第72話 恋する心は魔法を暴発させます。取り扱い注意。
「「「わぁ、明るくなった!」」」 ×生徒一同
従姉妹組とことりたちの人差し指の先からほんの1cmほどの小さな炎が打ち上がり、指の先で5cmほどの7色のたんぽぽの花のような、ふわふわでかわいい花火が強く輝いてた。
「昨日、鬨の声をあげたとき、全員の魔力が一度に放出されたのよ。覚えてる?」
「「「「あ、ジュリエット姉さまが放った、51人の間者を撃退した魔法!」」」」
「従姉妹組、よくできました。」
「ほとんど9割以上放出したから、全員魔力量が2割ぐらい増えたのよ。福の神の魔力が増えたのも同じ理由よ。」
「元が小さいから、最初は増えるのじゃ。」
「楽しく放出する時はストッパーが効いて、放出し切らないのよ。だけど、怒りや悲しみで放出すると、使い切る時があるから、気をつけて。魔力切れは命に関わるのよ。」
「魔力切れの時にそばに誰かいたら、すぐに魔力を注いであげるのよ。」
「ヒルルお姉さん、どうやるの?」
「カエデ、魔力放出トレーニングと同じ。手を添えて、魔力を送り入れるのよ。」
「緊急時は心臓に手を当てて送るのが先決でござる。」
「心臓の魔力が戻れば、血液と共に魔力が巡る」
「ま、怖い話は覚えておいてね。じゃ、やるわよ。」
「あさとりおん、あゆみとカエデはそれぞれ復習。まずは優しく交互に送り合うのよ。」
「「「「はい」」」」
「秘書組と天国はお休みの後ぐらいに、実とことりから教えてもらうのよ。」
「「「「「はーい」」」」」
「ことりはシナモン、春樹はアルノ、実は柳田、でミナは福の神ね。」
「はーい」
「あゆみ、どうするのか説明できるわね? じゃ今日はカエデね。」
「はい。…手を繋いで、ことりさんたちから、シナモンさんたちへ迎えの細〜い魔法の糸を贈るの。温かい力で、蜘蛛の糸か絹糸ぐらい細い魔力をイメージしてね。」
「シナモン先輩、行きますよぉ〜」
「シナモン、魔法の糸が出てるの見えてるわよね?」
「…あぁ、これね。…暖かい、なんかくすぐったいけど、気持ちいい。」
「先輩の糸をそれに絡めて。触れさせたら絡まるから。」
「こう?…あ、繋がった。」
「引っ張って、外に出します。そのままス〜と外に出し続けて…。」
「あぁ、すごい〜どんどん伸びていく。」
「それが魔力放出よ。感覚をまず覚えなさい。」
「魔力って、本当にあるんだ。」
「おぉ〜すげぇ〜」
「アルノさん、うまいです」
「はぁ、私はなんだかうまく行きません。」
「柳田さん、糸は見えてます?」
「見えてないですけど、手の中で何か動いてて、くすぐったいですよ。」
「どのへんですか?」
「肘のあたりまで来てます。」
「同じ感じで肘のあたりに糸をイメージしてみてください。」
「わたしの肩から伸ばす感じですかね?…やってみます。」
「あ、肩のあたりから伸びてるの見えますよ。」
「見えないけど、くすぐったいのがわかります。」
「繋げますね。」
「お願いします。」
「引っ張るので、指先から釣り糸を投げる感じで。ぴゅぅ〜と…。」
「ぴゅぅ〜。…指先から光の糸が見えます!」
「ミナさん、手を繋いでもらっていいですか?」
「あんたたち、まだその段階?」
「だって、やっぱり恥ずかしいんですもの。」
「乙女か…〜」
「ささっとつなぐ!」
「はい。……えぇ〜と魔法の糸、送りますね。」
「痛たっ!」(叫)
「ミナ、太すぎ!」
「あ、はい!細〜く。こんな感じですか?」
「一本うどんぐらい太かったよ。」
「太いと痛いにゃ。昔のやり方は痛かったにゃ。」
「つい数日前まで、みんな、それでやってたわね。」
「私たちも、太〜く出すようにジュリエットに教わったにゃ」
「だって、それしかみんな知らなかったんですもの。しょうがないわよね。」
「細くするだけで痛みがなく練習できるとは、良い発見じゃのぉ」
「ただ、魔法弾を打つ時は、太いのがいるでござる。」
「それも研究してみるわ。ちょっとアイデアもあるわよ。」
「ジュリエットは、頼もしいのぉ」
「で、細〜くしたらうまくいってるの?」
「あ、ミナさんの糸が見えました。綺麗な薄紅色です。」
「ミナ、魔法に感情乗っけてるの?」
「えっ?感情なんて、乗っけてません…わ。」
「わかりやすいほど、好みの体型ってわけね。」
「「「えぇぇえ〜」」」×一同
「違います。そんな気持ち…。」(赤)(赤)(赤)
「で、これに繋げればいいんですね。ミナさん引っ張ってください。」
「あっ、外に引っ張りますね。」
「うわぁ〜」「きゃぁ〜」
魔力の糸を引っ張っただけなのの、なぜか福まで飛んでミナの元へ。危うくぶつかりそうになったのを福の神が体を交わしつつ、なぜかお姫様抱っこに。ミナを抱えて立っていた。どういう技?
「福、すごいニャァ、それ、私でもできないにゃ!」
「ミナ殿に引っ張られ飛んだ先で、天童殿が体を軌道に合わせて曲げることで、若干軌道を変え、ミナ殿の後ろにまわり込み、倒れそうになったミナを抱えて抱き上げたでござるな。」
「なかなかの判断と技じゃの」
「「「すごぉ〜い」」」 ×一同、パチパチパチパチ
「ミナ、心がダダ漏れですわよ。福はもう気付いてやりなさい。」
「はぁ…。僕、ずっとミナ先輩憧れてますよ。入社の時から、優しくしてくれてましたから。」
「あのぉ、家で飲むと、ミナさんに缶コーヒーもらったとか、義理チョコ嬉しかった。とか、挙げ句の果てには、ホワイトデーの相談まで…。大変だったんですよ。」
「実くん、さすが御庭番、情報ちゃんと持ってる」
「りおんさん、これ情報じゃありません。」(笑)
「ホワイトデー、ゴディボの高級ホワイトチョコもらった。あれ、義理じゃなかったの?」
「ええ、だって、手作りの義理チョコにはあれぐらいじゃないと…。」
「福、手作りで義理チョコ渡す人、ほとんどいないわよ。あっても一口サイズよ。」
「あ、シナモン室長、ハート型の大きな生チョコでした。」
「それ、常識的に、本命チョコだから!」
「実、今度あんたの親、面接ね。子育てなんか間違ってる。」
「はーい。姫の呼び出しって伝えておきます。」
「そうして」
「やっぱり、鈴木家の姫と御庭番だったんだ。」(小声)
「しっちゃならない秘密よね。」(小声)
「「「「内緒にしとこうね。」」」」(小声)
「ミナ、それ引き寄せ魔法になってるから。引っ張る時、来てぇ〜ってイメージしたでしょ。魔法はイメージしたことを実現しやすいんだから、気をつけること。あなた、妄想力ありすぎよ。」
「はい。気をつけます。」
「でも、魔法の才能あるってことにゃ。すごいにゃ。」
「あっちでやたらと使っちゃダメよ。魔力残ってたら使えるわよ。」
「ジュリエット、俺もあさも契約の魔道具使えたよ。」
「そうよね、あれ、魔力吸って使うのよね。」
「練習のため、寮には結界の魔道具持っていくのじゃ。」
「魔法使っても、逆探知できない魔道具ね。」
「魔法が漏れないんじゃなくて?」
「念話とサーチ魔法を練習してもらおうと思ってるのよね。」
「間違って攻撃魔法撃っても、消される魔法もつけておるでのぉ」
「結界はお主らの地区全部をほぼ覆うようにしておく。」
「足立区東部を全部をお願いしました。あさの行動範囲に合わせてます?」
「本社も鴉瑠之とシナモンの家も、範囲内じゃろ?」
「北千住も入ってるんですか?」
「大雑把な距離でギリ入っとると聞いとるぞ」
「後で確認します。足りなかったら、改良をお願いします。」
「でじゃ、寮とそれぞれの家で魔法の修行をするとの、その魔力の一部を結界の魔道具が吸い込むのぉ。いわゆる充電するでの、修行を夢夢おろそかにするではないぞの。」
「今度は全員で、魔力を放出。お店の中は攻撃魔法は消されるから、花火を打ってもいいわよ。実、教えてあげなさい。」
「はーい! この間、たんぽぽの茎を上に延ばして先にビー玉を作ったでしょ。それを解放して、たんぽぽの綿毛の花火にしただろ。それを頭の上に打ち上げて、ビー玉の綿毛をもっと広げて大玉花火を花開かせると、花火が打ち上がるよ。」
恋の花火は、上がったのか?
やはり軽い魔法トレーニングでは終わらないようです。
「他にお客様いないので、見学しながら、清掃作業を進めておきますね。」
「国道くん、秘書組さんたち、よろしくね。」
「「「よろしくぅ〜」」」
共通語で詠唱すると、のんびりしすぎてたので、基本辞書でファイヤーフラワーにしたらしいですよ。花火はfireworkですけどね、詠唱には、火の花って方がいい感じでしょ?
寺子屋式魔法教室続きます。
「ちょっと」と言いつつ、本格的に魔法のトレーニングを始めてるようです。お師匠が悪いのか、生徒が悪いのか。昼のイベントで疲れてるので、そこそこにしましょうね。
「私も魔法使ってみたい」と思った方、いいねとコメントお待ちしてます。




