第73話 発動をイメージして信じる者は魔法が打てるのよ!しっかり覚えておきなさい!
「今度は全員で、魔力を放出。お店の中は結界で攻撃魔法は消されるから、大きな花火を打ってもいいわよ。実、教えてあげなさい。」
「はい!さっきは、たんぽぽの茎を指先に延ばしてビー玉を作ったじゃん。」
「じゃん?」
「地が出た(汗)。……できたのは、たんぽぽの綿毛状の花火だったでしょ。」
「うん。綺麗に咲いた。」
「で、それを解放して、たんぽぽの綿毛の花火を大きくすると、本格的な花火に……。
魔力糸を頭の上に打ち上げて、
50㎝ぐらい上、天井との間ぐらいで、
魔力のビー玉を作る。
ビー玉に魔力を入れ続けて、光を溜めるイメージ。
パァ〜ンと部屋中に70㎝ぐらいの大玉花火が広がるイメージ、
綺麗な花火が広がるよ。」
「「「「「えぇぇ?」」」」」 ×大人5人
「そんなにイメージだけで良いの?」
「イメージして信じる者は魔法が打てるのよ!覚えておきなさい!」
「???どこかで聞いたような句だなぁ」
「花火ぃって、カッコ悪いから、ファイヤーフラワーって呪文にしたんでしょ?」
「カエデちゃん、呪文なくてもイメージできればいいんだよ。」
「ブラックエルフさんに教わったの……。」
「そう」(笑)
「説明はあってるわ。じゃ実は茎を細〜く絞りつつ、魔力の圧力を高めて、今までの倍の倍、4倍ぐらいが高速で流れていくイメージでやってみなさい。細い魔法、覚えたでしょ。今の実ならできるわ。」
「もしかして、それがさっき話しておった秘策かのぉ?」
「そうよ。私が実践するより、この子たちが考えたた方が、早く理解できるわ。」
「イメージの元、知識が違うでのぉ」
「はい、やってみます。」
「で、その魔力がビー玉?……あ、誰か持ってない? 今度見せて。可愛いガラス玉なんでしょ。」
「持ってるわよ。」
「流石あさ、見せて!」
「ジュリエットが見たいと言うと思って、買っといた。」
「あの忙しいのに、買いに行ってくれたの?」
「通販、お願いすると持ってきてくれるのよ。」
「便利な世界ね。」(笑)
7色、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫のビー玉を木皿に入れてテーブルに置いた。
「これよ。綺麗でしょ。」
「あら、真っ赤とかじゃなくて、透明なガラスの中に波のような赤い色が入ってるのね。」
「他の色も綺麗でしょ。」
「カラフルねぇ〜。ピンクとかもあるわよ。」
「ミナはピンクね。」(笑)
なぜか入っていたピンクをミナに渡した。
「実、続きね。ビー玉がどんどん固くなって、重くなっていくのをイメージするのよ。」
「ビー玉が重くなっていく。軽いブラックホールでも良いかな?」
「実、それはやめとけ。ブラックホールが本当にできるかもしれない。」
「そうですね。社長。」(苦笑)
「ブラックホールとはなんじゃ?」
「太陽が巨大になりすぎた後、自分の重さで凝縮した星のことだそうです。」
「ほぉ、100年も満たない人の齢で、太陽の齢を迎えた時を調べたのでござるか?」
「物理という研究と天文学という星の研究をしている研究者の出したかなりの高度な推論でございます。」
「遠くの星の光は、何億年もかかって届くものもあるそうでございます。それを観測すると……。」
「死にかけてる太陽も見えると言うわけじゃな」
「太陽の重さが卵ぐらいまで凝縮して、周りの星々を全て吸収し始めるそうでございます。」
「それは恐ろしい者でござるな。こんなところにできたら。街ごと終わるな。」
「ところでりおん。今のはわざとじゃの!?」
「わかりました」(笑)
「りおんの執事顔とアルノがちょっと笑っておったぞ」
「さて、そろそろ話を戻してもらって、ジュリエットの指導の続きを……。」
「一気に弾けて小さな火花が広がっていく。その時、周りの人を魔力で癒すイメージで。優しい魔法で。放ってみなさい。」
「はい。魔力を細くすると、魔法の制御が全然違いますね。細いけど、密度を変えて色々できそうです。しかも精密にコントロールできる。」
「じゃ、花火、打ち上げてみますね。」
「エリアヒールファイヤーフラワー」
実の指先から魔法の筋が放たれ、
頭の50cmぐらいのところに
輝く光を凝縮したビー玉が浮かんだ。
……しばらく輝きが増していき、一瞬輝きを失い。
次の瞬間、部屋を満たす大きな花火の飛び散った星々、小さな炎がゆっくりと人々を突き抜けた。
「「「「「「きゃぁぁ〜」」」」」」
「うわっ、……痛くない。」
「なんか、1日の疲れ取れた感じ。」
「うむ。ちゃんとヒールを乗せた花火が打てたのぉ。
失敗して攻撃魔法を撃っても、大丈夫だったのだがのぉ。」(笑)
「実は凄いニャァ、一発でできて、しかもメリットをちゃんと理解してるにゃ。」
「エリーはなかなかできなかったものね。」
「ヒルルだって、数回やってたにゃ!」
「まだ、ここまで大きな花火になってないにゃ。」
「実さん、詠唱してましたよ?いらないんじゃ……?」
「カエデちゃん、ジュリエット姉さまの課題が難しかったから、イメージしやすいように、詠唱も入れたんだよ。」
「ジュリエット姉さま、私もやって良いですか?」
「ちゃんとイメージできてるなら、良いわよ?」
「あ、実さん、一瞬、輝くビー玉が暗くなったのって、どうしてですか?」
「溜め? ブラックホールほどじゃないけど、光を一旦留めてから放つって考えたら、ああなったよ。」
「多分、物理法則的に、ビー玉の中に光を実際留めたから、真っ黒の球になったんじゃない? 」
「光の放出が止まったってことかな?」
「りおんさん、そんな感じです。合ってます。社長のイメージもいい感じです。」
「ジュリエット、ぼくとあさもやって良いですか?」
「あさとりおんは、一度細い魔力のコントロールを見てからじゃ。魔力量が多すぎるから、コントロールを覚えてからにしなさいな。」
「はい。そんなに多いんですか?」
「ジュリエットより多いのぉ?」
「「「ええええぇ」」」 ×一同
「なんで、そんなにあるんでしょう?」
「これまでの経験が何か作用しておるのかのぉ?」
「はっきりした原因はわからないでござる。」
「一つはっきりしてるのは、創造神さまの祝福なのは確かよ……。」
「光の種類を見ると、そう思えるのぉ」
「何しろ、コントロールをちゃんとしないと、店が壊れるでござる」
「「「ええええええ」」」 ×一同
「二人は、ジュリエットさまの許可が出るまで禁止ね!」
「シナモン、まぁ、そういうことですわね。」
「じゃ、カエデちゃん、一緒にやってみる?」
「はい。一緒にお願いします。」
「タイミング合わせるのに、詠唱して、あとはカエデちゃんに合わせるから……。」
「ヒールは、みんなに元気でって思って魔法を放つといいわよ。」
「はーい。ジュリエット姉様。よろしくお願いします。」
「いいわよ。やってみなさい。」
「「イチ、ニィ、サン。エリアヒールファイヤーフラワー」」
二人の指先から、綺麗な光が放たれ、頭の上50cmぐらいに揃って光の玉が生まれた。輝きがどんどん増して、実とカエデが目で合図して、一瞬ビー玉が光を失った。次の瞬間、二つの花火が同時に弾けて無数の火花が大玉花火のように部屋中に広がった。
「赤とオレンジで、きれぇ〜」
「暖かい光ね。」
「おや、さっきから気持ちのいい光を感じると思ったら、実くんとカエデが魔法で癒してくれてたのかい?」
お婆ちゃんが、杖なしで、なんとなくいつもよりしっかり歩いて、イートインにやってきた。
「二人がエリアヒール花火の練習をしてたから、厨房まで届いたようですね。」
「足の痛みが取れたよ。実くんとカエデ、ありがとうね。」(笑)
「「「すごぉ〜い」」」
「カエデも魔法一回でできるなんて、凄いにゃ」
「ぼくもまだ、こんなのする自信ない。失敗したら怖いって思う」
「ヒールは医学的知識がイメージを支えるのよ。カエデはお婆ちゃんといつも一緒にいるから、足の膝の痛みが取れるように願ってたでしょ?」
「はい。ヒールって聞いて思ったのは、お婆ちゃんの膝とか、りおちゃんやあさちゃんの腰のことでした。あさちゃん、椎間板ガァって、よく話してたから。」
「日本は医学の知識が一般的らしいのぉ、それじゃで治癒魔法のイメージがしやすいのかもしれぬの。」
「僕は疲れてたから、ユンゲル、栄養ドリンク飲んだ時のように、疲れが取れて、栄養が補給されるのをイメージしてました。それしか思いつかなかったんだよ。」(汗)
「病気を癒すわけじゃないから、それでええのぉ」
「病気や怪我の癒しの時は、その時その時で、イメージが違うわね。」
「そこまで一度にできるようになられたら、私の存在価値がなくなるわよ。」
「ヒルル、失業にゃ」
「エリー、あんたの方が危機よ。カエデと実の魔力で、攻撃魔法放たれたら、確実に負けるわよ。失業よ!」
「あ、そうにゃ。私も頑張って、魔法練習しよ」
「さ、あさとりおん、シナモン、春樹、ことり、みんなも魔法トレーニングやるわよ。」
「「「はーい」」」 ×生徒全員
エリーさんは剣に魔力を与えて剣の耐久性と切れ味を上げて、魔力で筋力を増強する、身体強化魔法の使い手で、これまで魔法自体はあまり使えませんでした。不思議と念話はすんなり覚えたそうです。これも細い魔力操作の効果なのかもしれませんね。
このあともう少し、魔法の訓練をして、今日はお開きの予定らしいですが、本当に軽いトレーニングですよね?
※第73話タイトルのようなことは、こちらの世界の聖書には一言も書かれていません。この物語はフィクションです。ご理解ください。




