第85話 忍者の伝承に隠れ信者の影を見た。若者は呼び方にも好みがある。
「福と国道、明日は俺が配送入るよ。」
「「柳田さん。おはようございます。」」
「お願いしていいですか?」
「大丈夫だ。……上に社長を迎えに来たら、いないから。来てみた。」
今日のローテーションの確認して、福くんが疲れてそうなので調整してたら、柳田室長がやってきた。
「なんか全員、楽しそうな顔してるなぁ。」
「柳田さんの目が正しかったと言うことですね。」
「りおんさん、どう言うことですか?」
「社会人になっても、こんなに純粋な心を持った人ばかりを集めた目は、すごいです。」
「そう言う基準で選んだわけではないんですけどね。」
「一時記憶忘却魔法具作動させた人、いなかったんですよね。」
「確かに、そうですね。」
「これからもよろしくお願いします。」
「はい。こちらこそ……。で、なんでみんなこんな顔してるですか?」
「若手の希望を受けて、聖餐式したんです。途中からジュリエットが加わってくれて、終わってからドボルジンク様が来店されたんです。」
「そうだったんですね。ありがとうございます。」
「社内で布教活動したことになりますが、問題ないですか?」(笑)
「布教はしてないですよね。本人たちの希望ですから、問題ないです。」
「ふと気になったんですが、忍びの方たちも隠れ信者の家系ですか?」
「なぜ、そう思われるのですか?」
「柳田さんも実くん、ことりちゃん、福くんと同じ色の光に包まれてます。」
「うちの子たちや、他の社員さんたちとも違うよね。」
「すごいですね。あささんも?そういう見分けができるようになったんですね。」
「霊を見分ける賜物ですかね?」
「やはり詳しい。」
「信者というわけではないんです。忍術の継承と共に、継承された伝統です。」
「ほぉ、継承された伝統とな?」
「はい。忍術の中には簡単な魔法のようなものがあります。……気配を隠して近づいたり、少し高いところに飛び乗ったり、声の届けられないときに、視線で言葉を交わしたりという技です。」
「すごい伝承ですね。」
「その伝承の中に、魔法を使うものは『己が技の継承にふさわしい者か確かめて神に祈れ。』という言葉があります。」
「ほう、先ほどから似た言葉が飛び交っておったのぉ。」(笑)
「伯父さま、さっき、『一人ひとり自分がふさわしい者であることを確かめてから、パンを食べ、杯から飲みなさい。』ってりおんさんが教えてくれました。」
「そうか。ことり、良い経験をしたようだな。」
「はい!」
「私たちの継承の中に、隠れ信者の伝統が残ってたんですね。それを神がお認めくださったと。……りおんさん、あささん、これからもよろしくお願いします。」
「はい。こちらこそ、いろいろ教えてください。よろしくお願いします。」
「僕だけ取り残されたみたい。途中参加しとけばよかったかなぁ?」
「アルノさんも、薄いけど、光ってるよ。」
「そうなの?」
「暇なら、このあと天童と来てもいいわよ。」
「残念ですが……。……社長、行ってこられてもいいと思います。……シナモン室長、社長の代理をお願いします。」
「えっ?社長と私、ジュリエット様の聖餐の食事に参加して来ます。」
「うーん。気持ちはわかるけど……、いいわ。……その代わり、りおんくんを連れていく。あさ、りおんくん貸して。」
「いいけど、何させるの?」
「あさちゃん、そこは何するのじゃないの?何させるの?なの?」
「シナモンよ。強制されるに決まってるじゃない。」
「そこの夫婦、どさくさに紛れて、友人ディスらない。」(怒)
「今日は、本社で秘密保持魔法契約をしてる特務システム担当室と社長の打ち合わせだったのよ。だから、りおんくんの方が、兄貴より適任なのよ。」
「そういうのは、遠慮したいんだけど。」
「じゃ、僕がいく!」
「僕もいく」
「春樹と実が大変だから……僕が行くよ」
「「どうぞどうぞ!」」
「って、春樹と実、懐かしのコントやらせるな!」
「あ、やっと「くん」取れた!」
「え?」
「いいなぁ、私も「ちゃん」とって欲しい。遠慮されてるみたいで、寂しいよね。」
「ことりちゃんと実くんって、そんなこと思ってたのか?」
「「はい。」」
「「「「「私(僕)も呼び捨てがいいです」」」」」
山野、緑山、エレン、国道、天堂も同様だった。
「福の神は、そのままでいい?」
「あ、僕はそれですか?……まぁ福くんがいいんですけどね。」(汗)
「福先輩、呼び捨てじゃなくて?」
「ことり、僕のこと福くんって呼んでくれるの、あささんとりおんさんだけなんだよ。ちょっと嬉しいんだ。」
「あ、そう言えばそうですね。」
「「じゃ、福くんで」」
「他のみんなは呼び捨てにするけど、希望があったら、また言ってね。」
「で、りおんくん、一緒に行ってくれるわね。」
「分かりました。で、なんの相談ですか?」
「POSで依頼の契約書を発行する方法を考えたいんだって。それから、新事業所の地下とコンビニ敷地に研究室を設ける相談よ。」
「柳田さぁん、聖餐式参加を口実に押し付けたでしょ!」
「はぁ、そういう思いがなかったとは申しませんが、純粋に我々も聖餐の食事に預かりたいという思いです。ですよね。社長。」
「ですです。」
「りおちゃん、神様知りたいってこと、優先にしてあげるしかないわよ。」
「分かりました。行って来ます。ついでに本社の予算ぶんどる作戦、皆さんと相談して来ますね。」(怒)
「ほどほどにお願いします。」
「りおんくん、くれぐれもほどほどにね。会社の予算、大変なことになる」
「僕を行かせたことを、とことん後悔させてやる。」(笑)
「シナモン、今日の報酬、後で相談ね。」
「あさ、キッチリぶんどっといてね。」
「「大人の会話は怖いねぇ」」
「実さん、ことりちゃん、怖いねぇ」
「春樹くん、経営者はあんなものよ!覚えといて。」
「「そこ、あそんでない!」」(笑)
「ジュリエット、社長たち二人をよろしくね。」
「遅くなりましたが、おはようございます。
お客様はドボルジンクさまとジュリエットさまだけですね。」
「柳田、初めの日の朝は、そんなもんじゃのぉ」
「買い物自体、しない時間ですわ。」
「だが、話してる間に、何人かは来たようじゃのぉ」
「ジュリエットさま、私たちも聖餐の食事に参加させていただいても良いでしょうか?」
「同じ信仰の仲間としてなんだから、「さま」を取ってくれたら、いいわよ。」(ウインク)
「では改めまして、ジュリエット殿、生産の食事に参加を申し込みます。」
「あら、さまが殿に……。まぁ、妥協しましょう。忍ですものね。お仕えする社長の友人なら、呼び捨てはできないわよね。」
「そうじゃのぉ、わしもそれがいいのぉ」
「りおんとあさもじゃ、呼び捨てとは言わん。せめて「さん」にしとけ!」
「「却下です。……様が似合ってます。」」
「そうかのぉ?そうしておくかのぉ」
「お慕いしてる長老さまって感じがして、呼びやすいんですよ。」
「あさにそう言われたら、諦めるしかないのぉ」
「りおんさん、これからも私はりおんさんで。」
「はい、僕も柳田さんで。社会人としては譲れないですよね。」
「りおんくん、僕は呼び捨てがいいんだけど。」
「アルノでもいいよ。いつもタメ口で冗談言い合ってるし、それはそれでいいと思う。」
「公式的な場所では、お互いに気をつけましょう。」(笑)
「時間少しあるので、りおんさん、来週の開店時間とローテーション。再考ですね。」
「開店時間は、太陽の日は11時ぐらいで良いかもしれませんね。それも、今日一日終わってから、考えましょう。」
「そうすると、3人の午前がなくなるから、向こうの日曜日、外しといたけど、春樹と康太とあゆみ、誰か入ってもいいか?」
「「「問題ないよ」」」
「朝から遊ぶ友達いないし、夕方も、そのぐらいなら家に帰る時間だもんね。」
「バイト優先で問題ないよ。」
「じゃ、そういうことを考慮して、組み直すな。」
「他にはぁ……」
いつもとは違う、いつもより穏やかで温かい時間が流れていた。これも創造神の祝福というやつなんだろうか? 太陽の日、初めての初めの日の朝だった。
「ことり、私、本社に行くことになったから、とりあえず秘書室の留守番お願い。」
「シナモン室長、聞いてました。とりあえず、本社秘書室と日程確認、調整を終えたら、特務室にいて、昨日までの報告書と売り上げ報告作っておきます。間のドア開けとくので、電話もこっちで取ります。明日提出でいいですよね。」
「そうね、こっちの週に合わせて、まとめたほうがわかりやすいわね。電話は特務室に転送しておくわ。」
「本社秘書室と、顔合わせもやっといて。ネット会議でできるわよね。」
「はーい。あささん、その時は実さんとミナさん、一時会社でお借りします。」
「新人は、引越し準備&親への説明開始!」
柳田家って、忍者だけじゃなく、そのルーツは隠れ信者。もちろんモデルは隠れキリシタンです。忍者≒隠れキリシタン。よく時代劇である設定です。千葉さんの作品とかそんなイメージが……。あれは逆か?(汗)
柳田さんが遅れてくる。その設定さえ書き始めはなかったんです。そこから、忍者≒隠れキリシタンの流れが突然動き始めたんです。創作って、怖いですね。
この後、魔法≒AI及び開発言語って感じで進んでいきそうです。さっき、決まったことですよ。
作者の中でも。この先、どうなっていくのか、全然読めてません。
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