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【100話突破】異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です 〜足立区から毎日通勤。なぜか本社プロジェクト!S級冒険者はミノタウルスと野菜のカレーで、ほのぼの居酒屋タイムの常連です。  作者: 柿野たね
第1章 異世界でコンビニ始めました

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第89話 画像共有より簡単にできた念話。……怪我の治癒も魔法が使えた。

『りおちゃん、パズル得意よね。代わってもらえる?』

『治れ!じゃダメなの?』

『その前に並べ直さないと(いびつ)になりそう。』

『つまんで移動するイメージでいいの?』

『それ以外にないでしょ』(笑)


『やってみる。』


 いつものインカムと違って、口は動いていない。魔法について話せないことも多いので、あさとりおんは今、念話で話している。使えたのか?


『ねぇ、こういうの……火事場の馬鹿力?』

『……ジュリエットに追い詰められたエリー?』

『何それ……?』

『窮鼠猫をハムスター?』

『ま、できたわね。……』

『うん』(笑)


「え〜と、この大きなのは、ここだよな。……この小さいかけらは、ボロボロだね。」

『こういうのは、なくても細胞が補完する気がしない?』

『絶対、するね。』

「これとこれとこれはここ。」


 うっかり口も動いてた。


「何やってるんですか?」

「中の骨、砕けてるんで、正しい位置に戻してます。……黙ってやってたら、不安になるでしょ?」

「聞いてる方が不安かも」(笑)

「続けていいですか?」

「お願いします。」


「あ、添木と包帯、何か持って来て。」


「僕、添木探して来ます。」

「福くん、段ボール、丸めて棒状にしたら、強いよ。」

「作って来ます。」


「包帯、あったよね?」

「りおんちゃん、取ってくる。」

「シナモン、足りなかったら、ハサミと座敷の布団のシーツ2枚ぐらい持って来てね。」


「わたしの机の真ん中の引き出しに、未使用の(さらし)が入ってるわ。」

「あさ、開けていいの?」

「おねがい。」


 ……


「添木、まずは一本目。……これで大丈夫ですか?」

「三角のダンボールがちゃんと麻縄で縛ってあって、丈夫だ。……ありがとう。」


「これは、こっちで……。」

「骨も正しい位置に戻りました。……これ、細かすぎるかけらです。要ります?」


「「「ええぇぇぇ」」」


「取り出したんですか?」

「まぁ、ご主人の体の一部ですから、勝手に捨てていいものか……」

「不要でしたら、捨ててください。」


 しっかり引かれてしまった。捨てられないよなぁ?


「すごいことしてくれているのに、気が抜けちゃうわ。」

「おじちゃん、お父の怪我治る?」

「坊、このお姉ちゃんと二人で、おとうの足まっすぐに支えておいてくれるか?」

「ことり、骨繋いでるから、太もものところ押さえておいてくれ。」


「これでいいですか?」

「大丈夫だ。動かすなよ」


「ご主人、痛いけど我慢してください。傷口洗って、周りの毛を剃ります。」


 周りでも、痛いと言いつつ、カエデと福くんの指示で、傷口を洗って、シェーバーとシェービングクリームで毛を剃っていた。みなさん頑張ってね。


「痛っ」

「我慢してくださいね。」

「大丈夫だ。あいつら好き勝手に魔法弾打ちやがって。」

「こっちの聖餐日は関係ないんですか?」


「あっちは昨日が安息日で、普通は今日もこっちが外にいないから、撃たないんだ。」

「昨日の早朝、出発したの。子ども達が多いから、今日の朝までに間に合わなくて、見つかったから撃ってきたんだわ。」

「あいつら休みまで働くな!。」(怒)

「あと少しだったのよ!」


「怪我人だけですか?」

「ああ、全員無事といえば無事だな。」

「じゃ、頑張って治療します!……毛を剃りますね。」


「大きな傷ね。ジャンボでもギリギリ。」

「事務所にカットして使うシートタイプあるよ。僕の机の膝上の引き出し。」

「カエデ、取ってきてくれる?」

「いいよ。りおちゃん、勝手に開けるよ。」

「大丈夫、見ちゃダメなのは、ちゃんと隠蔽してる。」


 まだ、隠蔽魔法は使えない。

 必要は発明の母……意味違う?


『細胞組織壊れてる。ヒールかけて細胞治せる?』

『壊れてる細胞は取り出した方がいいんだよね。』

『壊疽してる細胞は腐るからね。』

『骨折した時、傷診た治療院の先生に教わったんだよね。』

『勤務医は馬鹿だから知らないって、怒ってたよ』


「傷の下の細胞が壊れてるので、取り除きます。……ガバッと皮と肉が消えますが、すぐに修復が始まります。」


『骨までだから、深くないわね。……壊死細胞削除&自然修復』


「「「あ、穴が空いた!」」」

「「「泡あわが出て来た。」」」

「「「肉が盛り上がって来た。」」」


「あさちゃん、これ?」

「ありがとう。」

「ハサミもいるでしょ。」

「うん。」


「じゃ、これ貼っておくので、数日はそのままにしておいてね。……ヒート」

「痒くなっても取らないでください。」


『あさ、ヒート使えるの?』

『使えたわね。』(笑)

『どうやったの?』

『手から温かい魔力が出るイメージ』

『それだけ?』

『それだけ。』


 やっぱり必要は発明の母で合ってる。魔法の母か?


「この三角棒を添木にして、大きいから晒、木綿の布を()いて巻きます。」


 こういうのは僕の役割だ。ボーイスカウトで三角巾覚えた。

 ちょっと小さいけど、長いからなんとかなった。


 ……

「初めての治療魔術、無事終了ね」


「「「えぇ?」」」 ×周りの獣人さん全員


「初めてで、この大怪我を治療できたんですか?」


「あ、先日ジュリエット様に教えてもらって、基礎はやってたんです。」

「ジュリエット様に……。それなら納得できます。」


「それでも普通、納得できないわよ!」

「痛みも取れて、真っ直ぐになったよ。」

「さっきまでちょっと“逆くの字”だったもんね。」––


「おじさん、お姉さん、ありがとうございます」

「「ありがとうございます」」


 俺はおじさんなんだな(悲)。


「頭、撫でてもいいか?」

「いいよ。」

「問題ないぞ」

「坊、頑張ったな。」


「うん。でもわたし女の子だよ。」


「えっ?そうなの。ごめんね」

「りおちゃん、ノエルの時も、男の子みたいって、言ってたわね。」

「おじちゃんがごめんね。」

「大丈夫、人間の人、いつも間違えるから。」


「もう少し大きくなると、女の子のお顔になるよね。」

「ウルフ同士でも間違えるぞ。」


 ブラックウルフのチビが嬉しそうに微笑んで、周りに笑顔が広がった。


『カエデ、ママ来たよ』


 おばあちゃんもインカム使いになってきた。絶対、若返ってる!


「あさちゃん、治療終わった?」

「大丈夫、うまく行った」

「さすが!…… 大婆ちゃんからママ来たよって。カレー作っとくね。」

「頼むわね。」


「さ、他の人たちも診て回ろう。」


「お父、僕庇って、背中が……。」

「診せてもらいますね。」

『マジカル画像診断、MRI発動』


 こっそり詠唱?で傷を診た。


「切られた傷だけですね。骨折はないです。」

「奥さん、このシェーバーとシェービングクリームで傷の周りの毛を丁寧に剃って、傷と周りをよく洗ってください。」

「終わったら、これを貼って、ヒートを少しかけます。」

「ヒートなら、私できるわ。」

「じゃ、人肌に温めるぐらいで、お願いしますね。」


「こちらも診せてもらいますね。」


 3人目は無詠唱でMRIを発動してみた。

 夫婦4組と子ども達が15人。怪我をしてるのはお父さんだけ。みんな家族を守って頑張ったんだな。重傷はリーダーだけだった。多分彼がリーダーだよな。



 治療が終わって、ひと段落した頃。


「あさ、りおん、大丈夫かぁ〜」

「あ、ギルマス。ちょうど怪我の治療が終わったところです。」


「ほぉ、骨折を治療したのか?」

「診ます?」


 唇に人差し指を当てて。頭の中で……、


『マジカル画像診断、MRI発動、ギルマスへ画像共有』


「おっ!『りおんから画像共有。承認しますか?』、……『承認』」


「真っ直ぐ、しかもつなぎめも完璧に治療できてるな。」

「リハビリすれば、元通り動かせるはずです。」

「リハビリとは修復後訓練だな。」


「マツ、今日の治療のことは内緒で頼む。」

「そうでしょうね。こんなすごい治癒魔法、見たことない。」


「カザリとココも、みんなもわかったな。」


「「「はーい」」」 ×ママと子ども全員


「「「了解しました。」」」 ×男性冒険者一同


「ギルマスとマツさん、お知り合いなんですね。」


「あ、挨拶してないですね。……獣王国冒険者ギルドB級冒険者のマツと妻のカザリ、娘のココとです。ブラックウルフパーティーのリーダーを務めてます。部下達はおいおいご挨拶します。」


「一度では、こちらも覚えきれませんからね。」


「ギルマスの古い友人で、こちらの店の店長をしている、りおんです。」

「妻のあさです。」

「姪のカエデで〜す。ココちゃん、仲よくしてね。」

「店員のことりです。怪我、治ってよかったです。」

「店員の福です。ココちゃん、よく頑張ったね。」


「優しいお兄ちゃん、ありがとう」チュッ


「あらあら、おませな子ね。……あなた、顔が怖いわよ。」


「ここちゃん、ご褒美、ありがとう。」

 お父さんの顔が怖かったので、お返しは遠慮した福の神だった。

 

「すごかったですね。」

「いきなり実践。ドキドキでございました。」

(わたくし)も、本当にできるとは、思いませんでしたわ。」


「りおんはともかく、あさも心をガードしておるのぉ」

「あ、ドボルジンクさま。いらっしゃいませ。」


「半蔵が飛び込んできたから、急いできたのに。もう治療終わってるじゃない。さすがあさだわ。」


「「「「「はい。」」」」」


「あ、みなさん、お店の脇に足洗い場があります。シャワーもついてるので、男性は手前で、女性と子ども達は奥のブースで、体を洗ってください。」

「ことりは女性ブースで、福くんは男性ブースで説明とお手伝い。よろしくね。」

『カエデ、ママに説明したら、戻ってことりちゃん手伝ってくれる?』

『あ、実さんも来てくれたので、説明しました。直ぐ行きます。』


「ブラックウルフさん達、落ち着いたら、お店のイートイン。テーブルかお座敷でゆっくりして貰ってください。」


「あさ、カレー作らなきゃ。」

「うん。味の確認しないとね。」


「ドボルジンクさま、ジュリエットとギルマスも、ゆっくりしててください。」


「そうね、もうすぐアルノと柳田も来るわね。あ、義隆置いてきちゃったじゃない!あぁ〜ん」

「マツ達がきたら、いろいろ聞こう。それまで休憩だな。」


「誰か、私のこと構いなさいよ!」


「 ……… 」


「あさ、不思議な香りがしてるんだけど、これ、お昼ご飯なの?……あさ?

 ……あさ?」



 ギルマスとドボルジンクさま、ジュリエットが慌てて駆けつけてくれたが、治療が終わって、みんな落ち着いた頃だった。あさの様子がちょっとおかしい……。頑張ってたからこそ心配だね。


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