスカッションより、大切です。」
「修一くん、確かにね。シナモン、それでいいかな?」
「田沼くんたちは?」
「???」
「あ、自力隠密指示?」
「りおん、彼らになんか変な指示をしておったのじゃろ?」
「あ、やはりバレましたね。」
「おそらく、「身分がバレない様に、紛れ込め」とか、指示したのじゃろ!バレること前提で。」
「やはり、そこまで……。」
「新しい子たちかのお? 今おる奴らは、この街の冒険者と同じ立場でのぉ、あまり心配しすぎんでええのぉ。新しい店員で通せばええの。」
「遮音魔法お願いします。」
「彼らとりおんとわしでええかの?」
「はい」
「彼らはシステム研究者です。」
「ほぉ、やはり冒険者Payの開発者じゃの」
「はい。今日は冒険者の依頼書等の開発について相談しようと思ってました。」
「ですが、彼らの希望で、こちらの雰囲気に触れてみたいそうです。」
「そりゃ、ええのぉ、ついでにギルド本部の仕事の見学してもええのぉ」
「はい。それができたら、一番捗ると思います。」
ギルマスが気付いて、遮音結界の中に来た。
「修一たちが来てるな。何か相談の予定だったのか?」
「あ、ギルマスとは旧知の仲でしたね。」
「今日、本当は僕が本社に行く予定だったんですが、さっきの件で、彼らにこちらに来てもらったんです。」
「なら、せっかくじゃ、ギルドの冒険者Payのスタッフも、加わって、実地見学させるとしようかのぉ」
「ギルド、お休みじゃないんですか?」
「開発スタッフは、わしの工房とギルマス直轄だから、聖餐の食事は終わっとる。」
「連絡すれば、喜び勇んでやってくる。ついでにギルドで会議の方向に行きそうだな。」
「冒険者がいないから、実地とは言えないが、説明はしやすいな。」
「三郎、まだしばらく休憩だよな。食べ終わったら、半蔵とそれぞれ、ギルドと工房に走ってもらうぞ。何人か、ギルド本館に呼んできてもらう。」
「「ええっ〜。休憩中ですよ。」」
「うるさい!管理職は自己管理だ、問題無し!食ってからでいいって言ったが、今すぐに変えるぞ!」
「「食ったら行きます。」」(汗)
「僕としても、会議、遠慮したいですね。疲れました。……今日の午前中は休みだったんですよ。」(笑)
「ま、管理職というものは、そういうものだ」
「「「ギルマスぅ〜」」」(呆)
半蔵くんたちと息が合ってしまった。
「ギルドに見学に行けるんですか」
「「「やったぁ〜」」」
「シーって遮音魔法……かかってても、バンザイはバレてるよ!」(汗)
……
「ただいま戻りました〜。荷物下ろしておきました。」
「あ、国道、ちゃんと配達行ってたんだ。」(笑)
「店長、行ってますよ。」
「出かけるとき気づかなかったから。」(笑)
「お昼、カレーだよ。まだ中辛、甘口、激辛どれでもあるよ。」
「じゃ、中辛大盛りで。」
「おかわり無しになるよ?」
「お手数かけるから、大盛りでいいです。早食いですし。」
「ゆっくり食べなさい。……ことり、中辛普通盛りとおかわりの時は、激辛小盛りで国道くんの分よそったげて!」
「はーい!どっちも美味しいですよ。」
「えっ?おかわりは激辛決定ですか?」
「罰ゲームです。覚悟してください。」(悪)
「うまぁ〜、普通で足立区の倍の量!?このカレーなんですか?野菜は甘くて、お肉はほろほろ、異世界の特別なルーですか?」
「国道先輩、お肉の部位も色々入ってますよ。」
「ほんとだ、スジに、もも、スネも?」
「カレールーはゴールデンの辛口ですよ。」
「普通だ。……この大きなお肉の塊は?」
「ああぁ〜、大当たりぃ〜。あさちゃん、一般道さんが当たり引いた!」
「カエデちゃん、一般道って、僕?」(笑)
「今、思いついちゃった!」(笑)
「で、当たりって何?なんかもらえる?」
「そのお肉、午後からの『特大手作りミノタウルスの角煮おにぎり』用なの。」
「???……ミノタウルス?」
「そうよ、今日のカレーのお肉は、ミノタウルス。」
「あの、角が生えて、上半身は人間ぽくて、腰から下は牛の?」
「うん。それ」
「心配しなくても、腰から上は使ってないぞ。気分的にやだろ」
「あ、ギルマス。だから、牛の部位しかなかったんだね。」
「舌は別だ。美味いからな!!」(笑)
「取り出して乾かしてるですけど、あさちゃんと一つぐらい見逃してるかもって、話してたんです。」
「じゃ、ラッキーだったんだ。」
「今日のラッキー使ってしまいましたね。」(笑)
「ええ〜、カエデちゃん辛辣!」
「カレーより辛い?」(笑)
「あさ、人見知りだったカエデが、お兄さんぐらいの人を揶揄ってるなんて……。」
「姉さん、泣かないでよ。」
「あさも、泣いてるみたいやねぇ。姉妹して仲よいこって。」
「「お婆ちゃん!」」(笑)
……
「シナモン、研究班はこのままお店の見学してもらって、午後の様子を見て、ギルド本館に事務システムの見学に行くよ。冒険者Payの開発チームも参加してくれるって。それでいいかな?」
「えっ?いつの間にそんな予定が組まれたの?」
「さっき、ドボルジンクさまと話してたら、ギルマスが来てたでしょ。」
「うん、突然二人の話し、聞こえなくなった。」
「彼らのこと相談したかったから、遮音結界貼ってもらった。」
「その時、相談したの?」
「相談してたらギルマスも来て、修一たちと開発したギルドの担当者も参加させようって。実地見学した方がいいだろ?」
「それはありがたいね。道中はギルマスが警護してくれる?」
「街の中は、大丈夫だと思うけど、お三方もいるから、大丈夫かな。」
「その前に、特大おにぎり作らなきゃ。やっぱり唐揚げあげようかな?でも今日は竜田揚げの気分……そろそろ飽きてきた。」
「お客さんがってこと?」
「同じもの揚げ続けるの。」(笑)
「フライドチキンってのもあるわよ。」
「ケンタッキー?」
「あれは、無理。パテント譲らないわ(汗)。うちのも人気あるのよ。」
「あ、ファミプチキン。あれ、美味しいね。忘れてた。」
「もう少し加盟店意識持ってよね。」(怒)
加盟店意識の低いオーナー、過労で、職業意識も低いようです。まぁ、あれだけ頑張った後だと、そうなりますなぁ。午後から、ちゃんと働くのか?




