第74話 よこしまな魔法を知らなくていいわよ。知っても無駄よ。りおんとあさの修行開始
「エリー、あんたの方が危機よ。カエデと実の魔力で、攻撃魔法放たれたら、確実に負けるわよ。失業よ!」
「あ、そうにゃ。私も頑張って、もっと魔法練習しなきゃ。ジュリエット私もやっていいにゃ?」
「今日は遅いから明後日、月の日からね。昼間に時間あるんだからしっかりやりなさい。」
「さて、次はあさとりおんの魔力コントロールの練習よ。でも、遅くなってきたから、一度やってみなさい。できたら昇級よ。」
「「えっ?」」
「そうね、そこに寝てる子、どの子も腰痛持ちなの。膝も悪いわ。治癒魔法をかけてやって」
「治癒魔法も、強すぎると一瞬痛がるから、細〜い魔法で、カエデたちみたいに密度が濃い魔法じゃなくて、そうね。チリッとするぐらいの、弱い魔法を放つのよ。」
「「チリっですか?」」
「そう、膝の裏と腰にチリッチリッってする感じで、体の痛んでるところを癒すの。腰痛と膝の関節痛ってとこかしら?」
「どんなふうに治していくんですか?」
「あら、腰痛と関節痛の知識なら、私たちより二人の方が詳しんじゃない?彼方の医療、かなり進んでるでしょ。」
「はぁ、医者じゃないですけど、腰痛と膝の関節痛は色々聞かされたり、治療してもらったりしてますね。」
「だから、自分で、イメージしてごらんなさい。って話よ。頑張って!」
「あさ、ヘルニア詳しいよね。レントゲン?MRI?なんにしても、魔力を当てて、骨の映像を見るべきだよね。……やってみない?」
「そうね、あの、飛び出てるのが見えたら、そこの変形を柔らかくして直すみたいなイメージもできそうね。でもレントゲンとかってどうやるの?」
「レントゲンって放射線が通り易いか難いで通過した光が反対側のフィルム、今は放射線センサーがとらえて、コンピューターで解析するんだよね。」
「反対側に何か必要なんだよね。」
「MRIの方がいいかも電磁波の跳ね返りで計算するから、やれるかも。」
「そんな難しいこと、私たちにできる?」
「うーん?やってみる!お茶ちょうだい。」
「お茶?いいわよ。……はい。これでいい?」
「おいしそう!やってみてる間に、みんなにもお茶出して。」
「ジュリエット姉さま?りおちゃんたち夫婦だけで盛り上がってません?」
「あ、そうね。あゆみと春樹と康太とことりとミナ、癒しの花火を実とカエデに教わって、やってみるといいわよ。他の子は見学。」
「「「「「カエデちゃんと実さん、教えてください」」」」」
「はーい。まずね、ヒーリング魔法のイメージは、さっき話した通り、直してあげたいなってところを考えながらやりました。」
「僕はユンゲルね」(笑)
「今、りおちゃんたちもどう治すか、相談してるみたい。言ってること、難しくてわからなかったけど。」
「僕にもMRIのやり方なんて、わからないよ」
「実さん、花火は得意ですよね。」(笑)
「で、ヒールは、実さんのやり方でやりましょう。」
「エナジードリンクやユンゲル、栄養ドリンク飲んだ時のように、疲れが取れて、栄養が補給されるのをイメージしてみてくれる?」
「さっき、それでみんな疲れが取れたでしょ。」
「「「確かに……。」」」 ×一同
「カエデちゃんみたいに、誰かの弱ってるところ、……うーん、わからない。「元気になぁ〜れ」で行こ!ジュリエット姉さま、それでもいい?」
「あゆみが純粋に願えば、それでも効くかもしれないわよ。お店の中は攻撃魔法になってもちゃんとキャンセルされるから、大丈夫よ!」
「じゃ、次は花火ね。……。実さんの話してくれた通りよ。イメージできないところあった?」
「魔力をいっぱい流すと太くなるでしょ?細いままでいっぱい流すの?」
「あれ、私はりおちゃんが洗車の時に使ってる、高圧洗浄機の細いホースをイメージした。」
「あ、それ、僕も通販の高圧洗浄機のイメージ。」
「一番絞ってまっすぐ飛ばすやつ。クルクル回ってるけど、強力で高速な水をまっすぐ飛ばすのをイメージした。」
「私は高圧洗浄機からだと思ったんだけど、言われてみると、本当のイメージは前にテレビで見た、水圧カッターかな?頭の中でごっちゃになってた。」
「コンクリートとかも、水で切るやつだよね。」
「凄い高圧で水をノズルから細く出して、水で鉄や石を切っちゃうの。」
「1本にすると、おんなじイメージだね。僕も見たことある。そっちの方がイメージしやすいね。」
「その勢いで魔法を打ち出したの。指の先の出ていくところ1mmぐらいの細いノズルにして魔力を打ち出すの。」
「注射器の針みたいに細いところから、ポンプで押された水が押し出されていく感じ?」
「押し出すポンプとの、イメージはどうするの?」
「あゆみ、ポンプのイメージとかは、要らないわよ。」
「指の先の細い送出口から押し出すってイメージして、送り込むってイメージすると、どんどん濃く、早くなっていくよ。」
「ビー玉は、いい感じのところで浮かせてたよね。」
「浮かんでるところイメージしただけよ。」
「カエデ、ポンプのイメージは要らないのか?」
「りお叔父ちゃん、ポンプのイメージは要らなくて、魔力を出すってイメージしただけ。」
「これだけ出すってイメージをすれば、あとは小さい出力から高速まで魔力が調節できました。」
「そか、細かすぎるイメージは省いてもいいのか。ありがとういいヒントだ。」
「あんたたち、私よりも細かなイメージをしてたのね。」
「私もそれでやってみようかにゃ。できそうな気がする。」
「エリーさんも一緒にやりますか?」
「クレープのクリームの絞り袋をもっと細くして、後ろから魔力を押し込むって感じでもいいでしょ。」
「あ、それもいい感じですね。」(笑)
「ジュリエット、私もやっていいにゃ?」
「やれそうなら、やってみなさいな。」
「カエデ、教えてにゃ」
「私もやってみよ。細い魔法の練習。」
「ヒルルも大丈夫なら、やってみなさい。」
「はーい!」
「それがしには、エリー殿とヒルル殿、明日教えてくだされ。」
「シナモンたち『今日から組』はよく見ておいて、二日後ぐらいに教えてもらうのがいいのぉ。」
「ビー玉のところは、あそこで溜まって丸まってビー玉になるってイメージすると簡単だったよ。」
「どんどん溜まって、密度が濃くなって、どんどん重くなって、明るくなって、光を閉じ込めるって意識したら、最後に勝手に真っ黒になったの。」
「本当、勝手に真っ黒になったよね。」
「あそこ、ってイメージでいいのね。」(笑)
「最後のところは、弾けて大きな花火になぁれ!って」
「夏の大玉花火を思い出しただけだよね。」
「火花が飛んで行った時は、ちょっと怖かったよ。」
「誰も怪我しませんように!って弾ける頃から祈ってた……」
「うちらは、実とカエデの花火をイメージすればいいにゃ」
「花火見たことないけど、綺麗なお花だったものね。もう、覚えたわ!」
「あなたたち、それで正解よ。ちゃんと筋道立てて、イメージして、祈りながら魔法を放つの。邪な思いで放つと、邪な魔法になるから、気をつけるのよ。」
「城外の人たち、狙ったところに当たらないのは、邪だから?」
「あれは、その前に魔法の修練が足りないのよ。」
「邪な魔法は知らなくていいわよ。知っても無駄よ。」
「「「はーい」」」 ×9人
「「やってみるよぉ」」
「「「はーい」」」 ×9人
「1、2、3…エリアヒールファイヤーフラワー」×9人
エリーとヒルルが加わり。9人の指先から、この間と同じ7色の光が真上に伸びて、ほとんど同じ高さに丸い7色のビー玉ができ光が増していった。
一際明るく輝いて、一瞬揃って火が消えた。
次の瞬間、大きな花火が7つ、部屋中を灯していった。
打ち上げた花火は、日本の花火よりゆっくりと、光を消していった。
花火の物悲しさを感じさせる優雅さもあった。
大婆ちゃんが孫たちの凄いわざに微笑みを浮かべて喜んでいた。
「凄いねぇ」
「綺麗だねぇ」
「私も早くやってみたい」
「肩こり治った!」
「歯の痛みが取れたねぇ。誰や私の歯痛を治してくれたのは……。」
「念話に引き続き、花火もできたにゃ!」
「私にも本当にできるのでしょうか?」
「細い魔力で、強力な魔力が……。これは凄いわざよ。あなたたち、すごいわよ。」
……
……
それぞれに思いおもいの感想を叫んでいた。
「まったく、全員1回目で成功させるとは……。」
「教える方が上手いのか、教わる方に才能があるのか。どっちですの?」
「この寺子屋式っていうのの効果でも、あるのかのぉ。」
「私よりも丁寧に自分たちで分析して、教えてましたわよ。」
あゆみたちが魔法の花火を見ながら、
「りおちゃん、あゆたち、すごかったね。」
「ぼくらもがんばろう!」
「私は治すときのイメージをすればいいのね。」
「僕はMRIの魔法を作ることだよね……。」
凝り性なので、あっちでは、もっと難しい魔法に走ってます。
難しく考えすぎてませんか?
はてさて、りおんとあさの魔法はできるのか?
本格的な魔法のトレーニングが始まりました。実くんが気付いてジュリエットが改良した細〜い魔法、これととっても相性が良いのが、ここに集ったオタクっ子たちのようですね。
オタクの頭領といえるりおんとあさの魔法って、どんな魔法になるんでしょう。次話が楽しみです。




