第84話 預言者を預言者として受け入れる者は、預言者と同じ報いを受ける。
「こちらにも賛美歌はあるのですか?」
「うむ。あるにはあるが、古いのぉ」
「使徒さまが伝えた曲だと聞いてるわ。」
「それは聞いてみたいですね。」
「ドボルジンク、今日はやめときましょう。二人の声は合わないわ。」
「そうかのぉ?わしは誰とでも合わせるんじゃがのぉ?しかたがないの。」
どうやら、ドボルジンクさまの歌声は、あの声のままで、音程がないらしい。本人歌が好きなので、周りは困っているのかも。ジュリエットがんばれ!
「それで、シナモンたちはどう感じたの?初めての聖餐式、聖餐の食事。」
「私は、付いていくのがやっとで、食事はいつもと同じだけど、話す内容が、罪についてや、聖なる書についてなんかで、ちょっと新鮮だったわ。自分で自分のことを見直すって、いつもなら、したとしても落ち込んだ心の時よね。否定的なの。それに比べると今日のは自分を赦せて、励ましてあげられるわ。」
「僕もです。でも、讃美歌って、いいですね。あんな真面目な顔のりおんさんを見たのは初めてです。」
「実くん、どういうこと!」(笑)
「カエデちゃんの質問とあささんの答え、分かりやすかったわ。」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。」
「罪人とか、罪って、犯罪者みたいなことだと思ってたから、私は違うって思ってたけど、農夫の例え話は分かりやすかったわ。」
「エレン、スコットランドでは教会行ってなかったの?」
「うちは父が無宗教気味で。」
「気味って!?」
「クリスマスとか、イースターに招かれると行くんです。お付き合いですから。でも、基本は信じてないって感じ?」
「日本人もスコットランド人も変わらないのね。」
「エレン、農夫の例えとは、朝から順番に募集されて農園に行く農夫たちの話かのぉ?」
「ドボルジンクさま、そうです。みんな1デナリもらうお話です。……私ももっとくれって思うわって。あとで解説してもらって、恥ずかしくなりました。」
「恥ずかしくなればの理解できとる。それでいいのじゃ。」
「信徒でも、実際はわかってない人いるわよ。」
「目に見える罪。万引きしたとか、喧嘩したとか、人を殺したとか……」
「殺そうと思ったとか?」
あさとりおんが説明し、みんなはよく理解していた。
「そうそう、そいうのが罪だと認識して、信仰に入った人。」
「それを引き起こす心のあり方、魂の質が、罪なんじゃがの。」
「長老世代がそこがわかってない人多かったようだったわ。」
「それを初めての今日、理解できたなら。大したものじゃの。皆、立派じゃのぉ」
「ママたちも立派?」
「うーん、私はやっとあさがなんで信徒になったか理解できたわ。」
「俺は、りおんが普通じゃない理由がわかった。」
「どういうこと?」
「りおんくんは、ボーとしてるようで、アクティブで。動じないようで、面白くて。掴みどころがないんだよ。」
「なんだか酷い言い方」(笑)
「だから面白いんだけどね。その理由がなんとなくわかってね。」
「わかって?」
「そういうのもいいなって思った。……あさちゃんとりおんくんの信じてる神さまなら、こんな不思議な世界に連れて来てくださった方なら、信頼できるんじゃないかな?って思って、参加した。」
「あら、それ、いい表現ね。私もそれよ」(笑)
「あら、姉さんも義兄さん、ありがとう。」
二人の想いを先頭に、参加者一人一人が今日の想いを語った。それを受けて…。
「みんな素敵なスタートよ。今日から、あなたたちの新しい命が始まったの。覚えておいてね。」
「私もいい孫と婿を持ったと思う。二組もやね。孫もええ子で、付録でついて来た孫も良い子やね。この子たちとここに来れて、幸せやな。百は元気に迎えられそうやね。」
「おおばあちゃん、付録の孫です、よろしくお願いします。」
「春樹、付録って言ったが、可愛い孫や。よろしく……やね。」
「おばあさまも、良いスタートを切られたようじゃの。五日前より、お元気になられた。」
「そう思われますか。この子たちの神様は、私を元気にしてくれます。感謝やね。」
「創造神の奇跡が見られたのぉ」
「確かにそうですね。」
あさが、僕を傍に連れて行って、小声で……
「りおちゃんにも見えてる?」
「うん。聖霊?神様の御霊の光?」
「これ、みんなに神様の恵みが降り注いでるんだよね。」
「僕にもそう見えるよ。」
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『預言者を預言者として受け入れるものは、
預言者と同じ報いを受ける』。
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「ドボルジンクさまとジュリエットを預言者としてみんなが受け入れたから、神様の恵み、神様の魔素という恵みを受けたのかな?」
「そうね、少し輝いてみんなを包んでる光って、そういうことよね。」
「あのぉ、これ、すごいことなんだけど……」
「私たち、普通のこととして見てるわね……。」
「「神様、僕たちに何させようと思ってんだろ」」(怖)
「お二人も強く光ってるわね。」
「ひとまず、内緒で、……感謝しとこ!」
「そうね」
それからみんなのところに行って、
「一つびっくりする話をしようか?」
「「「りおちゃん、なにぃ?」」」×一同
「さっきの第1コリントの続き12章7節ぐらいに、書いてあるんだけどね。……神さまからの霊=聖霊によって、ある人には知恵の言葉が、ある人には知識の言葉が、信仰が、病気を治す恵みの力、奇跡を行う力、預言、霊を見分ける力、さまざまな異言、その異言を解釈する力がそれぞれに与えられてるんだって。……何か思い浮かばない?」
「「「あ、異世界転生スキル!」」」(汗)
×オタク全員、篠山夫婦も入ってました。
「僕は何も持ってないんだけど、若い時から、あるって信じてるんだ。ペテロさんのように水の上を歩けるかもって思ったりね。……今ならきっと歩けるね。」
「私は、水を美味しい葡萄酒に変えたい!」
「ここ読むと、聖なる書って、異なってない僕らの世界の異世界物語だって、思う。」
「「「りおちゃんの表現、ややこしい」」」×全員
「そうじゃ、異言で思い出したのぉ。翻訳魔法は異言の応用じゃのぉ」
「異言の賜物を解析してて見つけたのよ。すごいと思うわよね。」
「異言を話す者と、異言を解く者。これをセットで扱わないと、翻訳魔法はできなかったのじゃ。」
「最初、話す方だけ、研究してたのよ。でもね、それだけだとなんの役にも立たない恵みなのよね。」
「この聖句を思い出した奴がいての、セットじゃないと、確かに意味がないのぉと、両方の魔法を研究したら、完成したというわけじゃ」
「え?じゃ、異言が聖霊を受けた証拠という考え方は、こちらにはないのでは?」
「なんなのじゃそりゃ?」
「そういう考えの人たちがいるんです。で、いつも論争になってます。」
「論争する必要はないのぉ。ただ、人の国にはあるやもしれぬの。」
「そうね。あの人たち、共通語しか使わないから、翻訳魔法のこと、知らないものね。」
「翻訳魔法、論争も解決。恐るべし」
「魔道具もあるからのぉ。誰でも使えるのが翻訳魔法じゃ。」
「そういえば、創造神さまから直接いただく魔法は、翻訳魔法だけよね。」
「神様からいただくんですか?」
「そうじゃ、魔法の訓練の後、祈り願って、いただくのじゃ」
「くださると思って、祈れば、いただけるわよ。……信じてないと、なかなかもらえないわよ。膨大な基本辞書につながる必要があるからかしらね。」
「使わなそうな奴にも貰えないのぉ」
「まぁ、他の魔法も修練してから発動するわけで、神様から力をいただいてることには変わりないけどね。」
「あ、魔素って、神さまからの賜物なんですね。」
「つまりは魔法も奇跡と同じ、神さまの力ってことですね。」
「りおん、なんかほっとしとるのぉ」
「「はい!」」
「あさもかのぉ」(笑)
「それにしても、翻訳魔法、すごいですね。あっちでも実現したら、いやな論争、なくなります。」
「どんなことを言っとるのじゃ?」
「「信者が聖霊を受けると必ず異言を話す。」って言ってるわね。」
「「解くものが必要?個人的な祈りには不要」って感じですかね?」
「聖霊を受けたら、異言が話せるっていうの。」
「話せないなら、聖霊を受けてないとも言うね。」
「そんなふうに言ってて。……あの人たち、怖いから近寄りたくないの。」
「話せるのが聖霊を受けた証拠って……。」
「ほぉ、理屈になっとらんように感じるがのぉ。」
「僕らもそう感じます。まぁ、異言はなんの証拠でもないから、気をつけてねってのが、ついでにみんなに伝えときたいことですね。」
「最近米帝の大統領のニュースで聞く話ね。」
「うん。あっちでもこっちでも、色々大変だね。」
「店長、もう直ぐ7時半です。お二人以外お客さま来られません。」
「あ、休暇組、お家に帰って、引っ越し準備!……康太とあゆみとあさ以外は、それぞれ会社や学校へ行く準備。あゆみと康太も8時30分過ぎたら学校だよ。」
「はーい!」
「はーい!10時から、上の事務所で仕事します。室長、指示ください。」
「ことり、とりあえず、10時集合よ。」
「イエッサー」
「兄さんも、会社行くわよ。その前に時間あるから、家寄っとかないと、義姉さんにしばかれるわよ。既婚者はちゃんと家に帰りなさい。」
「国道、配達気をつけてね。」
「国道くん、引っ越し休暇、明後日で大丈夫?」
「大丈夫です。荷物、最低限にしといて、ちょくちょく取りに行こうと思ってます。」
「今日は足立のSルートだ。ルート表これな。プレオ店は朝も夕も最後な。」
「福と国道、明日は俺が配送入るよ。」
「「室長。おはようございます。」」
「おはよう!」
「お願いしていいですか?」
「大丈夫だ。……上に社長を迎えに来たら、いないから。来てみた。」
「なんか全員、楽しそうな顔してるなぁ。」
柳田さんは、終わってから来たのだが、楽しそうな顔の若手を見て、少し嬉しくなったらしい。いい奴らを選べたと思ったのかな。こいつらと仕事できてよかったと思った顔してた。憶測でものを言ってもいいかも。(笑)
聖なる書の伝える信仰って、単純なんです。分かりやすいんです。求める心があれば、掴めると思います。でも、難しくしてしまう人たちもいる、難しく感じて、去っていく人もいる。今回はそうならなくてよかったと思ってます。物語なんですけどね。(汗)
冒頭の、使徒さまが歌ってた讃美歌って、どんな曲なんだろう?って悩みますね。どうやって再現するの?このネタは、お蔵に入れた方が良いと思う作者です。思ってても書かされる時は書かされるんです。聖餐式も来週からにしようと言う言葉を書きかけてたんです。そこにメッセージが入ったんです。指が動いてました。
執筆作業もちょっと怖いこの物語です。絶対書けないな。資料もない……。
悲しい出会いは描きたくないなぁ……。




