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【第1章終幕目前】異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です 〜足立区から毎日通勤。なぜか本社プロジェクト!S級冒険者はミノタウルスと野菜のカレーで、ほのぼの居酒屋タイムの常連です。  作者: 柿野たね
第1章 異世界でコンビニ始めました

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第88話 穏やかに蒸らし炒めの野菜の甘いカレー作りが一転、とんでもなく大変な事態に!

「さ、カレー作りカレー作り。」


「すじ肉はたっぷりの水から茹でるわね。スネ肉は圧力鍋にしとくね。」

「圧力鍋、いつの間に持ってきてたの?」

「家であんまり使わないから。こっちの方が使うかな?って……」


 みんなで頑張って、じゃがいも、ニンジン、セロリ、玉ねぎが炒め上がった。

 バラ肉とロースも表面を炒めて、大鍋で煮込むことに。


「はーい、これもお願いしま〜す。」

「カエデ、ありがとう」


「あとは煮込むだけね。」


「あさ、ご飯炊けたよ。」

「お婆ちゃん、ありがとう。」


「りおちゃん、がんばっておにぎり作るわよ。」

「お願いしま〜す。」


「カエデ、どうするの?」


「お鍋のアク、取っとく!」

「お、ありがとう!」


「カエデ、カレールーお店に行って、経費精算でもらってきて。」

「なにがいい?」

「60人前だから、お鍋分ける?」

「あさちゃん、40人前は辛口、20人前は甘口でどう?」


「ゴールデンとジャワとバーモンドでいいかな?」

「見てくる!」


「ゴールデンとジャワ、スパイシーって言うのがあったよ。バーモンドは中辛でいい?」

「ゴールデンは中辛、ジャワカレーはスパイシーで別々に作る?」

「その方が良いかもね。」

「バーモンドは中辛でOK !」


 ひとまず、カレーは煮込み作業。

 カエデはちゃんと灰汁を取る性格みたい。


「ねえ、あさちゃん。……午後から、人が多い気がしない?」

「カエデもそう思う?」

「朝から常連さんたち順番に来てるな。」

「次は秋山先生やないか?」

「大婆ちゃんもそう思うの?」


「おにぎり、もっと作っておこうか?」

「カレー、試食してもらう?……絶対匂いでバレるわよ。」

「カレールーの販売につながるかもね。」

「『特大手作り牛バラ角煮おにぎり』作る?」

「大変じゃない?」


「カレーあるから、1時間ぐらいでできる。」

「りおちゃん、バラ肉出して。」

「どのくらいの大きさ?」

「私やってみる。……ストレージさん。え〜っと5センチ幅で角棒状のバラ肉3本できれば皮付きで。」


「「「すごい!出てきた」」」

「残念、皮ついてないわ。でも形はちょうどいいわ。」

「骨と皮と(つの)はギルドで使うからね。」


「りおちゃん、解体請け負うようになったら、皮付きお願いね。」

「皮付き必須やね。」

「「『必須!』」」


「インカムの福くんまで。」(笑)

「お客さんは?」

『ギルマス以来、いらっしゃらないです。……いまは商品棚整理してます。』

「ありがとう。よろしくね。」

『カレー棚分空けときます。レトルトも宣伝できますよ。』(悪)


「「「福の神まで悪徳商人だった」」」(笑)


『一応副室長ですから。』(笑)

「アルノが聞いたら、『一応副室長』って肩書きになるよ。気をつけて。」(笑)

『絶対阻止しないと』


「洗って、おネギ……あった!茹でとくわね。……柔らかいお肉だから、1時間も茹でれば、ほろほろよ。」


 お婆ちゃんとカエデとあさはそのまま作業を続けていた。

 僕もちょうど、新しい大鍋に水を入れて、ガス台に置いたその時だった……。


 ……

「いらっしゃいませぇ〜」

「お兄ちゃん、ここにすっごい効く怪我の薬があるって聞いたんだけど。ある?」

「誰か怪我したのか?」

「家族でこっちに逃げてきてたら、城門に着く前に爆撃されて、みんなを守ったお(とう)の足に岩のかけらが当たって、大きく切れたの。」

「怪我したのか?」


「衛兵さんが、このまま進んで広場のきれいなお店に行ったら、大きな傷薬があるって。」

「大きな傷薬?」

「貼ってもらえって言われた!」

「あ、ハイドロキズパッドか、あれ、じっくり治すタイプだけどなぁ?」

「福くん、こっちではかなり早く治るらしいんだ。特に獣人さんは大きな傷でも一日で治るらしい。治癒力をアップするから、効き目がいいらしいよ。」


「りおんさん……大きいのってあるんですか?」

「運んできただろ!」(笑)

「はぁ、見逃してます。……全部把握してるつもりだったのに」(悔)

「冒険者用に開店日からジャンボサイズを入れてあって、集中討伐前日に売り切れたよ。……事前にギルマスが試して、各パーティーに常備しとけって。」


「坊主、お父はもう来るか?」

「あれだよ。お(かあ)と衛兵さんが支えて歩いてきてる。」


「狼さんかな?顔は人間っぽい?漆黒のフサフサの毛がノエルと似て固めで、短め?」

「僕、ブラックウルフ族だよ。フェンリル様の眷属」

「あ、坊主も仔犬の時のノエルみたいに、ふわふわの毛で、コロコロしてるな。顔まで仔犬で可愛いな。」

「可愛くない。ウルフはかっこいいの」

「ごめんごめん。かっこいいな!」


「店長、俺、迎えに行ってきます。」

「広場から出るなよ」

「はーい!」


「りおちゃん、シェーバーとタオルとシェービングクリーム。それとハイドロキズパッド・ジャンボ。リンスinシャンプーとバスタオルも持ってきたけど、足りないみたいね。」


 広場には大人と子供で25人ぐらいの集団がこっちに向かって来てた。みんな大小の怪我をしていた。


「カエデ、鍋の火、火の番しててね。吹き出したり、蒸発しない様に……。」

『わかった!大婆ちゃんと見とく!』

「ことりと姉さんに電話して、助っ人に来てもらって。……カレー味付けできる?」

『大丈夫。いつもママとやってる。ルーに書いてある人数分入れればいいよね。』


「熱いから、一人でやらないで、お鍋分けて、お肉入れるときは呼んでね。」

『ママとこっちやっとくよ。必要なときは、私がそっちに行く。』

「角煮は5cmぐらいに切って、一番辛いカレーに入れて煮てね。」


『エェッ?おにぎりじゃないの?』

「味がついたら取り出して、水分切って、乾かしといて。」

『あ、だからカレー味なのか!』(笑)


「まずは、カレーの炊き出しかな?」(苦)

『ご飯、追加炊いとく?』

「あと2升、炊いといて。マジックバックの中に洗い米ある。大婆ちゃんが知ってる。」


『あとは任せてね』

「優秀な姪がいて、助かるわ」

『えへへ……あゆたちにも学校終わったら、駆けつけてってメッセージ入れとく』

「よろしくね。見逃すかもしれないけどね。」(笑)


「りおちゃん、開店タオル、使うわよ。」

「バスタオルも、経費精算して、全部使っていいよ」

「あ、これも経費精算してくる。忘れてた。ついでにタオル取ってくる」

「数わかれば、経費精算後でもいいよ。」


『あささん、私何すればいいですか?』

「ことり、避難民が大勢来てるの。……開店タオル、一箱持って来て。商品のバスタオルも一箱。カートあったよね。あとリンスinシャンプー4本かな?シェーバーとシェービングクリーム2セット。」

『持っていきます。』


「店長、あささん、おはようございます。」

「あ、コボルト隊さん。」

「三郎って言います。頭領補佐の一人です。」


「こっちに誘導してすみません。よく効く傷薬とヒールできる人がいるって聞いてたから。」

「ヒールできる人?」


「あささんとりおんさんのことじゃないですか?」

「ことり、早すぎない?」

「あさ、トンデモないことになってるじゃない。大丈夫?」


「シナモンも、いたよね。助かった!」

「カエデちゃんとお婆ちゃんも手伝ってくれました。」

「えへへ」


「「ありがとう〜」」


『実へ、店緊急事態、足立の事務所無人。留守番頼む』

「メッセージ入れとけば、気づくわよね。」


「大婆ちゃん、そっち任せてもいい?もうすぐママ来ると思う。」

『今は鍋見とるだけや、大丈夫やで。吹き出したら、火を(ちい)そうしとけばええね。』


「「「お願いします。気をつけてね。」」」


「店長さん、ヒールできる人って……?できる?」(疑)

「MRIできるわね。」

「傷の箇所、修復もできるかも……。」


「三郎さん、やってみるから、軽傷の人はまずは傷を洗って、周りの毛をこれで剃ってもらって。」

「洗い場あそこ!」

「知ってます。」


「お父、大丈夫?」

「これぐらい、大袈裟にするな!」

「でもあんた、歩けないじゃない!」

「まぁな。」(痛)


「大丈夫ですか?まず、傷見せてください。」


『マジカル画像診断、MRI発動、あさへ画像共有』


「『りおんから画像共有。承認しますか?』もう、いきなり送らないでよ……『承認』。」


 念話で画像共有しながら、喋るという力技もできた!


「あ、骨折してますね。傷治すだけじゃダメですね。」

「砕けてるから、かけらを集めて……。」

『あさ、全部治療しないで。添木を当てて、軽く繋ぐだけにしよう。』

『そうね、どこまでオープンにしていいかわからないものね。』


『お二人、念話してます?』


 インカムからことりが離れたところから(たず)ねてきた。カエデとシナモンもこちらを見ていた。……頷いておいた。


のどかな『初めの日』の日常は消えて、戦場の後始末になった。



 のんびりカレーを多めに作っていたら、戦場を超えて避難民が駆け込んできた。あさたちは考えることなく、救援を開始、怪我人の治療が始まった。


 「あさ、りおん、ことり、カエデ、大婆ちゃん頑張れって」応援してくださいね。

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