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異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です 〜足立区から出勤、本社と提携。手作り特大角煮おにぎりが爆売れ。夜は常連S級冒険者のほのぼの居酒屋に。  作者: 柿野たね
第1章 異世界でコンビニ始めました

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第75話 小難しいイメージはやめました。丸投げしたら魔法が使えた!

「この寺子屋式っていうのの効果でも、あるのかのぉ。」

「私よりも丁寧に自分たちで分析して、教えてたわよ。」


 初めて魔法を放った若者たちの綺麗な花火を眺めつつ、

 ドボルジンクとジュリエットが、呆れ半分、感心半分で、驚きを言葉にしていた。



 少し時が遡り、あゆみたちが花火の魔法を練習している頃……、


「あさちゃん、僕はMRIの魔法を作ることがまず第1だよね。」

「私が骨の軟骨の形を整えて、元の正常なものに戻す。が第2」


「膝も同じかな?」


 ……

 ちょうど隣で、花火の魔法のレクチャーをカエデと実くんがしてたのを聞いてた りおん。


「押し出すポンプとの、イメージはどうするの?」

「あゆみ、ポンプのイメージとかは、要らないわよ。」

「指の先の細い送出口から押し出すってイメージして、送り込むってイメージすると、どんどん濃く、早くなっていくよ。」



「カエデ、ポンプのイメージは要らないのか?」

「りお叔父ちゃん、ポンプのイメージは要らなくて、魔力を出すってイメージしただけ。」

「これだけ出すってイメージをすれば、あとは小さい出力から高速まで魔力が調節できました。」

「そか、細かすぎるイメージは省いてもいいのか。ありがとういいヒントだ。」



「まずはMRIだわね。」

「磁気が水素に反応するそのデータを分析して、水素から帰ってくる磁気の濃度を計算してなんてことを考えてたけど、もっとシンプルに……。」

「シンプルに……?」


「うん。昔使ってたスキャナーをイメージするんだよ。」

「この間、粗大ゴミに出したやつ?」

「うん。魔力を210mmの幅で超高速で0.1mm毎に5個ずつ打ち込んで行って、跳ね返ってきた魔力量で画像化できるんじゃない?」


「なんで210mm?」

「A4のコピー用紙の幅」(笑)

「スキャナー引きずってるわけね。」

「で、骨や肉、当たった素材の硬さで跳ね返る量が変わるから……。ダメ元でやってみると、成功かどうか、わかるよ。」


「えぇ?それ、頭の中で計算するの?私は無理……。」

「僕にも無理だよ。そこまで魔法でイメージすれば、いいかもって思った。」

「あ、カエデちゃんが言ってた、ポンプいらないって話?」

「そそ、カエデの言う通りなら、魔力のコントロールはイメージだけで出来る気がした。」

「気がしただけなのね。」(笑)


「あさ、魔法はイメージが大事なのよ。方向性は確実にあってるわ。言ってることがわからないから、勝手にやってちょうだい!」(笑)

「あ、すいません。我が家の仕事道具で例えてました。」

「イメージが伝われば、共有できるでの、それでええんじゃ。そうじゃのぉ。」

「剣客の技で例えてもらえれば、それがしも分かる訳でござるな。」(笑)


「剣客の技、使える時は配慮します。」(笑)


「さ、やってみるか!」


 魔法スキャナーより、MRIそのままでいいか。うーん。MagneticとMagic、頭文字同じだからいいかなぁ?


「りおちゃん、何か悩んでるの?お茶飲みなよ……。」

「あ、これ、飲むじゃないんだよ。」

「えっ?」


『マジカル画像診断、MRI発動』


声に出して念話のように詠唱してみた。どっちだ?魔法に言葉を乗せて、茶碗をスキャンした!魔法の光がスキャナーが走るように進んでいった。多分、高速の点々が210mm幅で行進したんだろう。


「うーん、脳にイメージは浮かんだけど、ぼやけたレントゲン写真みたい。」

「あ、いきなり人間だと怖いから、お茶で試したわけね。」


「じゃ、黒糖饅頭とかの方が良くない?」

「皮、薄いから、いちごシュークリームとかなかったっけ?」

「苺大福は?」


「あ、三層だし、それがいいな。ある?」

「あさ、売り切れじゃなきゃ、スイーツコーナーにあるわよ。」


「これかにゃ?」

「エリーさん、それ!」

「最後の一個、さっき買ったにゃ」


「食べないし、壊さないから、ちょっと貸して!」

「食べないなら、いいにゃ!」


「何をしてるのかしら?」

「中を開けないで、中身を見る魔法です。」


「ほぉ、凄いことを考えるもんじゃのぉ。」

「あっちにはそう言う大きな医療機器があるんです。」


「うまく行ったのでござるか?」

「残念ながら、先ほどは失敗です。中の画像は見えたのですが、ぼやけたお茶碗でした。」


「打ち出す魔法の粒を、1箇所16個に増やしてみます。」

「りおちゃん、さっきは何個だったの?」

「1箇所5個。階調5段階だと、ダメだった。

 0.1ミリ毎だから、1列16×2100発、1列で魔法の粒を打ち付けるんだ。それを5センチだと500列、10センチだと1000列、0.1ミリ毎にスキャンしていくから、5センチで1,680万粒の魔法粒を打ち込む訳です。10センチだとその倍。大変だから、1箇所5発に絞ってみたんですよね。でもやっぱり、最低16階調必要だろうって、思ってたんですけどね。」


「りおちゃん、さっぱりわからないんだけど。」


「「「全く理解できません!」」」


「「「「「ちょっと分かるけど、そんなことできるの?」」」」」


 あさは理解拒否。あゆみたち文化系女子も同じく。

 社長、実、春樹、カエデ、それとことりちゃんは、理解を示した。さすがオタクと理系。


「カエデのポンプがヒントだったよ。ま、説明の前に改良版でやってみるね。」


「エリーさん、苺大福お借りします。」


 お借りした苺大福をテーブルに置いて、スキャンしてみた。


『マジカル画像診断、MRI中解像度で発動』


 魔力を帯びた210㎜幅の光が、スーと進んで行った。さっきより少し威力を増してみたからか、スキャンスピードは少し速くなった。」


「まだダメだ!苺大福の表面しか見えてない。」

「ねぇ、スキャナーって表面しか見えないんじゃない?……写真用でしょ。」

「あ、そうだね。……3Dスキャナーって、あるけど、構造知らない。」

「ねぇ、もっと単純にMRIのように中まで見たいって思えば、いいんじゃない?」


「そうか、MRIの構造画像をイメージして、魔法にすればいいのか!」

「あの、スライスする前の画像とスライスした画像?」

「そうそう」


「誰か、この人たちの言ってることわかってる人いる?」

「だいたいわかりますけど、魔法になるのか、わかりません。」

「私もさっきのまでは、りおちゃんのスキャナー借りてたから、わかりました。」

「多分、さっきの2回のやり方はやめて、細かな動作は魔法に任せて、最終的な目的だけ、イメージして、やってみようとしてるみたいです。」


「アルノと実とカエデと春樹はわかるのね。で、春樹はやろうとしてることも理解したと。……さすが甥っ子ね(笑)。多分上手くいくわ。」


「やってみますね。」


『マジカル画像診断、MRI内部構造を撮影』


 ……


「あ、ちゃんと中のイチゴがボーと見えてる。あんこと大福の外側、あれ、皮でいいの?」

「でもリオちゃん、それだといちごの状態がわかりにくくない?」

「りおん、その画像、覗かせてもらっていい?」


「あ、念話で送れますかね?」

「念和の送り方、教えてないでしょ。私が勝手に覗くわ。いいかしら?」

「他は見ないでくださいね。」

「大丈夫、あなたはその画像をだけ見せたいって思っておきなさい。それだけで他は見えないわ。」

「では、どうぞ」


「あら、白と黒の絵で、中が透けてる感じね。本物みたいだわ。」

「絵画ではなく、モノクロ写真と言って、そのままを記録したものです。」

「そうなのね。でも、あさの言う通り、中の確認ができてないわね。」


「そのために、補助魔法も考えてるので、やってみますね。」

「もしかして、スライスもできるの?」

「お義母さんの脳もスライスして確認したもんね。」

「あれ、わかりやすかったわね。怖かったけど……。」


「あんたたち、自分の母親の頭をスライスしたの?」(怒)

「いえいえ、これからお見せするように映像でスライスしたものを見せてもらったんです。」(汗)


「真ん中でスライス!断面見せて!」


「あら、綺麗に3つの輪っかの画像に変わったわね。真ん中の筋が広るのがいちごかしら?美味しそうな絵ね。」

「はい。その外があんこで、さらに外の白いところが大福の皮です。」

「あ、あさ、この後治療するでしょ。この映像、送ってあげるわ。見てみなさい。」


「はーい。……見えました。すごぉい!都立病院で先生に見せてもらった映像みたい。」

「これなら、大福の中を触って、いちごの形を変えることもできるかも!」


「あさ、大福、壊しちゃダメにゃ!」

「あ、そうだった。ごめんねエリーやめとくわ。」


「エリー、味は変わらないから、あさにやらせてみなさいな。……そうね。いちごの形をどこか変えてみなさい。」


「あ、ヘルニアは、飛び出てるところを押し込んで形を整えるので、丸い苺を変えるのができる方が、凄いですね。潰れるかもですけど、やっていいですか?」


「美味しければ、いいにゃ。失敗したら、明日二つ貰えるかにゃ?」

「はい。大丈夫です。」


「中の構造がイメージできたから、やってみますね。」


「りおちゃん、いちごの全体が見たいから、ゆっくりスライス動かすことできる?」

「やってみるね。」

「そうそう、そんな感じ。」

「綺麗ないちご型のいちごね。」

「形変えても証拠にならないから、エリーって文字掘ってみる?」

「いいね。それで行こう」


「エリーって文字の分、粒々をあんこの中に移動して、書いてみるね。」


「ふぅ〜」


 あさは無言で、魔法を放った。手が何かを摘むように、大福の少し外側の周りを移動していた。


 いちご大福に、エリーさんの名前、書けてるかなぁ〜。



【明日から平日は朝5時10分に投稿します。】


 作業の一つ一つをきちんと構築してイメージを作り上げようとしてたのを全て捨てて、細かなところは魔法に任せたりおんと、中のいちごの粒々をつまんで移動してって感じで、実際の作業を妄想しただけのあさ。結局魔法は〈イメージ〉なんですね。


 明日から、投稿時間を変更します。

 ブックマークで対応(通知設定をチェック)いただけると、投稿通知も届きます。

 よろしくお願いします。

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